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刹那の王は独り嘆く  作者: 黒猫
模擬戦編
15/35

第15話 各々の戦略

連載を休止していました。大変申し訳ありません。ただ、復活しましたので!


「はぁ…」


 誠は、今から演習場で模擬戦だから走れ!と先生が言ったので、演習場まで走ったが……


「特訓の成果だ!」


 やはり俺は、確実に体力がついていた!

 と、誠がよろこんでいたが隣から間髪入れずに突っ込みが入ってきた。


「どこがよ!はぁ…はぁ…って言っているじゃないの!」


 感動してるんだから、口を挟むな!スレイヤ!


「おい、スレイヤ。分からないのか?

はぁ…はぁ…はぁ…と、以前は言っていたが今は、はぁ…と言っているんだ。

 つまり、はぁ…の回数が減っているんだ!」


「確かに…言われてみればそうね…」


へっ!どうだ!


「誠、小さな変化だけど凄いね!」


 パトラ、やはりお前は天使か!

 と、誠が思っていると、いきなり十文字先生がクラス全員に言った。


「今は朝の10時だ。そして、模擬戦第一回戦は12時から。つまり、2時間の自由時間がある。

その間に、そこの施設の風呂に入るもよし。

 仲間と作戦を考えるのもよし。

 有効に使ってくれ。以上解散!」


「「はいボス!」



そう言われた後、俺は二人に活動予定を聞いた。


「じゃあ、まずは何をする?」


俺は、スレイヤとパトラに今後の予定を聞いた。


「そんなの決まってるじゃない。練習と作戦立てよ」


スレイヤは、絶対そう言うと思った。


「そうですね。負けたくないですから」


ほう。パトラも練習に1票か。お風呂派はいないか…


「分かった。それじゃあ何を練習する?」


「いえ。まずは作戦立てよ。誠、クラス名簿はちゃんと持って来たわよね?」


「あぁ、スレイヤ。ちゃんと持ってる」


 誠がそう言って、名簿に目を通そうとすると、横から二人も覗いてきた。


「えぇっと。チーム矢久座はこれね。って嘘!」

「これは本当ですか?」

「おいマジか!」


 誠達は驚愕した後に、3人で声を揃えていった。


「「あの不良二人組、双子だったの⁉︎」」


 これは、あり得ることなのだろうか。

 普通、1000人に1人の割合でしか使えないはずの異能を、双子両方が?


「まぁそれは置いておくか。

 異能の種類は、1人が岩を発現させる発動系統の異能。

 1人が触れたものに、磁力を発現させる発動系統の異能。

 この2人が不良2人組か。そして最後の1人が、霧を発現させる、発動系統か」


「嘘でしょ…誠、本気で言っているの?」

「ほ、本当ですか?ま、誠?」

「あ、あぁ。自分で言っといてなんだが…」


 またしても3人が驚愕した後に、声を揃えていった。


「「チーム全員が発動系統⁉︎」」


「おい、これはどうすればいいんだ」


「分からないわよ!まさかこんなに敵が強いなんて…」


 スレイヤでも分からないか。これは相当やばいな…と、思っているとパトラが思いついたような顔をして俺たちに言った。


「あの……2人とも聞いて。敵は多分1人ずつで戦うように、私たちを分断すると思うの」


「え?なんでだ、パトラ?」


「だって、敵は全員自分の異能に自信を持ってるから、個人の異能の差で倒そうとすると思うの」


「なるほど。あいつら不良だけど、勝負には本気そうだからな」


「だから、敵に有利に見せるように、敵が来たらあえて私達が分かれて、その後集合地点におびき寄せて、連携攻撃で意表を着けばいいと思う」


「パ、パトラって、戦いのエキスパートなのか?」


 あの、天使のようなパトラがこんなことを考えるなんて、意外だった。


「さすがパトラね。貴方が同じチームで本当に良かったわ」


「そ、そんなことないよ。それよりこれで、作戦立ては終わりかな。早速練習しよう!」


 あれ、パトラってこう言う性格だったっけ?と思う俺をよそに、話は進んで行く。


「それじゃあパトラは、自分の練習をしてて。私は誠に白虎拳を教えるから」


「なんか悪いな。スレイヤ」


「わ、私はただチームが強くなるための方法を考えただけよ!それより練習!」


 何だかスレイヤの顔が赤くなっているが、とにかく俺達は練習することになった。




「もっと素早く!拳を打つのではなく、その後引くの!」


「それが難しいんだよ!」


 誠は今、白虎拳を練習しているのだが、やっぱりコツがつかめない。


「まぁ、まだ練習量が少ないからしょうがないんだけど、それでも頑張って!」


「お、おう!」




 その後も誠は息を切らしながらも、最後の練習を行った。






☆☆☆☆☆☆






「これより、模擬戦第一回戦を行う!」


 開幕の合図を十文字先生が言った途端、皆んなのボルテージはマックスになった。

 その刹那、誠達はいきなり円陣を組んで、叫んだ。


『この模擬戦!何があっても優勝するぞ!ウォーーーーーーー!!!!!』


 周りからはドン引きされたが、別に良い。俺たちは俺たちの為に闘う。

 周りの評価も、冷たい視線もはねのけてやる!


「それじゃあお前ら!第一回戦はチーム矢久座とチーム伊達だ!」


 十文字先生がそう言ったところで、じゃあ始めますか!


「スレイヤ!パトラ!頑張ろう!」



 そして演習場の指定位置についたとき、ついにその瞬間は訪れた。


『それではこれより、第一回戦を開始する!」





☆☆☆☆☆☆☆





「さて!暴れてや……る?」


 かれこれ模擬戦が始まって5分。敵がいないだけでなく、音の一つもない。


「ねぇ、誠?これはどういうことなの?」


 流石のスレイヤですら、少し不気味なようだ。しかし、我らが戦いのエキスパートは一味違った。


「西南124度にわずかな殺気を感知してるわ。恐らく近づいている訳ではないけど、敵がいるわ」


 一体パトラは、どんな困難を乗り越えたんだ?と思うほど、パトラは冷静に戦況を分析している。




 さて……どこにいるのか?と思いながらも、誠はゆっくり歩いていたその時、矢久座は突然現れた。


「ようやく会えたな!伊達チームさんや!まぁ、ここでサヨナラだがな!」


 そう言った刹那、いきなり霧が発生し、拳が飛んできた。


「グハッ!ヤベェ……まさかこの霧、敵が発生させたのか!なら、向こうには俺らは見えている!」


「よく気づいたな!だが遅い!」


「グハッ……オエッ……」


 マズイ!このままだと、一方的にHPを削られるだけだ。一体どうすれば……


「誠!スレイヤ!とにかく自分で走って!この霧の範囲は狭いから!」


「パトラか!助かるぜ!じゃあとにかく逃げねぇとな!」


「私もそうしないとね!ありがとうパトラ!」


 そう言って俺たちは各々ひたすら走った。だが矢久座達は、何故か攻撃をしてこなかった。


「フッ。バカなチーム伊達め」


「本当にバカっすね!」


「もう俺らの勝ちだな!」


 誠たちに知る由はなかった。これも全て敵の策略だったのだとは。








次回もよろしくお願いします!

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