表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第二章 夏
50/67

夏休み初日

1学期の期末テストをなんとかこなし、俺たちは夏休みを迎えた。


「うぅっ!あーそーーぶーーぞーーっっ!」


夏休み初日の25日、夏休みのワクワクに後押しされるように早朝(5時)から目を覚まし、両手を振り上げ俺は高らかに宣言した。気温は夜中でも25度を超えるため最近のパジャマはTシャツに薄手の短パンというラフな格好である。寝るときは上の下着をつけていないので、両手を伸ばした反動で胸の脂肪が大きく揺れた。


本当は付けたほうが型崩れしなくていいって聞くけど、寝苦しいからなー。

付けるにしてもナイトブラをちゃんと選ばないとなぁ…。


最近は二つの脂肪の塊の重さにも慣れてきた。

最初の頃は重心が引っ張られて、歩くのもおぼつかなかったもんだけど。

なんとなく両方の胸を手のひらで持ち上げてみる。ずっしりとした重量感が手のひらから伝わる。

…結構重い。


男だった頃は大きい胸が好きだなんて思いっていたけど、いざ自分についてるとなると、邪魔者以外の何物でもないな。足元も見えにくいし、男どもからやたら注目されるし、電車に乗ると肘を押し付けてくるおじさんいるし。(そういうときは相手の目をしっかり見てにっこり笑うと大人しくしてくれた)

…もーちょっと小さくて良かったんだけどな。



「朝から元気だな姉貴は…」


廊下に出ると丁度今起きてきたのかユウが部屋から顔を出した。


「おー!今日から夏休みだからなー!ユウは今日も部活?」

「…そーだよちくしょう…」


弟が目の前でがっくりとうなだれた。大会近いしなー。しかたないねっ。

ぽんぽんと肩を叩いて慰めてやると顔を上げて元気のない顔で俺のことを覗き込んできた。

ん、いつものやつ?


「うん、よろしく…」


そういうとユウは大きく両手を伸ばして俺のことを正面から抱きしめた。

最近のユウはちょっと甘えん坊だ。元気がないときは俺にハグを求めてくる。

ぎゅってしてやるとすぐに元気になるので、まぁいいか、と思って付き合ってあげてる。

昔に戻ったみたいで俺も悪い気はしない。けど…


むぐっ、ちょっと苦しい…。


昔と違って今では身長差が違いすぎる。頭1つ分以上違うので俺の顔は完全にユウの胸板に埋まってしまう。


「ま、まだぁ…?」

「ん、もーちょっと…」


うーん、そろそろ恥ずかしくなってきたぞ…。

5分くらい経過した頃、ユウが俺から体を離し顔を上げた。


「いよーしっ!元気出た!今日も部活頑張るぜ!!」

「おー!がんばれ!」


充電は完了したらしい。

最初は元気がないときだったんだけど、このところ毎日の恒例になってきてる。

あんまり力一杯抱きしめられると、おにーちゃんちょっと苦しいぞ?


「ごめんごめん、あんまり気持ち良かったからつい…」


そういうユウの顔は鼻の下が伸びているように見える。

…お前まさか兄に欲情してるんじゃないだろうな……

じと目でユウのことを見たら慌てて階段を降りて行った。

……まぁ、そんなことはないだろうけど。…ないよね?



◇◇◇


ふー、今日も姉貴パワー充電して元気はつらつだぜ。


姉貴は柔らかくていい匂いがする。

体も華奢だから俺の両腕にすっぽり収まるサイズなので、非常に抱き心地がいい。


昔、俺が小さかった頃はよく兄貴に抱きついていたんだけど、さすがに大きくなってからは恥ずかしいので止めた。なのになぜ最近再開したかというと…


このところ部活がハードすぎるせいだ。


毎日クタクタになって帰ってくる俺を見かねた姉貴が「ユウは最近お疲れだなぁ?何かしてほしいことがあったら言えよ」なんて言ってくれるものだから、ダメ元で昔みたいに抱きついていいか聞いたら笑顔で了承してくれた。

なのでその言葉に甘えてぎゅっとさせてもらっている。


姉貴無防備すぎ!こんなに簡単に男に抱きつかせてしまうなんて危ないぞ!…まぁ、俺が家族だから気を許しているんだと思うんだけど…。


はぁ…家族かぁ…。

血が繋がってなかったら間違いなく俺は姉貴に求婚していると思う。

因果な運命が憎い。でもそのおかげで一つ屋根の下で一緒に暮らせているからいいこともあるんだが。


例えばパジャマ姿の姉貴が毎日見れる。

姉貴は夜寝る時はブラを付けていない。なのでこう、胸の、あれが、ね。見えるわけですよ…。

思春期の男子としてはもうたまんないわけよ。

しかもあのサイズだから、歩くたびにプルンプルンしててだな…。

姉貴が歩くと俺が歩けなくなるという不思議現象が発生したりしてな。


それとあれだ。朝のハグ…。俺のお腹のところに心地よい弾力の二つの塊が押し当てられるわけですよ。

そりゃ時間を忘れて抱きしめ続けちゃうよな。

ただやましい気持ちを持たないように抱きしめないといけないのが辛いところだ。

じゃないと俺の中の俺がノックしちゃうからな。そうなったらさすがの姉貴もドン引きして二度と抱きしめさせてくれないだろう。


そういうわけで俺は姉貴にパワーをもらいつつも悶々とした日々を過ごしているのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ