表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/30

第19話:そびえたつ花

第19話:そびえたつ花


そこは王都の一角だった。

カッコッ、カッコッと、深夜、街をパトロールする騎士の革靴の足音が石畳の道路に響いた。

夜が更けようとしていた。いつも通りの夜が、いつも通りに過ぎようとしていた。今日も何事もなく過ごせるかと思われた。


ゴト。

後方で何か音がしたように思えて、騎士は後ろを振り向いた。

しかしそこには、何も動くものはなく、ただ闇に閉ざされていただけだった。

騎士は胸をなで下ろし、パトロールに戻った。

また、カッコッ、カッコッと、騎士の足音だけが夜の街に響いた。


そこに突然バキッとという音が響いた。

騎士は驚き振り返って音のした方を見た。


そこの石畳が盛り上がり、何かが出てこようとしていた。

石畳はバリバリと剥がれ落ち、何かが押し出してきていた。

それは石畳を突き破ると、どんどん成長していった、何らかの植物の芽のようにみえた。

それは周辺の建物を破壊しながら、アッというまに人の高さを越えさらに成長していった。さらに葉をしげらしていった。


騎士は驚愕し、しりもちをついた。

そして、はっとして異常を告げる笛を吹いた。その後、周囲から応援に駆け付ける騎士達の足音が近づいてきた。


「ほほう、これがその植物か」

カミーラは、その植物を仰ぎ見た。それはすでに10メートルは育っていた。木質というよりもむしろ竹ににた、艶やかな表面をしていたが、節はなかった。ところどころから枝が出ており、奇妙な葉が茂っていた。

「半日でこれだけ育ったのか、生半可じゃないのう」

第一騎士団の例の隊長が召集されていた。周囲には騎士が野次馬が近づかないようにみはっていた。

「は、異常であります。こんな異常な事件は我々では対処困難です。ギースラー殿とルーデンドルフ嬢とも連絡をつけたいのでありますが」

「あいつらは、大変仲良くなったようで、いま二人で王都にいる。儂が呼びよせてやろう」ニタニタ笑いながらカミーラが言った。

「有難くあります」


「なんで休暇なのに俺たちが呼ばれるんだ」

俺は少しむかついでいった。マリーベルとのデートだったんだ。王都のスイーツを食べていたんだ。なんかもうぬきさしできないところにまで来ているような気がするが、止められないものはとめられない。

「これが、その植物ですか、大変興味深いです」

マリーベルは余り不満がないようだった。

「流石にこれは放置できませんね。では今まで、何をしたか教えて頂けますか」

「まず斧で切り倒そうとしましたが、幹を少しでも傷つけると、毒液が噴出します。少しでも肌に着くと火傷のようになり、始末に負えません」


「それから魔法部隊に出動命令が下りました。しかし火は全く受け付けませんでした。魔導士が火魔法を使っても全く焼けません。氷魔法も、雷魔法も効果ありませんでした」

「お手上げであります」

「何もしなければ無害なんだろう。このままにしとく訳にはいかんのか」

俺はマリーベルに尋ねた。


「ハインツ、これがどんな植物か分からないのよ。花の花粉から毒物がでるかもしれない。また、どんな種がなるかで、対応が違ってくるわ」

「どう違う」

「これが、果物や木の実のように、実がなる植物なら問題ないの。その実を全て収穫し、燃やすなりなんなりすればいいのよ」

「問題は、その種が羽毛のようフワフワととんだり、くるくる回って飛んで行ったり、実がはじけ飛んで種を吹き飛ばすタイプだとしたら問題なの」

「何が問題だ」

「種を全て回収できない可能性が高く、そうなれば来年この植物が王都中に出現するわ」

「それは問題だ、何とかしないと」

「安心して、私に策があるわ」


その瞬間、覆面の集団が俺達に襲い掛かってきた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ