2 古い悪き新しい世界
ちょっと1話だけでは手応えもクソもないしここまでは上げます。
ここに来てから…半年…長いようで…短い期間。
"時は無情
胎児踊ったの母の心
謳ったのは時の無情さ。
踏み外した道は決して必要なものではなかったと願おう
命落としても時には勝てないか…"
なんて詩を考えて寝ておきたら1日がすぎてる。
私って馬鹿なのかな?
半年間、色々考察を打ち立ててせこせこと実証してを繰り返して結構予想を立てれた。
まずそのことから振り返りよう。
この半年を節目に色々前に進みたいしな。
1、ここはほぼ確定で日本では無いこと。
2、医療が恐らく発展していないのか全くもって設備が乱雑である。
3、自身の親は母のみ(一人自分につきっきりで女性が世話をしてくれているからその人が親と断定、しかし男性は殆見ないしみても毎回違う人であるから父は分からない)
4、定期的に車の様な物に乗せられ何処からに移動を繰り返す。
5、これは特に重要な情報ではかもしれないが、定期的に母乳以外…赤子に飲ますには不自然な薬?の様な物を無理あり飲まさせる。
その他特に気になることはない。
目があまり見えないので目がはっきりしハイハイなどの移動手段を確立させてからが勝負である。
それまではいったん軽い推測しかできない。
さてさて…今日は何をしようか。
早めに場所の特定をしたい、こういう時に言語勉強に励んでおけばとつくづく思う。
アフリカとか南アメリカの奥地とか言われてもあんましわかんねーしなーアジアならまだマシだと思うけど…
それともしかしたら異世界ってやつの可能性もあるわけだが…
そんなわけ無いと言いたいところだが蘇ってる時点で何でもありだし…
もうなんか何にもわかんねーな。
こういう時は普通なんか知らんけどこっちの言葉がわかるもんじゃないの?
うーんいやだなーこう言うの〜もっと楽させろよ〜
強靭!無敵!最強!私がトップだぁ!ってやらせろよ。
うーん…本当したら情報を得れるんだ?
場所の手がかりはもう言語しかないしな〜もっと時間がたてば温度がどうとかできるだろうけど…
情報がない!本当に情報がない!
だがしかし、一つ言えるのは今のところ不安点に関してはあまりない。
言語とか場所とかはいつか分かるし…1つ言えるのは薬ぽいのが危なそうなくらい。
あとは時間が解決してくれそうな問題だけだ。
お腹が減ったな〜などと考えつも状況整理を続ける。
多少不安点は有れど展開が有るまではなる様になる精神でいいだろう。
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え〜…なんかアクション起きてるぽいです〜
こちら現場からなんですが〜
今現在母と思われる人が泣きながら自分を抱かかえてます。
プラス怒鳴る男性の声が聞こえてきます。
あれ?これやばいぞ?多分誘拐か?
やばい…本能が泣けと言っている。
そりゃこの年の子を無理あり親から離したら泣くよな。
てか待ってマジでヤバイ。
こうやってふざけてないと内心全く冷静でいられない。
動機がしてきた〜…元々心拍高いのに。
そうやって考えているうちに、女性が力尽きたのか。
抱き抱える力が弱まってくる。
その機をうかがっていたかの如く男は母から私を奪う。
あ…終わった…
流石にこれは…
もし母親(仮)が悪いやつで、男性がそれを取り戻したりする人でもそういう状況になってる時点で人生波乱確定では?
いやだぁ〜いやだぁ〜!そんなのいやに決まってる!
離せ阿呆!我!こう見えても16歳の女子ぞ?気軽に触れるでない!
…………まじで落ち着こう。
ふざけってっと…取り返しつかないかな…
温度差つけて冷静になろう。
もしこれがまじで誘拐とか、そういう類のものなら…今の私には何もできない。
何も手が打てないなら考えるべきは、最悪が起こった時今どう行動すれば一番被害が抑えられるかだ。
まず…体力の温存。
この体は暴れれば暴れるほど眠たくなる。
本能に身を委ねて泣き喚いても帰って体力を使いすぎる。
ここはできるだけ考え事をして理性を保とう。
最悪素数でも考えておこう。
えーっと次に状況把握。
辺りをぐるっと見回す。
勿論よく見えるわけでもないし……あまり使えそうな情報はない。
ただ…1ついま私を持つ男は…少々、成金と言おうか…小太りでなんか首の辺りにジャラジャラネックレスをつけてる。
指にも…指輪を何個もはめていて。
どこの世界にも居るもんだなと感心している自分が居る。
何分か、成金の男に抱きかかえられ運ばれていくと。
もう一人別の男が座って待ち受けていた。
「□✕□✕▲△!!」
なにか、大きい声で待っていたほうの男が喚く。
なにか気に入らない事があったのだろう。
「□…□…△△〇…」
私を持っているほうの男は申し訳なさそうに、頭を下げながら、私をもう一人のほうに渡す。
情報マジで掴めん…言葉がわかれば。
まあ良い…いったん流れに身を委ねよう。
私を渡された方の男は。
私を乱雑に抱えたまま。
どこまで歩いていく。
そうして、恐らく馬車?の様な物の前に着く。
馬車?の前には女性が立っている。
白と黒を基調にした服をつけている。
丁寧な立ち姿から、高級店の店員を思い出させる。
男は女の前まで近づいて。
私を乱雑にそんな女に渡し。
馬車?に乗る。
なんだ?護送か?何がしたいんだ…
マジで情報をくれ…
一旦だ…マジで一旦分かる事をくれ。
必死で情報を経ようと五感を研ぎ澄ます。
新しい情報として。
今私を抱える女は、近くで見ると明らかに前世で言うところのメイド服?のようなものをつけている。
それとそこそこいい匂いがする。
表情に喜怒哀楽が見られないのが不気味だが…それほど優秀な使用人的な人なんだろう。
女は私を膝に乗せ運転席?と言おうか、男が入った方とは別の所に座る。
隣に縄のようなものを持っている。
馬車か…馬車?
ん?馬?
生後半年…大体視力は0.1に届くかどうか。
しかも視点がだいぶ低いからよく見えないが。
この小屋を引く生物は明らかに馬には見えない。
………これ…さ…
やっぱり異世界ってやつなのか?
ここにきて思わぬ収穫。
今までほぼ景色が変わらなかったがここにきて少し分かる事が出てきた。
案外…今はいい兆候なのか?
……いや胸騒ぎと言おうか、勘でしかないが良くない気がする。
一旦……もっと…かんがえ……………様。
突然の眠気だ。
有無を言わさない。
眠気、本能と言おうか。
今の体にはフル回転した頭についていけない。
それはそうだ生後半年など普通そこまで考え事などしない。
今回だってたかが1時間本気で考えただけだ、ほんの100kcal使ったくらいだろう…だがしかし、いまの体は本能に忠実だ、疲れたら寝る。
……真っ暗になった視界が次開ける時に得る景色はどんなものか分からない




