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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第一章 春
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ショッピング2

下着選びを済ませた俺たちの次の目的地は、、


服屋だ!


男の頃から大して服に興味もなかったので適当なのを着ていた俺だ。

当然女子の服なんて分かるわけがない。


・・先生方、お願いします。


女子の先輩二人に連れられて、俺たちは移動する。

俺はいいんだけど、後ろの男3人は暇そうだな。申し訳ない。

あとでクレープの一つでも奢ってやろう。・・所持金は心許ないが。


香織姉と青山の先導の元やってきたのは柔らかく、落ち着いたアースカラーのお店。

価格はそんなに高くないそうだ。


近くのTシャツを手にとって値札を見てみる。

うーん。確かに高くはないけれど、、

先ほどの下着屋で散財した俺には手当たり次第に買えるほどの余裕はない。


買えて1セットってところかな。

他にも何着か買うのであればまた後日だな。

家にコツコツ貯めたお年玉があるので、なんとかなるだろう。


欲しいゲームもあったんだけどなぁ。。


黄昏ている俺は放置され香織姉と青山がアレコレと服を手に取り意見を交換している。

アキツグたちもちらほらと見て回っている。レディースのみの店じゃないから男物も置いてある。


この辺は服屋が密集している。


隣の服屋はゴシック系のお店だ。

だが極端なデザインは少なく、大人っぽい。

10代女子から年頃のおねーさんまで似合いそうなガーリーなデザインだ。


・・・ちょっと可愛いかも。


気がつくと隣には青山が来ていた。


「ほほう、コウはああいった服がお好みですか〜」


顎に手を当ててニヤリとしている。


「わからないけど、可愛いとは、、思う。」


「たしかにね〜、ああいう女子!っていうオーラの服、私も欲しいな〜」


「確かに可愛いわね、でも今日の予算では間に合わなそうねぇ・・」


香織姉も隣にやってきた。手には幾つかの服を抱えている。


たしかに。今財布の中にはもう諭吉さんは残っていない。

店頭に飾ってある服の値段を見ると、こちらの2、3倍はしそうである。


「可愛いけど、今日のところはやめとこう。お金ないし」


「そうね、まずは普段使えそうなのから揃えたほうがいいかもね。ということで、これなんかどうかしら?」


手に抱えてた服を広げて見せてくれる。

ピンクのフレアミニスカートに白い七分袖のブラウスだ。襟元の意匠がポイントである。

ちなみに俺は服の種類もわからないのでこの説明は香織姉から受けている。


とりあえずこれくらいなら買えそうだな。

気に入ったので買うことにする。


「そのまえに試着だよね〜」


うっ、さらっと済まそうと思ったところを青山に制される。

もう女性下着つけた時点でいろいろと諦めてはいたんだけどれ、やっぱりまだ女の格好になるのは抵抗がある。


女性専用の試着室に案内され、試着を開始する。

・・・あ、ここにファスナーがあるのか、、あれ、こっち前でいいのかな?

むむむ、、女の子の服は難しい。


・・・スカートちょっと短くないですか?

あとスースーする。


鏡に映った自分の姿はとても自信なさげにスカートの裾を抑えている。

だってパンツ見えそうじゃん。。


青山や香織姉に手伝ってもらいながら試着をすませ、カーテンを開く。

外には男3人が待っていた。


ほぅっ、という嘆息が聞こえる。


・・・お前ら見過ぎだ・・。


3人の視線がむず痒い。スカートの自分が恥ずかしくなって、足を閉じてもじもじする。


ええい!マコト!脚を舐め回すように見るな!

ていうか舌を出すな・・!!


隣のアキツグにゲンコツをもらっている。

こいつ止めなかったら本当に舐めてきそうだな。。


「いや、すまない。コウくんの姿があまりにも可愛らしくてね!思わず見惚れてしまったよ!天界の女神たちにも勝るとも劣らない。」


うぐっ。そぉか、可愛いですか。マコトはこんなヒョロくて猫背で暗そうな割に、恥ずかしげもなく歯の浮くようなことを言ってくる。

長い前髪に隠れているせいでみんな気づいていないけれど、誠も実は結構整った顔をしているのだ。

・・姿勢と髪型をちゃんとしたらモテそうだよな。。


「うーん、美味しい!美味しいよコウくん!(すはすは)」


俺のそばで大きく深呼吸をしている。

前言撤回。この性格をなんとかしない限り、女性がこいつに(なび)くことはないだろう。


服を脱ごうと思ったが、今回も着て行けとみんなに言われたのでしぶしぶ着ていくことにする。

店員さんを呼んでその旨を伝え、お会計を済ませる。


()くして、すっかり見た目女子になった元男子高校生が出来上がったのであった。



あ、靴下と靴も買ったので、もうすっからかんだよ。。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


哲だ。


俺たちの前をヒラヒラとスカートを翻しながら歩いている華やかな女子がいる。

元男子の現女子だが。


俺とコウが知り合ったのは高校の部活の時だ。

俺たちが剣道部だということは知っているだろうか。


あの時はびっくりしたな。どうみても女子にしか見えないやつがいきなり男子更衣室の扉を開いた時は。

世の中に美少女と呼ばれる人物は数多いけれど、コウの前には霞んでしまう。

俺はあの時、これ以上の女には出会わないとさえ思ってしまった。


そんな人物がまさか男だとは誰も思うまい。


やつの立ち振る舞いにはどこか品があり、一本の鋭い槍を思わせる芯の強さと凛々しさを併せ持っている。

そんな雰囲気と容姿の美しさから、やつに声をかけてくる者は多かった。


しかし数奇な運命によってコウは女になった。

正真正銘の美少女になったのだ。


おそらくこれまで以上にトラブルに巻き込まれることだろう。


それでも以前のように男であったならば、さほど心配はしなかっただろうが、

今はか弱い女性。


俺たちが身を呈して守ってやらなくては。


それがあの時集まった俺たちの誓いなのだから。



・・・それにしてもコウの脚は素晴らしいな。

マコトではないが、つい目が行ってしまう。

細く無駄な脂肪がなく、スラリとしている。かといって全く肉付きがないわけでもない絶妙なバランスだ。


隣を歩くアキツグになにやらちょっかいを出している。


ああ、コウ、だめだ!そんなに動いたらパンツが見えてしまうぞ!(チラチラ)



・・・青山、そんな目で俺を見るな。



・・・ごほん。



・・・・・俺たちがちゃんと守ってやらねば、、な。



だんだん面白いんだかなんだかわからなくなってくるので、本能で書きます。

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