特訓
「とりあえず今日はもう遅いし寝よう。明日から本格的に特訓を始めよう!」
「わかった。おやすみ陽菜」
「おやすみ」
自分の部屋に戻ろうとしていた時、急に1階から名前を呼ばれた。
「柊君ちょっといい?」
声をかけてきたのは陽菜のお母さんだった。
「どうしましたか?」
「あのね、これお給料」
陽菜のお母さんは5万円も渡してくれた。
「来たばっかりで、これといった仕事もしていないのにこんなに貰えません」
「でも流石に一銭も持っていないと困るでしょ。だから給料の前払いということで貰ってちょうだい」
「わかりました。ありがたく貰います。明日からどんなことでも手伝いますのでなんでも言ってください」
「助かるわ。頼りにしてるね!」
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
とりあえずも今日は遅いから寝ることにした。明日からはかなり忙しくなるから。
「柊、起きて」
朝のようだ。
「おはよう陽菜。ていうか今何時?」
「6時半だよ!」
「6時半って早すぎないか?」
柊は現実世界では学校に行くギリギリまで寝ていた。家から学校が近いのもあったが、だいたい8時ちょっと過ぎまで寝ていた。
「10時からお店を開店するから10時になったらお店の手伝いをしなくちゃいけないから、7時から9時半までトレーニングだよ!」
強くなるより働くことの方が大事だから仕方がないが、試験まではかなりのハードスケジュールになりそうだ」
「わかった。着替えてすぐ下に行くから陽菜は先に行ってて」
「お待たせ」
「それじゃあ早速始めますか」
「お願いします」
「最初は体力をつけないと始まらないからランニング30分」
「マジですか・・・・・・」
中学の3年間サッカー部に所属していて現役時はある程度体力があったが、引退してからスポーツどころか体を動かしていなかった柊にはとてもハードすぎる。
「終わったら筋力トレーニングで腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回やるから頑張って!」
このペースでトレーニングを続けていたら試験合格どころか体を壊すのではないかと柊は密かに思っていた。
「入学するなんて言わなきゃよかった・・・・・・」
「なんか言った?」
「なんでもありません!」