最終話 最果ての闇と全ての根源
この最終回は、一度この小説を書くことを放棄した自分が、責任感に押しつぶされそうになった末に書いたものです。
内容としては、10回分くらいの濃い濃い内容です。
読みづらいのは、読み応えだと思ってください!
「誠、なんでこんなところにいるのよ?今まで何やってたの?」
突如現れた誠に全員が驚く中、スレイヤが先陣を切って尋ねた。
誠は、その質問に対して、不気味な笑みを浮かべながら答える。
「この1ヶ月間。俺はみんなと対等な立場になれるように頑張って来た。力を与えてくれる人もいた。
だから、僕はこの力でみんなを殺す!」
刹那、誠は大の元へ突っ込む。その速さは、今までとは段違いのものになっていた。
「まずは回復を封じないとね、大!」
「まってよ、誠!」
だが大のその言葉は聞き入れられない。誠は思い切り大の腹に拳を入れると、大はくの字になって倒れ込んだ。
「誠、な……何やってるの?」
「あ〜パトラ、そんな顔しないでよ。順番に殺していくからさ!『時間超過』」
瞬間、誠以外の時間がとてつもなく遅くなった。誠はその間、悠々とパトラとスレイヤの方に近づき、思い切り殴ったり蹴ったりする。
そして時間が終わると、世界は元の時間の流れに戻った。すると、スレイヤとパトラはあまりの痛さに声すら上げられずに倒れた。
そんな中、森の奥から歩いてくる音が聞こえた。
「あ?誰だい僕の楽しんであるところにやってくるのは?」
「誰だい?とは聞き捨てならない。俺だよ、十文字 達也。そして隣はクラル」
「あ〜十文字先生か。お久しぶりです〜」
誠は笑顔で手を振る。だが、クラルと十文字の顔は一瞬にして変わった。そう、3人の生徒が殺されているからだ。
「あれ?先生方はこういうのは嫌だ?マダムからは俺の仲間だと聞いてたけど」
「おい伊達誠、お前も精霊水によって人格を再構築させられたんだろ。そんなことは知ってる。
でもな、俺とクラルは、まだ人の心は捨ててないんだよ!もうここで死んだって構わない。俺は約束を破るぞ!」
十文字が叫ぶと、クラルは慌てて止める。
「駄目です!遠い昔に、校長のミラと約束を誓ってしまい服従。そしてそれを破ったら、死んでしまいます!それでは元も子もない!」
「クラル副校長、あなただって、覚えているでしょう。あそこに倒れているスレイヤは、貴方の娘さんでしょ!
貴方はキルタ村事件の時、生き残り精霊水を飲まされた。当時の未完成な精霊水では、逆らったら死ぬことしか効果がない。
貴方はスレイヤを忘れたふりをしていた。そうでしょう!」
怒涛の会話はそこでひと段落して、十文字とクラルは誠の方を改めて見て言った。
「「俺達は、伊達 誠という生徒を許さない!」」
「そりゃどうも。かかって来てくださいよ、先生方!」
刹那、轟音が鳴り響く。全ての思いと契りを切り捨て、十文字の剣を取るために、クラルは転移異能を発動し、十文字の剣を召喚した。
そして、十文字は誠に襲いかかる。だが誠は、その剣を軽々と避け、十文字に蹴りを一発入れた。
「グハッ……」
「あれあれ?それが元勇者さんの実力ですか?笑っちゃいますね」
「この、人でなしが!」
十文字は再び剣を構え、誠に突進する。その目には、もはや殺意しかなかった。
「先生、目が怖いですよ〜『時間停止』」
刹那、時間が止まる。誠はその時間内に十文字の背後に回るとそこで待機した。
そして5秒後、世界が元に戻ると十文字は、突然消えた誠に一瞬動揺した。そして誠はその隙を見逃さなかった。
「弱いですね!先生方も!」
誠はそう言って拳を入れると、十文字は泡を吹いて地に伏した。そして無力となったクラルにもまた、拳を入れた。
「やっぱりみんな弱いな〜いや、俺が強いだけかな?」
そう言って歩き出そうとしたその時、また新たな勢力がやって来た。
「ん?誰が何処から……ッ!!!」
なんと、上空からドラゴンに乗ったドラス、そしてヤクザ三兄弟だった。
「ド……ドラス!お前どうやって魔王の家から抜け出した⁈」
「なんだこの惨劇……ここにいるヤクザ三兄弟が助けてくれたんだ!監禁役のゴブリン達が皆、外に逃げたからな!」
そう言うと、後ろの3人はあまりの惨劇に言葉が出ない中、ウンウンと頷いた。
「ちっ……まぁ良い、異能が使えなくなった今、直接マダムに助けを乞えば!マダム!!!!!俺を助けてくれ!」
すると、激しい雷が打たれ、中から出て来たのはマダムと何人もいるミラだった。
マダムは、誠に向けて少し残念そうな顔で言った。
「誠、私があんたに力を上げた理由、それは私の目的と少しの同情だった。
でも、あんたの態度がそんなんなら、私はあんたを助けるのが嫌だね。ここで死ぬのが一番なんじゃないの?」
「お……おい、何を言ってるんだよ、俺をこうしたのは、全部マダムのせいだろ?そうだよ。マダムのせいさ!」
「あぁ……もう、鬱陶しいな。ミラNo.1〜5、ドラスに加担して誠を排除しな。後今日でお別れ、私もこの二の舞にはなりたくないから」
「了解しました」
そう言うと、マダムは一瞬でその場から消えた。跡形も残さずに。
残ったミラ達は、途端に誠に向かって攻撃を始めた。
「やめろ!!!!!俺は最強だぞ!逆らうな!」
誠が正気を失って叫ぶ中、ドラスとその一行は戸惑っていた。
『おいやドラス、どうすんだ?俺たちも加戦するか?』
「そうね……とりあえず私達は、この状況を見る限り、暴走してる誠を止めるしかないかもね。
ドラっち、龍星群!!」
『はいよ!!!!』
そう言って、ドラゴンは光線を放つ。それに合わせてミラ達は刃物を持って誠に近づく。
誠は先程の戦闘で、既に異能を消費しているので、こんな大人数に攻められると為す術がなかった。
「やめろ!!!!!俺は最強だぞ!!異世界のチー……」
言い終わる前に、誠はミラによって刺殺された。
そこに残ったのは、ドラスとミラという、異様な光景だった。
○○○○○○
「それで……もう、何がどうなってるの?全てを白状しなさい、ミラ。あの裏ボスに捨てられたんでしょう」
誠を始末した後、ドラスはヤクザ三兄弟とミラと森の中話していた。
「詳しくは私、ミラNo.2 通称ミラ校長がお説明します。そもそも始りは、大きな力が欲しかっただけなんです。
私達のマダム、保健室のユリウス先生が何十年も前、思いつきで大きな力が欲しくなった。
彼女の異能は異能掌握。全ての異能の根源となる異能を、化学の力で作り上げたユリウスは、やがて私達をも作った。
そして力を得るその方法は、異能を使う時に使う精霊回廊から出るエネルギー。それを吸い取っていた。
そして、異能を使う対象を作るため、魔王という存在を生み出した」
あまりの多くの感情や意味のわからなさがあり、ドラス達はどうすればいいのか、分からなかった。
「それで、捨てられたあなた達はどうするの?」
「それは貴方もそうでしょうドラス。これからどうするのです?この後私達は全てを公表して、この学校を閉鎖します」
「私は、このドラッチと適当に生きるかな。もう疲れたし……ただ、誰かあの死んでいるスレイヤ達を蘇生できないの?心残りだわ」
「その点に関してはご安心を。ミラNo.3は異能、生命蘇生を持っています。そしてミラNo.5は記憶改変を持っています。
そして、私の異能、異世界転移で他の異世界にでも飛ばします」
それが正解なのか、ドラスやヤクザ三兄弟には分からなかったが、一つだけわかったことがあった。
ドラスはそれに気付き尋ねた。
「まさか、今まで魔王軍に殺された人も、他の世界で生きているの?」
「はい。私たちが責任を持って異世界へ送っています。マダム、ユリウスは力が欲しかっただけで、明確な悪ではないのです」
そう言って、ミラ達は歩き始めた。そして、ドラスは取り残されたヤクザ達に手を振り、別の道へ歩く。
全ての真相が溶けた今、彼女は虚無感を覚えていた。
○○○○○○
「誠、部屋からついにでたの?おめでとう!!」
誰かの声が聞こえる。俺は最近何をしていたんだ?さっぱり思い出せない。確か俺は引きこもっていだはずだ。
誠は、何か大事なこと、忘れてはいけないようなことがある気がしながらも、それを思い出せずにいた。ただ、体が必然的に動いていた。
「今日からは、心を入れ替えて、学校に行きなさい!」
母はそう言って背中を叩く。誠は少し欠伸をした後に言った。
「あぁ。俺は、学校にでも行くとするよ」
その顔は笑っているような、でも少し不思議な顔だった。そして、最後にふとつぶやいた。
『人生改革』と。それは、異能のように効果を果たしているのかも、しれない。
紆余曲折あって、様々な伏線を回収しながら、ついに最終回を迎えることができました。
一年以内には完結させようと思っていたので、本当にぴったりです!
今までありがとうございました!




