呪いの加護
「何?まだ部隊が戻らない?そうか。では私が現地へ向かおう」国の部隊の総司令官大台兼正は部下からの報告を受け戦場へ向かった。(まあ今回は様子見もあるからな、強力な部隊を送り込まなかったが、果たしてどうなったことやら)そして戦場に到着すると彼が見たのは、全滅した兵士たちだった。「これは...やはり強力な部隊を送らなくて良かったな。こちらの見立てが甘かったということか。とは言え奴らの正体が掴めん。しばらくは犠牲になってもらうとするか。これも国を守るためだ」
憎装部隊では祝賀会が行われていた。「皆の者、よく戦った!!我々はまた、愚かな人間どもの殲滅に一歩近づいた!まだまだ道は遠いがこれからも倒し続けるぞ!!!」「おおおおおお!!!!」
この盛り上がりよう。まあ人間を殺したならそれでいい。
さて、呪いの加護の話をしよう。呪いの加護は俺たちの武器である憎装を手にしたときから発動しているもので、人間でなくなる代わりに全ての人間の攻撃が効かなくなる。さらに、食事を摂る必要もなくなり、憎しみさえあれば自分の能力関係なしに武器を使える。つまり、身体能力や剣の実力が上回る相手でも容易に倒すことがある。もっと言えば自分の意思も無視するというもの。まさに、人間を殲滅するためだけに発動する加護。
まだ国は俺たちの対策が出来ていない。そのうちに人間を殲滅するのが俺たちの使命。
(思えばあの時からか、人間を憎むようになったのは)
そうー俺はあのことがきっかけで、
人間であることを捨てたんだ。
次回からゾーヤの過去を書きます。