第31話 絶望の淵で
さてさて、連載当初からずっと考えていたことが、遂に実行できました!
この主人公、史上最低主人公と名高いスクールデイズの○藤 誠さんと名前が似ているんですね。
つまり……続きはこの物語をご視聴して判断してください。
スレイヤは誠とパトラと別れた後に、氷の剣を作るためのイメージを持つことに成功した。
パトラは誠とスレイヤと別れた後に、自分の中のもう1人の人格を消滅させることに成功した。
そうして2人が着実に、課題をクリアして行く中で、ただ1人何もすることが出来なかった男がいた。
そう。皆さんご存知、誠である。
誠は2人と別れた後、十文字先生に課題の1つも出なかったことでやる気を失い、鬱モードに浸りながら、気づけば学校が終わり寮に帰宅していた。
「俺もう駄目だ……あの十文字先生にまで見捨てられたら……」
寮の食堂で独り、悲しみに浸りながら飯を食べていると、隣のの席に誰かがやってきた。
「誠〜どうしたの?そんな絶望の淵に佇んだような顔して、なんかあった〜?」
隣の席に来た者、それは太田 大だった。だが誠は大に構う気力すらなく、ボソボソと告げた。
「大、放っておいてくれ……もう十文字先生に見捨てられたら、もう救いようがないってことだろ……」
あぁ……こんな気持ちになるのは、地球で引きこもることを決意した時以来だ……
と、誠がそんなことを思っていると大がおっとりと言った。
「そんな気落ちしてていいの?1ヶ月後には、僕たちドラス奪還作戦をするんだよ?」
だが、誠の胸には届かなかったようだ。誠の鬱モードはさらに展開されて行く。
「あぁ……もうそんなことどうでも良いや……どうせ俺が言っても無力だろうし。
そんなことより、なんで俺なんかに構うんだよ」
おっとりしている大ですら、若干の怒りを覚えたが、何とか冷静になって言った。
「それは、僕の課題が皆んなの課題援助だからだよ。僕の異能は伸び辛いから、皆んなの課題を手伝っているんだ」
そう言うと、大はその場を去った。誠は独り、絶望の闇に呑まれていった。
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誠は翌日、鬱モードを引きずったまま寮を出て学校に行った。
そして教室の中に入ると、輝かしい笑顔で誠に2人の少女が近寄って来た。スレイヤとパトラだった。
そして誠の元に着いた途端、スレイヤが目を輝かせて言った。
「昨日はどうだった、誠?ちなみに私は、氷の剣開発の糸口を見つけたわ!太田くんの案で、十文字先生に剣を見せてもらったの」
スレイヤがそう言うと、次は私が!とでも言いたげな顔で、パトラが喋った。
「私は太田くんに過去を打ち明けたら、もう1人の私の人格と和解できたんだ」
どうやら、互いに成果発表をしたいようだ。2人とも鼻を高々と伸ばしている。
そして次は誠の発表の番となったが、どうやら誠にはこの状況は耐えられなかったようだ。
「2人とも良かったな。強くなれた? 和解できた? そりゃ結構な事だよ。
人の事情を何も知らないで、口を開けば自慢ばかり」
唐突に発せられれたその言葉で、スレイヤとパトラは困惑している。
誠も、自分でもいけない事だとはわかっていたが、あまりの怒りの衝動が誠を突き動かした。
「自分たちがどれほど強くなったのか。そんなの、人に自慢してそんなに楽しいか? あぁそうだろうな。
何も課題が与えられず、見捨てられたような状況の俺を貶したかったか?
俺に言う事で優越感き浸りたかったか?俺は2人の踏み台でしかないも……」
「誠!酷いよっ!私達は皆んなで共に強くなろうっていう、仲間意識のつもりだったんだよ!」
いきなり誰かと思えば、誠の話を遮ったのは意外にもパトラだった。
だが、誠の鬱モードはそんなものじゃ止まらなかった。
「そうか。パトラは仲間意識のつもりで言ったのか。でも俺が課題を出されずに落ちこんでいたのを知ってたよな?
それでも俺に自慢するのは、そりゃ随分と大層な友達意識だな!」
「そ……それは……」
パトラは何も言い返せなくて困っている。スレイヤは、普段の誠からは想像すらできない変貌ぶりに唖然としている。
「チームを組んで、一緒に戦って、辛い特訓も一緒に乗り越えて来たが、所詮は仮初めの友達意識だったのか」
そして、収拾がつかないくらいに暴言を吐きまくった誠に向かって、スレイヤはただ一言発した。
「誠!貴方、最低よ」
刹那、スレイヤから鋭いビンタが放たれた。
そのビンタは、これまでの友情関係も絆も何もかもをぶち壊すかのようだった。
誠はそのビンタを受けた後、独り教室を出た。
怒りで憤るスレイヤと、暴言を吐きまくられ泣いているパトラを置き去りにして。
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「あぁ分かっている。俺が悪いことぐらい、誰にだってわかることだ。
皆んなで強くなろうと、お互いにモチベーションを上げながら高みを目指す。そんなの正論に決まってんだろ!」
教室を出た後、誠は独り廊下で叫んでいた。悲しみ、怒り、自分から滲み出てくる様々な感情と共に。
「俺のこのゲスい部分のせいで、俺は地球で惨めになった。やがていじめの対象とまでなった。
この世界で、ようやく普通の生活になって来たと思ってたのに……」
そう思い、誠は独り泣いている中、誰かが突然背後に来て囁いた。
「さて、君が1番欲するものは何かな?友情かな、恋人かな?」
囁いている人の顔は見えなかった。その声は、何処か聞き覚えのある声だったが、誠は懇願するように言った。
「俺は……力が欲しい。皆んなと対等になるために。十文字先生にアドバイズ言ってもらえるようになる為に。
俺も本当の友達意識を持てるようになる為に……」
誠が泣きながらそう言うと、背後にいる人は突然誠を抱いて言った。
「私なら、その願いを叶えてあげることができるよ。その為には、この精霊水を飲みなさい。中には擬似精霊回廊が入っている」
誠は怪しい雰囲気を察しながらも、その言葉の魅力に惹かれてその水に口をつけてしまった。
瞬間、恐ろしい程の力と共に怒りや憎しみの感情が、一気に溢れ出た。そして、その後誠は呟いた。
「俺は、友達を作りたい。だから、この世界を破壊する」と。
○○○○○○
「なぁ、誠はどっちに行ったんだろうな?って言うか、こんな廊下あったか?磁力」
「俺に聞くなよ、岩兄さん」
薄暗い廊下を矢久座 岩、矢久座 磁力、そして府領 霧弥 の、通称ヤクザ3人組が、飛び出して行った誠を追いかけていた。
そんな中、少しドアの開いた部屋があったのを、3人組は発見した。
「なぁ、この中にいるんじゃねぇか?」
岩がそう言うと、磁力と霧弥も声を揃えて言った。
「「あぁ、なんか怪しい気配するし居ると思うよ」」
と、そう言って3人が中に入ると、そこには奇妙なボタンと、その先にはシャッターがあった。
「なぁ、ボタンがあったら……」
岩がそう言うと、3人は声を揃えて言った。
「「「押すのが礼儀でしょ!」」」
そう言って押した刹那シャッターが開き、中にあったとんでもない光景を見てしまった。
「「「お……おい……これ……」」」
3人が互いに顔を見合わせ、恐怖に震えながら言った。
「「「何だよ……ミラ校長が……大量に水槽の中に入ってる……」」」
瞬間、靴音と共に誠がその部屋に入って来た。
「お……おう誠!助けてくれ!大変なことに……」
岩達が必死に助けを求める中、誠は呟いた。
「何か……ちょっとイライラしてたんだよね。丁度いいや、この力を試すにはうってつけだ」
「おい誠?何言ってんだ……」
岩達は、恐怖と困惑のあまり涙が溢れ出ている。
「ん?ちょっと生け捕りにするだけだよ、安心して。でも殺しちゃったらごめんね。『時間超過』」
刹那、1秒にも満たない間にヤクザ3人組は捕縛された。そして、何事もなかったかのように誠は闇の中に消えていった。
さてさて、ヤクザ3人組は出演が少ないにも関わらず、作者は早速捕縛していきます!
いや〜実に作者は嬉しい!主人公の闇落ちは、一度やって見たいものなんですよね。
勿論、このままじゃ終わらせませんので悪しからず。
尚、さらっともう一つ重要なことが書いてあります。お気付きですよね?




