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刹那の王は独り嘆く  作者: 黒猫
入学編
6/35

第6話 勉強は1日1時間

よろしくお願いしま〜す

 ホームルームが終わり、十文字先生が外に出た途端、教室ではチーム作り合戦が開幕した。


「君!名簿で見たよ!発動系統持ちでしょ!

私とチーム組もう!」

「おいお前、ドラゴン召喚できるんだってな、一緒にチーム組もうぜ」

「まだ、子供のドラゴンだよ…」

「いや、将来性を見ているんだ俺は!」


 とまぁ、こんな感じである。因みに誠の元に来る生徒は皆無である。


 そのうちに、クラスは大体5つの派閥に分かれた。


 1つ目はあの、柄の悪い二人組がボスの、男の不真面目集団(人数は3人。超少数)


 2つ目は、その他の大体の男子の属する仲良し集団(人数は9人程度。異世界人とこの世界の人は、割と仲良くなれるらしい)


 3つ目は、女子と男子混合の、クラスのスクールカーストの頂点の人たち。(人数は6人程度。みんな美男美女という、人類の敵の派閥)


 4つ目は、その他の大体の女子の属する仲良し集団(人数は10人程度。2つ目の派閥と似ている)


 そして、5つ目。それは、クラスで浮いた人たち。いわばその他の人たちである。(誠はここである)


 と、このような感じで、クラスで完全に浮いた誠はというと…



「やばい。今日が人類最後の日だ。

なんだ、この場違い感。頼れる人もいない。この状況は!」


 まずは、チーム作んないといけないのに、誰にも話しかけてもらえず、すでに派閥の作られかけているこの状況。話しかける勇気は無い!


 と、考え悩んでいたその最中、徐々にこの世界出身の人たちは教室を出て行く。

もうすぐ授業が始まる様だ。


「ボッチのまま、授業を受けるのは、もう引きこもる前の地球での生活と同じ!

終わった。俺の人生。さよなら俺の…」


「はい、それじゃあ授業を始める。起立!」


 と、愚痴をこぼす誠をよそに、いきなり十文字先生はやって来た。


「気をつけ、礼!着席!」


「それじゃあ、今日は魔王軍について。

 魔王軍とは、この世界にある、魔王城から領土を増やす為にこちら側に侵略して来ている奴らだ。


 因みにここ、アラスト学園のあるこの地区は、ちょうど魔王軍と我々の領土の境目にある。

 だが、ギルドに所属する人が、そいつらを倒してくれるから、今まで町の全壊などは無い。だが、だからと言って油断してると、痛い目にあうので…」


 と授業の中、誠を不思議な感覚が襲った。


 あれ?なんだこの感覚。

 なんか懐かしい感じだ…なんか体が重くなって…

 あぁ、授業中に来る眠気か…

 まぁいいや、授業つまんないし、とりあえず寝よ………




「起きろ…起きなさい…()()()()()()


 ん?どこからか声がする…まあいっ…


「起きろ!伊達!」


「は、はい!」


 あそっか、俺は寝てたんだ…


「明日は寝るなよ!じゃあ今日の授業は終わる。起立!」


 いや待って待って、もう授業終わり?と思って時計を見る。針は10時を指していた。

 誠は訳が分からず思わず声を上げてしまった。


「先生!」


「なんだ伊達!」


「なんでもう終わりなんですか?

9時から授業が始まったから、まだ1時間しかやってませんよ」


「あぁ。そうだ。ここは勉強する為に作られた訳じゃ無いから、別にそんな勉強させる気は無い!」


 と、先生が言った途端に、周りから歓声が上がった。


「流石っすボス!」

「信じてました!ボス!」


 十文字教の信者が、また何人か増えた瞬間だった。


「それじゃあ気をつけ!礼!」


「有難うございました!ボス!」


「そのノリはやめろ!」


 もはやこのノリは、日常となっていた。





☆☆☆☆☆☆





 誠は、昼ごはんを食べる為、寮の3階へ向かった。


「おじさん!唐揚げ定食1つ!」


「はいどうぞ。たくさん食って強くなれよ坊主」


「はい!」


 そう言って誠は席に着き、唐揚げ定食を一人で食べる。


 だが周りを見ると、既に友達を作っているのか、2、3年生だけでなく、1年生ですら、一人で食べている人はいなかった。


「やっぱ場違い感半端ねぇ。さっさと食って校舎に戻ろ」


 そう言って誠は、早食いをした後、すぐに寮を出た。




☆☆☆☆☆☆





 誠が、寮を出て教室に着いた頃には、既にたくさんの人が教室にいて、結構騒がしい状況になっていた。


「じゃあこの3人でチーム決定でいいな」

「いいっすよー」

「私たちもあと一人見つけないと、チーム作れないよ」

「強化系統の異能は、自分以外の人も強化できるから、結構需要あるよね」


 俺は周りの人の話をこっそりと聞いていると、周りの人たちはもう結構チームを組んでいるとわかった。


 そんな所に、十文字先生はやって来た。


「それじゃあ今から、異能の授業を始めるが、その前にチームを今決めてもらう!」


 すると、周りが一気にざわつく。するとその中、誰かが質問した。


「先生!なんで今なんですか?まだチームメンバーが、決まってないんですけど」


 すると、みんなが、そうだ!そうだ!という。だがそんな中を、先生は一言で黙らせる。


「それは、異能の授業は、チームでのレベルアップが主な授業内容だからだ!

 それじゃあ、もう決まっているものは私に教えてくれ。決まってないものは今決めろ!」


 そう先生が言った途端、各地でじゃんけん合戦が勃発した。そして、皆次々とチームを先生に告げに行く。

 その中、誠は取り残されていた。

 その刹那、先生が言った。


「おし。じゃあ大体の人がチームを組んだな。

残ってるのは…3人か。じゃあその3人で、チームを組んでくれ」


 そう言われた途端、各地から、哀れむような、声がした。


「うわー、余り物でチームとか、可哀相ー」

「余り物で組むとか、連携ダメ異能もダメの、クズチームじゃん。次のクラス内チーム戦の敵は、8チームだな」


 と、笑いながら言っている。

 そんな光景に、俺は怒りと悲しみを覚えるのであった。


「じゃあ、チームごとに集まってくれ」


 と、十文字先生が急にいうと、みんな集まり始める。そして、その中から溢れた2人の元に俺は向かった。


 すると、そこにいたのは、あのよく柄の悪そうな男2人に突っかかっている白銀の髪の女の子と、鬼の角と獣の耳を持つ暴言を言われていた茶色い髪の女の子だった。


 そしたら急に、白銀の髪の女の子に質問された。


「あなたは、本気で魔王を倒すために異能を勉強しようと思ってる?」


「いや…俺は異世界出身だから、そんなに魔王に執着心ないし、異能には興味はあっても、そんな本気ってわけじゃ…」


「なら、私たちとのチームをやめて、今すぐこの学園から去って!」


「それができたらとっくにしてるよ!

俺はこの学園に半強制的に入ったんだ!」


「なら明日以降、もう二度と私の前に現れないで!」


 と言って、誠の事を睨みつけていた。


 そう言う白銀の髪の女の子の隣で、鬼の角と獣の耳を持つ女の子は、不安そうな目で見つめていた。









次もお楽しみに〜

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