表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/19

第12話:専門家登場

第12話:専門家登場


俺は、突然王都の騎士団総長室に出頭せよとの命令を受けた。総長からの直接の命令なので、嫌も応もない。いつものように護衛にパウルと他二名の騎士を伴って王都に向かった。


総長室に入ると、先客が二名いた。


マリーベルと、カミーラだった。二人とも何やらすごくうれしそうな顔をしていたが、俺をみつけるやそれが一層増したようだった。

こりゃあただ事じゃあないな。俺は何かを諦めた。


「この三人が呼ばれたという事は、よほどの事件が起こっているんじゃな。楽しみじゃな」

「フフ、私はお父様から子細は聞いているのよ。とても興味深い事件よ。ああ、世界は本当に驚異に満ちているわ。こんな楽しいことはないわ」


その後総長が厳かに説明しだした。

「その通りだ。今回はルーデンドルフ公爵家の領地の異変だ。公爵家から王に依頼があり、王がそれを受け入れた。その為これは王命となる」

「しかしながら、公爵家からの依頼のため、全ての費用は公爵家が持つし、第二騎士団も自由に使ってよいそうだ」

「えーと、それではどうして私が呼ばれたのでしょうか」

なんで平民騎士の俺が、こんなところに呼ばれるんだ。


総長が、物凄く意外そうに答えた。

「ルーデンドルフ嬢、王宮魔導士カミーラ様よりは前回の事件で、その功績が非常に高く評価されて推薦されている。絶対に貴君が必要といわれたが。また別にルーデンドルフ公爵、第一、二騎士団団長より強い希望があり貴君は召集された。前回の事件であの癖のある面々を統率できたのは貴君以外考えられないと言われたが」

「癖があるのは認めるがな。しかし不満じゃ」

こいつ少しは自覚があるんだな。

「私は至極真面目ですが」

こっちは自覚もないようだ、真面目なのは認めるが。


「そこまで高く評価されているなら光栄です。今回の事件も力を尽くします」

俺はげんなりしていった、だんだん仕事が増えていくんだが。なんか、皆メンドクサイ仕事は俺に押し付けてればいいと思っていないか。

が、マリーベルとまた一緒に働くのは楽しいかな。


「では、事件の概要を説明する」

事件の説明が進むにつれ、またマリーベルと、カミーラが興奮してくるのが分かった。なんでこんな変な事件がたて続けにおこるんだ。


「これは面白い、歩く山事件に匹敵するようじゃな」

「また、知られていない生き物でしょうか。楽しみです」


「パウル、じゃあ調査隊の準備を頼めるか」

「いえ、本官と部下二名は、この後、原隊に復帰せよとの命令が出ています。残念ですが、帰還いたします」

「ギースラー殿の世話は全て第二師団が請け負うとの命令書が届いている。安心して任地に赴くように」

総長が断言した。


「では、我々はこれで」そう言って、パウルたちが帰っていった。

おーい俺はまた一人なのかよ、俺を一人にしないでくれよー。パウルの背中に心の中で呼びかけた。もちろん通じるわけがなかった。


「第二師団からの派遣部隊の隊長であります。準備は全て整っております。いつでも出発できます。それからギースラー殿、ルーデンドルフ嬢、カミーラ様の要望は極力聞くようにと命令が出ております。気軽にお申し付けください」

こいつは第一騎士団のあの隊長とそっくりな生真面目な奴だった。王都と、王国東部って似てるのか。どっちも非常に治安はいいが。


「まあ、今日はもう遅い。今日は休んで明日出発とのことでどうじゃ。島はどうやら逃げないようじゃしな。それにわざわざ呼び出したんじゃ、メシくらい出るじゃろ」

「そうしましょう。久しぶりに皆でご飯にしましょう」

マリーベルが俺に向かってニッコリとしてそういった。

「俺もそれが良いと思います」

「そうだな、メシメシ」

まあマリーベルと一緒に食事は悪くないか。ババアが一人ついてるがな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ