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少年少女  作者: やまだ
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やっぱりこうなった。

田中雄一くんが学校を休んで今日で10日目だった。

「やばいね田中不登校やん。」小池くんが言った。「誰か田中くんにプリント持ってきてくれる人。手を上げてください。」サキちゃん先生がいった。誰も手を上げなかった。「里蔵さん持っていってくれるかな?」私が選ばれた。「裕子大変やねえ」サキちゃんが同情した。

今日の。帰りの会の。出来事。

田中くんは良い子供だった。かっこよくて勉強も運動もできて、友達も多かった。そして誰に対しても優しかった。だからイジメられた。

田中くんがいじめられ、追い詰められていく様子は、大きく開いた花が、時間をかけてしぼみ枯れていく変化に比喩ができた。みんな田中くんをいじめることを通して田中くんのエネルギーを吸い取っているみたいだった。掃除時間に田中くんの口の中に雑巾を無理矢理詰めて「お前きめえええ死ね!」と笑いながら罵る高橋くんの顔はきらきら輝いていた。

なんかこう楽しいよね人を貶めるのって。それってすっごくイケないことなんだけど。その罪悪感がかえって人を興奮させるっていうか。なんか、田中くんが泣いてるの見てたら嬉しくなるの。私の親友の佳奈ちゃんが交換ノートで書いた文章。

「田中ってホントはいじられキャラだったんだよ。なのにあいつ無理してリーダーぶっててさあ」集団下校で高橋くんがそう愚痴った。


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