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第22話:大下水道

第22話:大下水道



下水道管理の最高担当者がいった。

「そんなの無理です。できません」


俺は技術者が、何かあればとりあえず無理だという事は知っていた。

しかし、それを無理押しすると、何となくできてしまうのもよく知っていた。

「そうか、それは残念だ。できないならしかたないな」

俺がそういうと、技術者がほっとした表情を見せた。

「しかしだな、例えば仮定の話でいいんだが、もしもだな、この下水道本管をどこかにバイパスするとしたら、どこかあるだろうか」


担当者が、急に技術者の顔になり考え出した。

俺はニンマリした、技術者がこの顔をしたときは、最後には何とかなるもんだと経験で知っていた。

「そうですね。第3大下水道を、第22、23側道を介して第2大下水道に、さらに第45,46側道を介して第4大下水道に流せばあるいは」

「皆、聞いたか。それで行くぞ」

「いや、可能性の話をしているので、本当にできるかは、わかりません」


ここで俺はできるだけ怖い顔で言った。

「これは王都に緊急事態なんだ、可能性があれば、やってみようとは思わんのか。それでも王都の官僚か」

彼は俺の強面をみて技術者は震え上がった。

「自分のできることを全力で行います」

はじめからそういえばいいんだよ。

「よし、第一隊作業開始」


本気を出した下水道管理官と第一隊により、懸念されていたバイパスは予定されていた時間の半分以下で何の問題もなく完成した。


すかさず、第二隊が、バイパスの上流に塩を投入する作業を開始した。

下水道の入り口の近くには塩の袋が山と積まれていた。

「大変な量だなあ、本当に塩不足にならないのか」

騎士が不安そうに話し合っていた。


「そうはならん。ルーデンドルフ領より今、大量の塩が今王都に向かっている。ルーデンドルフ領は海に面しており塩の大産地だ。現在大増産もしている。全く心配はない」

俺は騎士たちを安心させた。

歓声があがり、徴用された人夫が大量の塩を下水道の中に運び込んでいった。


下水道の中はバイパスのおかげでほとんど水がなかった。

「うわーくせーなあ。だが水がないのはよかった」

「早い所塩を運んじまおうぜ」

塩はドンドン運ばれ、上流はほぼ塩の袋で埋まった


第三隊は、あの花の周囲を掘り返していた。

兵の基本の一つに穴掘りがある。塹壕を作ったり、ゴミ捨て、殉職者の埋葬、いくらでも用途があった。もちろん騎士も穴掘りは慣れたものだった。

あっという間に木周辺に深さ3メートル以上の穴が掘られた。

そこに大量の塩が投入された。


「作業は終了しました」

「了解した。見事な手際だった」


これでできることは全て行った。あとは結果を待つだけだ。

俺はマリーベルをみた。マリーベルはそれに気づき、自信ありげに頷くのがみえた。


なんとかなってくれよ。



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