1話 クラス転移
俺の名前は安藤 玲。高校生2年生だ。
別に凄いイケメンな訳でも無いし、頭が滅茶苦茶良いとかでも無い。たまに「かっこいい」とか言ってくれる人もいるけど、所詮たまになのだ。勉強も、出来ない訳では無いが、平均点より10点くらい高いだけで普通。これと言った趣味も無い。
しかし、特技なら2つほどある。
1つ目は部活でやってる「剣道」だ。去年から始めたけど2年目で今年の全国大会で優勝してるし誇ってもいいかな〜くらいの実力もある。剣道の才能はあったようだ。始めた理由は、「なんとなく」だったが…。
2つ目は「目が良い」事だ。うん。これは特技というか何というか……「安藤 玲」という人間の元々の特性みたいな感じだ。俺はとにかく目が良い。めっちゃ遠くまで見えるし、動体視力もえげつない。この動体視力は剣道でも役立っていた。想像できないかも知れないが、とにかくめっちゃ見えるとだけ覚えておいてほしい。
──そんな事を考えながら歩いていると、教室に着いた。ドアを開け、席に付く。
ふと思った。俺は頭の中で「安藤 玲について」の説明を登校中ずっと続けていた。…今気づいたが相当頭のおかしい事をしているようだ。
「おはよう玲くん!」
声をかけられた。前の席からだ。
「おはよう美月」
声をかけて来たのは、幼馴染みの七瀬 美月。可愛い系で物凄くモテる女子だ。茶髪のショートヘアで明るい性格をしている。学校内二大美女とか言われてるのだが…やはり挨拶をされただけで、男子からの視線が痛い。幼馴染みというだけなんだ。嫉妬はやめてくれ。
「今日一緒に登校出来なくてごめんね!」
「いや、別に気にしてないから大丈夫。」
「…そっか!ならよかった〜委員会も大変だよ〜」
「学級委員、疲れそうだね。」
と、こんな風に話していると先生が入ってきてHRが始まった。皆が席に付き、先生が話し始めたら突然床が光り始めた。
「きゃ、なにこれ!」
「眩しい!なんだこれ!」
混乱する教室。先生もどうしたらいいか分からないようだ。
「えっ?これ魔法陣ってやつ?」
誰かが呟いた。あぁこの光ってるのは、ラノベとかアニメでよく聞く魔法陣ってやつか。
(……うん!?魔法陣!?)
──そんな事を考えてる間に、段々と意識が遠ざかっていく。教室に居る俺以外の全員は、既に気絶しているようだ。そして最後の俺も意識が──
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