表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11



どこから探偵の見た妄想の話を始めよう?

 

それは、石の階段で、あった。


探偵は、その時ひとりでいつも通りに新設された防犯カメラのシステムから送られてくる映像をモニタールームでチェックしていた。


この新設のシステムが正常に作動するか、探偵は確認を行なっていた。そして、そんな時偶然に正体不明の人影が解体準備中の工場に向かっているのがモニターに映し出された。


このときには、探偵を見張る社員はいなかった。


探偵は無謀であると思ったのだが、それでもなぜかひとりで工場の解体現場に向かった。


犯人らしき人物の足音が工場から聞こえて来た。工場内の明かりは十分とは言えないが、この犯人らしき人物の足音を頼りに、相手に悟られないように、後を追った。


犯人は、工場の倉庫にやって来た。探偵も犯人らしき人物の後を追い倉庫にやって来た。倉庫の壁には、真新しい即席の扉があった。真新しい即席のひとつの扉の向こうには、階段があり通路があった。通路を進んでいくと工場の地下で見つかっていて、発掘作業が進行中の遺跡群の広大な地下空間があった。発掘作業中の遺跡群には、当日の作業は終わっており人はいなかった。いくらかの灯りが発掘中の地下遺跡の空間を照らしていた。


この広大な遺跡群が収まっている地下空間で、探偵は犯人らしい人物を見失ってしまった。犯人らしき人物は、いつも、地下の遺跡群を行き来していて、犯人は、地下遺跡群について、土地勘??があるのは明らかであった。


探偵は、この地下遺跡群について、興味津々ではあったのだが、引き返した。でないと、迷路のように入り組んだ通路のせいで、迷子になってしまう、と思った。


そして、犯人を追うよりも、監視カメラに残された犯人の映像をチェックした見たら、意外と大事なことが記録されているかもしれないぞ、と。


その後、探偵は、地下の通路からモニターのある事務所に戻るときに、昆虫の化け物に遭遇した。


この昆虫の化け物は、大型犬よりさらに大きく熊くらいの大きさがあった。姿、かたちはゴキブリのようだった。


探偵は、このゴキブリのような巨大な昆虫の化け物と対峙した。この昆虫の化け物は羽を鳴らし、探偵を威嚇してきた。


探偵は、腰のベルトに装着していた警棒を手にとると、卵ほどもある化け物の左目を目がけて、警棒を打ちつけた。化け物は、探偵の攻撃を交わしたために、警棒は化け物の目には当たらず、触覚の根元あたりを打ちつけた。触覚の根元は傷み、内側から白色の体液が溢れて、白色の体液は、口元をたどり、そして、地面に滴り落ちていく。


そして、意外にあっけなく巨大なゴキブリは、後退りし、機敏に向きを変えると暗がりの方に向かって走り込んだ。その様子は、巨大なゴキブリの成虫そのものというべきものであった。


       *       *  

探偵は、巨大ゴキブリとの遭遇について、オーナーはもちろん誰にも報告しなかった。それは、ひとつには探偵が工場側からの許可をもらわずにオーナーの部下も同行していたのではなかった、そんな中行動していたときに起こったことだからである。


工場のオーナーは、探偵調査を口実に探偵が余計なことを知ることを嫌っていた。


「本当に、奇妙な夢を見てしまっていたのだ!」



探偵は、うとうとから我に返った。オーナーの演説は、ちょうど終わったところであった。里田万智とともに、事件解決の祝宴の会場に向かった。


そして、探偵は、工場の食堂で開かれた祝宴の際にふと思った。


(俺は、あの時、犯人を追い詰めた。そして、追い詰めた場所の近くで犯人は死体で発見された。俺は、それを確かめたわけではない。そう聞かされたのだが、俺はその死体がどんな具合だったか見ていないし、その犯人の死体の様子を聞いても教えてもらえていない。今度の事件に関しては、俺は、何かの訳があって何も事情を知らされていない……犯人の死体のことも….…化け物ゴキブリのことも……?)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ