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刹那の王は独り嘆く  作者: 黒猫
模擬戦編
24/35

第24話 反省会は保健室で

結構内容を盛り込んでしまいました。すいません。

決勝戦が終わった後。

誠とスレイヤはHPゲージ0による反動で意識を失ったパトラと、試合中に倒れたドラスを保健室で待っていた。


「スレイヤ、待ってるのも暇だし、ちょっと聞きたいことがあるんだが……」


「どうしたの?誠」


いや……結構いっぱいあるんだよな、聞きたいこと。まぁとりあえず……


「なぁドラスと戦って思ったんだが、本当に発動系統の異能の方が召喚系統の異能よりも強いのか?」


だってそうではないか。はっきり言って、不良3人組の何十倍もドラスは強かったぞ。


「まぁ努力とかそういうのの積み重ねだから、異能って。でも、まだ異能を使えるようになって1週間のドラスは一体どうやったらあんなチート技を使えるんだろう?」


そっか、まぁ異能って結局は努力次第で何とかなるしな。それは置いといて、スレイヤの疑問に答えないとな。


「それについては、あのドラスチームの残り2人が変なことを言っていたぞ」


「変な事?」


「あぁ。なんか、6年前からチームを組んでいたらしい。それに『魔王の家』がどうとか……」


誠がそう言うと、スレイヤはキョトンとした顔で言った。


「何それ?聞いたことない単語ね……」


そうか……スレイヤも聞いたことがないか。じゃあ仕方ない、ドラスが起きるのを待つか。あ、そう言えば……


「なんかミラ校長について知ってるらし……」


「何よそれ!1番大事な情報じゃないの!今の私の中の疑問ランキング、ブッチギリ1位の内容なのよ」


うわ、反応速度がえげつねぇ……


「まぁとりあえずドラスとは、情報を共有する約束をしているからその時聞けばいいさ」


「そうね、そうしましょう。ところで誠、あなた結局『白虎拳』は使えたの?」


…………ハッ!!!!わ、わ、忘れていたーーー!!!!


「いや、いざ本番になると慣れない技は使うのを忘れちまうんだよな……」


「まったく……これからも特訓を続けるわよ。

それから、パトラがさっき使っていた、あの鬼人流武術のハイレベルなものも出来るようにしましょう!まぁ私も出来ないんだけどね。」


「ヒョエーーーー」


そう誠が悲鳴を上げた時、隣で寝ていたパトラが目を覚ました。


「……何?私がどうかしたの……?」


やっと起きたか、我らが英雄パトラ。ここは勝利報告をしないとな。


「パトラ!実はお前のお陰で勝……」


「勝ったわよ!パトラ!本当に貴方が、ドラスと死闘を繰り広げてくれたおかげよ!」


人の話を遮るな!スレイヤ!


「……まぁそう言うことだ。それからパトラ、ドラスがミラ校長に関する情報を持ってて、それを俺達と共有してくれる」


そう誠が言うと、パトラがびっくりしたような顔をして言った。


「良かった……これで、一歩スレイヤの村の事件解明に近づくね。それに多分、今後私達の敵になる可能性が高いからね。情報は持つべきよね」


「そうだなパトラ。それじゃあ3人揃ったし、ドラスが起きるまで決勝戦の反省会でもするか」


そう誠が言うと、2人とも了承してくれた。


「そうね。じゃまずは今回功労賞のパトラのことからやりましょう」


「いや……そんな私、1人で突っ走っちゃっただけだから……功労賞なんで言い過ぎだよ」


やっぱりパトラも自覚してるか……


「そこなんだよな……パトラは個人戦闘力は高いし、ドラスをも素手で圧倒できるけど、それは二つ目の人格の時のみで、しかもその人格の時は行動に制限がつかないからな……」


「そうね。誠の言う通りだわパトラ。だから、パトラはいつもの意識の状態で、持ってる力を使いこなせるようになるのが課題ね」


そうスレイヤが指摘すると、パトラは真剣な眼差しで言った。


「分かった。それが出来るように練習するね。じゃあ次は誠の番ね!」


え?俺か?そう誠が思った時、スレイヤは心にグサっとくることを言った。


「はっきり言うと、誠は個人の能力としてはクラス最下位レベルだわ。まぁまだ武術を習って日が浅すぎるから、当然ではあるんだけど」


「あぁ!そんな事言われなくても分かってるよ!決勝戦中に散々言われたからな」


誠がつい語気を強めて言ってしまうと、パトラも続けて言った。


「そうだよスレイヤ。流石に言いすぎだよ」


そんな中、スレイヤが突然笑いながら言った。


「何度でも言うわ、誠は戦闘力は低い」


「あぁもう!うるさ……」


遂に怒りが爆発して、うるさいと言おうとしたのを遮ってスレイヤは話し続けた」


「でも!……でも、誠はそれでもクラス最強レベルを倒した。たとえ誰がなんと言おうと、その事実だけは変わらない。そう私は思うの……」


「本当なの?スレイヤ、ドラスを誠が倒したの?一体どうやって?」


「違うんだ……ドラスの自爆攻撃みたいな物を、俺の異能で自分達だけ時を止めることによって、5秒間無敵にしただけなんだ」


あぁ罵るなら罵ってくれ!そう思った時、パトラはまるで天使のように言った。


「それはつまり、誠の咄嗟の判断が勝利へ導いたって事?それはつまり、誠の判断力と応用力が凄かったって事でしょ?」


「え……そっか、うんそうだな。落ち込んでても仕方ないし、これからもっともっと強くなるよ!じゃあ最後はスレイヤについてだな」


「私?私は特に何もないわよ。本当に何もないんだから……」


いや、スレイヤに聞きたい事が一つあるんだよな……


「スレイヤ、お前は一体どうしてあの敵2人を倒す時にHPを0にする方法じゃなくて、わざわざ氷のドームなんかに閉じ込めたんだ?

それだと面倒臭いし、その後ドラスと戦う時に俺1人になるって分かってただろ?」


そう誠が言うと、スレイヤは急にさっきまでの威勢を無くして恥ずかしそうに言った。


「だって……」


「だって何だ?」


「だって予選と決勝合わせて、何もしてなかったんだもん!見せ場の一つぐらい作りたかったのよ!」


あ、そう言う事か……

と、誠が納得していると急に隣にいるドラスが起きてきた。


「何かしら?急に大きな音がしたもので、慌てて起きたのですが?」


「起きた!ドラスが起きたぞ!」


遂に起きたんだ!これで今まで引っかかっていた事が全て解き明かされる。

そう思いながら、誠はガッツポーズをした。


すると他の2人も口々に、


「やったわ!ドラスが起きてくれた!あぁ遂にこの時が来たのね!」


「これで、スレイヤの村の事件について手掛かりがつかめます!とても嬉しいです!」


と喜びながら言っていた。そんな中、ドラス1人がそのムードの原因がわからず、ポツンとしていた。


「あの……何故そんなに私が起きたことを喜ぶのですか?」


「いやドラス、お前とは約束したぞ。互いに情報を提供するってな」


誠が間髪入れずにそう言うと、ドラスは思い出したように言った。


「そうだったわね。それで貴方達は何を聞きたいの?」


その言葉に誠が答えようとしたが、スレイヤの反応速度の方が圧倒的に早かった。


「ミラ校長について!……って言いたいところだけど、まずは貴方の異能についてね。教えて、貴方クラス名簿に嘘の異能内容を書いたでしょう」


そうスレイヤが言った途端、パトラが不思議そうな顔で言った。


「どうしてそう思うの?スレイヤ」


「あぁそっか、パトラは見てないもんね。私がそう思ったのは、ドラスが2つの異能を持つ可能性があるからよ。龍を呼ぶ異能と、龍を装備する異能の2つをね」


スレイヤがそう言った途端、ドラスは残念そうなでもどこか嬉しそうな表情で言った。


「そっか……バレてたんだ。そうよ、実は私は2つの異能を持つの。あ、パトラを最後に倒したりした『龍王息吹』と『龍星群』は両方ドラっち自身の持つ攻撃方法だからね」


「ヘェ〜ドラスが2つの異能を持ってるなんて意外だな〜それじゃあ私が負けてもしょうがないね」


え?いやいやいや……そんな話……


「そんな話聞いたことねぇぞ!おい!異能ってそんなに持てるものなのか!」


自分の知らないことを平然と話すこの状況に、誠がつい言ってしまうと、他の3人は揃って言った。


「「「誠、貴方十文字先生に異能について教えてもらったでしょ!」」」


「ナヌ!ま、まぁ……人間寝てしまうこともあるよな……」


そう俺が必死に言い訳をすると、スレイヤは話を戻して話し始めた。


「ありがとうドラス、疑問が1つ解けとわ。じゃあ最後は、ミラ校長について話してもらえないかしら?」


スレイヤがそう言ったか否か、突然ドラスは真顔になってしばらく沈黙し、やがてゆっくりと話し始めた。





こ、今回で2勝を終わらせる予定ガーーーー……次回、模擬戦編最終回!(何回目だよ!)絶対次は終わらせるのでッ!

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