踊り場
踊り場で
ふりかえるひとの、記憶が
永遠でありますように
あかねさす
むらさきの放課後
もう思い出すのだって億劫で
階段の影は
いろをうすめていく
あなたがふりかえり
ふみはずしたような世界へ
おりていこう、おりていこう
ずっと地下へ
窓硝子に
永遠性が透きとおっており
そのすべてに
おわりをみた
踊り場で
ふりかえるひとの、亡霊
あなたは記憶
さまよえるわたしの亡き骸
救世主のいないまち
夜がくるから、ほんとうは
公園ちかく、階段の影
夕陽にあのころを透かしていると
すこし
泣いてしまう。