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少年少女  作者: やまだ
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さかもとさんはいった「いじめはやっぱりいけないよね。私先生に相談する。」

翌日「やっぱりちょっと怖いしめんどくさいし。」とちくりをやめたことを坂本さんは私に懺悔した。

高橋にばれたら最悪だしね。と付け加える。

日に日に確実に。追い詰められていく彼。確実に性格が変わっている。田中君に話しかける人間はもはやいない。彼は隔離され。バイ菌だらけの病人の目で私たちを見る。

「なんか違う人種みたいだね。あのひととうちら。」佳奈ちゃんそんなことなんてない。一か月前は普通だったよ。同じとか違うとか考えてもいなかったじゃん。

昼休み高橋君とほかの男子が教室で追いかけっこしている。教室に田中君はいない。「昼休みってあいつダッシュでどっか行くじゃん?あとつけたらさーなんかあいつ裏庭に座って本読んでんだよねー引くわー。」と以前高橋君は言っていた。田中君が、まだ学校へ通っている時。

「おまえマジないし。ちょぶつけんなし。」「あほやないん」「あれ?どこいったどうしましょう。」

「男子うるさい!」桜ちゃんが媚びた笑顔で男子に向かって言う。「おまえの声がうっさいんだよーイソノキリコかっつの。」「はー?なによう!」「そっくりだしまじそっくり。」

こうやって巧みに男子と仲良くなる女子を私は素直にすごいと思う。「なんかさ、中田さんたちってそういうやり方、生まれたときから知ってるんじゃない?って時々思う。」佳奈ちゃんの交換日記から。そばにデスノートのミサミサが書いてある。手書きの吹き出しには「小悪魔ギャルきもい」。

教室のうるささは私と佳奈ちゃんの精神をすり減らしていくように思う。私達やそのほかのおとなしい子はそれにじっと耐える。そして弱い仲間同士ですりより、よるべなさを慰めあう。

田中君は仲間がいないからそこから逃げた。そして、不登校になることによって一日中教室から逃げることができた。私は彼がすこしうらやましかった。

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