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刹那の王は独り嘆く  作者: 黒猫
特訓編
28/35

第28話 新たな課題と精霊回廊

久々にコメディ多めにできたー!と、喜んでいる作者です。


ちなみに、複線のことは忘れていないつもりです……多分。(ちゃんと読み返さなきゃ……)

「決行はいつですか?英雄さん?」


 暗闇に染まる校長室の中、10歳程度の金髪の少女が大柄の男に尋ねた。


「校長、あと1ヶ月後でしょう。彼らは恐らく、ドラス奪還作戦の前に練習を積みたいでしょうから。

 それをここで拒否すれば、疑いの目を向けられるでしょう」


 大柄な男がそう言うと、少女はニコリと笑って言った。


「そうですね。この作戦が遂行されれば、再び私の秘密を知るものはいなくなる。

 そしたら、何も知らない生徒は存分に()()を使ってもらえます」


()()()()()もだいぶ溜まってきますか、校長?」


「えぇ。何も知らない生徒たちが、異能を派手に使ってくれる。すると精霊回廊に力が注がれ精霊が発生する。

 そして、それこそが私たちの狙い。気づく者は未だに現れていないけれどね」


 そう言うと、金髪の少女は笑いながら消えていった。そして大柄な男は、また優しい先生という仮面を被った。




○○○○○○




「先生!ドラス奪還作戦の決行日はいつですか?」


 ドラス奪還作戦について話された翌日の朝、誠達は十文字先生に決行日について、聞きにいっていた。


 十文字先生は、すこし笑ったかのように見えた後言った。


「別にお前達の好きな時でいいが、あまりに遅いとドラスの安否は保証できない。だから、今から1ヶ月後をお勧めするぞ。

 お前達も大一番を前に、練習ぐらいしておきたいだろ」


 十文字先生……やっぱり十文字先生は……


「神様でした!俺は貴方のことを崇拝します!

 僕たちが相談しようとしたことを察し、それを先回りして告げる。やはり神様です!」


 誠がそう言うと、スレイヤとパトラも感動したような目で十文字先生を見ていた。


「ふっ、まぁいい。1ヶ月後に結構で決まりだな?それまでにすこしでも強くなっておけよ!」


 そう言うと先生は教室に行き、ホームルームを始めた。


「皆おはよう!さて早速だが、色々あったが再び授業を再開する!」


 先生の大きな声は、他の生徒の目覚ましがわりになるらしく、皆急にシャキッとして威勢良く返事をした。


「「了解です、ボス!」」


 「おぉ!皆いい返事だ。それではこれからの授業内容について説明する。

 午前中は各自、己の異能について伸ばす特訓だ。そして、何か伸び悩んでいたら俺に聞け!模擬戦で皆の弱点は把握しているつもりだ!」


 刹那、クラス全体から先程の数千倍ぐらいの、大きな歓声が沸き起こった。


「ウォーーーーーーやっぱりボスは神っす!俺、尊敬します!」

「僕は……僕は一生ボスについて行きます!」


「私と結婚してくれませんか⁉︎ボス……」


「それは却下だ」


 いつものノリの中、唐突に来たプロポーズですら、十文字先生はまるでツッコミのような早さで断った。


 そしてクラスがいい雰囲気になったところで、気がつけばホームルームは終わっていた。




○○○○○○





 「やったぜ!遂に先生に、自分の事についてアドバイスをもらえる日が来た!

 俺がもっと強くなるためには、ここできちんと弱点を聞いておかないとな!」


 午前中の授業が始まって早40分。誠はスレイヤとパトラと一緒に、十文字先生アドバイスの長蛇の列に並んでいた。


「いや〜しかし遂に先生のアドバイスを受けられる。やっぱり嬉しいよな!スレイヤ、パトラ!」


 そんなウキウキな誠につられて、二人の転生も高くなっていった。


「そうよね。まぁ私としては、すでに自分の問題点なんか分かっているけどね」


 相変わらずスレイヤは強気だな〜。でも楽しみって顔に書いてあるぞ。


「私はとっても嬉しいかな。もっと強くなりたいし、スレイヤや誠の足を引っ張りたくないし」


 謙遜を忘れず、決して強がることなく素直に嬉しがる。パトラの性格ってマジ天使だわ。


 と、誠がそんなことを考えている間に順番は、パトラに回って来た。


「それでは十文字先生、お願いします!」


 パトラが元気いっぱいに言うと、先生も少しにこやかになりながら話した。


「パトラは、とても強い攻撃力を持っている。おそらくこのクラスの中で1位だろう」


「ありがとうございます!」


「ただその攻撃力を最大限に使うには、別人格にならないといけない。

 だから、パトラはそのままの人格で最大限に力を発揮できるようにするのが課題だ。頑張れよ」


 そう言うと十文字先生は、次にスレイヤと話を始めた。


「お願いします、先生」


「あぁ、スレイヤか。君はとても汎用性が高く、良い異能を持っている。


「ありがとうございます!」


 どうやら十文字流アドバイスは、まず最初に褒めるところから始まるらしい。

 と、誠は盗み聞きしながら感じていた。


「ただ、使い方がまだまだだ。氷のドームは非効率だし、氷の単体攻撃はあまり攻撃力が無い。

 これはあくまで参考程度だが、氷の剣などはどうだ?極限まで増強すれば、強いと思うぞ」


 それを聞いたスレイヤは、とても驚いた顔をした後、深く頷いて言った。


「なるほど、参考になります!聞いてみて良かったです!」


 そう言ってスレイヤは場を離れ、遂に誠の番になった。


「先生よろしくお願いします!」


 さて、最初はどんな感じで褒めてくれるかな?と、誠が思っている中、十文字先生は話し始めた、


「伊達。はっきり言わせてもらうと、お前は弱い」


 なっ……な……


「なんでーーーー!!最初は褒めてくれるんじゃないんですか?」


「いや褒めると言ったって客観的にみたら、伊達は他の二人のおかげで決勝戦なかったようなものだろ。

 唯一優れているのは、判断力程度だ」


 先生……もう俺、駄目だ。十文字先生にそんなこと言われたら、もうどうしようもないですよ。

 あぁ……このまま海の藻屑になりたい……


「ただ、異能は鍛えれば伸びる。これが何を意味するかわかるか?」


 十文字先生は、希望はあるという意味で言ったが誠にはそんな意図は汲み取れなかった。

 何故なら、誠は今ブラックゾーンに入っているからだ。


「先生、その原理はなんですか?どうして鍛えれば強くなるんですか?」


「それはな、異能は精霊回廊を通じて発動される。  したがって、精霊回廊を使えば使うほど回廊は耐久できるようになり、さらに大きな異能を繰り出せるのだ」


「はい……とてもいいアドバイスでした……ありがとうございます……」


 そう言いながら帰っていく誠の目には、大粒の涙。そして、見返してやるという信念が溢れていた。

 


 


 


忙しい

書く暇ないよ

夏休み


いや、ちゃんと最低週に1話は更新しますよ!(気迫)

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