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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第二章 夏
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衣替え

久々の投稿です。閑話ってかんじ。

ドタバタとすぎた5月も終わり、ようやく6月になった。

気温も初夏を感じさせる温度になり、蒸し蒸しとしてきた。

これまでの長袖では暑くてやってられなかったかもしれないが、今日から衣替えである。


やったぜ!蒸し暑い冬服とおさらばだ!

というわけで本日から俺の制服スタイルは半袖のブラウスに襟元にはリボンを閉めている。

ついでにスカートの生地も薄い物に変わっている。スカート生地が薄くなったところで涼しくなるかな?と思ったけれど案外馬鹿にならない。


どうせならリボンも外してしまいたいところだけど、それは規定で許されていない。

うちの父なんかはネクタイ閉めなくてよくなってたのになー。

カモンクールビズ!


それにしても俺が女になったせいで不要な出費が重なってしまって申し訳ないな。

本気でそろそろバイトを探そう。


いつもの待ち合わせの駅に到着する。

今日はアキツグは朝練があるので一人で登校することになる。

ていうかいつも朝練があるはずなんだけど、あいつはあまり出ていないらしい。

以前そのことをつついてみたら


「俺は練習しなくても強いから大丈夫」


などとほざきやがった。

分野は違えど練習しても強くならない俺に謝れ。


しかし最近は珍しく参加している。

先輩として示しがつかないと周りから言われていたので渋々みたいだが。


ユウも編入して入部してきたから、かなり選手層は厚くなったことだろう。

アキツグもうかうかしてられないんじゃないかな。


などと考えながら改札を潜り、電車へと乗り込む。


立ち止まるとじっとりと汗がでてきた。

朝時間がなかったせいで若干早歩きだったとはいえ結構な量である。

うあっつー。

しまったな、タオル持って来ればよかった。

バタバタと襟元に指をかけ空気を服の中に送り込む。

なんだよ、この電車エアコン効いてないよー!


渋い顔をしながらパタパタしていたせいか、やけにこちらを見てくる人たちがいるような。。

とくに男性。。


どうしたんだろ、まさか俺臭ってる!?

ハッとして自分の肩口をくんくんとするが、そこまでではなさそうだ。

消臭スプレーも欲しいな・・。


エアコンの効かない車内に蒸されつつ、目的地まで到着。そのまま歩いて坂を登り、高校へとたどり着く。

時間はホームルーム開始5分前といったところだ。

結構ギリギリじゃないか・・!あぶなっ。


たたたっと軽く小走りで自分の席へとたどり着いて、隣の席の富岡に挨拶をする


「おはようございます。富岡くん」


「ああ、おはよう、神崎さ・・」


だいぶ俺に馴染んだのか気軽に挨拶を返してくる富岡だったが、何かを見つめて黙ってしまった。

あれ?やっぱ臭い!?

うわ、恥ずかし!どうしよう!

とか考えてたら後ろから青山がやってきた。


「ちょっと、コウ、おいで。」


ニコリと笑っているが笑顔が怖い。

な、なんでせう・・。


また何かやってしまったのだろうか。

もうすぐホームルームなんですけど。

という俺の無言の抵抗も虚しく人のいなくなった廊下へと連れ出される。


「ん」


不意に青山がタオルを出してくる。汗ふけってことか。さんきゅ。

青山に借りたタオルで顔と首元の汗を拭う。あ、タオルなんかいい匂いする・・。


「そうだけど、そうじゃない!」


え?どゆこと?


「あんた、自分の現状わかってないのね・・やっぱり・・。ほらっ」


そう言って俺の胸元を指差す。

指先につられて視線を移動したら、しっとりと濡れて下着が透けて見えるお胸があった。


「・・あ゛っ」


ちょっと離れていてもはっきり見えるくらい、白いブラウスに透けて、ピンク色のブラジャーが主張していた。

うわ、やば、もしかしてずっとブラ透け状態で歩いてきたのか俺!?

富岡が口を噤んだのもこれが原因か・・あの野郎、ガン見しやがったな・・。


「はぁ・・。まぁ初めての夏じゃしょうがないか・・」


どうやらブラ透けが嫌だったら目立たない色のブラにするか下にキャミかなんかを着るものらしい。

残念ながら俺にはそんな知恵は働かなかった。だって知らないもん・・。


「しょうがないから今日はなるべく汗をかかないようにがんばんなさい。タオルは貸しておいてあげるから。」


んな無茶な・・。

とは思ったけどキャミもないし致し方ない。。

俺は青山にタオルを借りて席に戻った。


今日一日周りからジロジロと見られていた気がして授業に集中できなかった。

うぐぐぐ。次回から下にキャミ着ていくぞ・・!

・・でも暑そうだなぁ・・・。

それが嫌なら透けブラを気にしないか汗をかかないようにするか、透けてもわかりにくい下着にするかだけど、あいにくどれも今の俺には難しい。白やベージュのブラなんて持ってないし。


帰りのホームルームが終わった後、隣の席の富岡に


「・・今日、私の下着、見えました?」


と確認してみたら顔を真っ赤にして大慌てで出て行った。

わかりやすいやつ・・。


そして俺が今日ブラが透けていたという情報は瞬く間に全校生徒へと広がったそうだ。

犯人は俺の非公認ファンクラブなのは言うまでもない。

正直アキラが発足したファンクラブに助けられることも多いからな・・。あれこれ言うつもりはないけれどそのうちなにかしら支払わせてやりたい。タダ見なんてさせないぞ!!


どうでもいいけど最近見られることに慣れてきたなーと思う。

男の視線に慣れたというか。。

大体の男の人は俺とすれ違うとき、胸に目線が行き、その後顔を見て、そんでまた胸を見てくる。

そんなにおっぱいが好きかい。


元男としてその辺の気持ちはわからなくはないけどな!!


久しぶりに女になったことで悩まされた日だった。



◇◇◇


ブ・ラ・透・け・万歳ッ!!!


隣の席の男子こと富岡です。


いやー、もう、神崎さんガードゆるゆる。まじかわいい。

汗をかきつつ挨拶をしてきてくれた神崎さん。視線をいつものようにお胸に移したらなんとそこには汗に濡れたブラウスから透けて見えるブラがあるじゃないですか!

思わず二度見、三度見しちゃったよね。

男の子だもんしょうがないよね。


でも神崎さん気づいてなさそうだったね。

あんなにかわいいのに、男に対する警戒が薄いっていうか、鈍いというか。

そんなんじゃいずれ変な男に襲われてしまうぞ・・!


やっぱり俺が守ってあげなきゃ、ダメ、かな?ふふッ。


なーんてな!なーんてな!!


そんなこと思ってたら帰り際に氷の笑みを浮かべて「下着見たでしょ?」と確認されてしまった。

神崎さんまじ怖い。かわいいけど怖い。

思わずその場からダッシュで逃げ帰ってしまうくらいには。


しかし今日見たあの光景は脳裏から消す気はないぜ。

明日もまた神崎さんのかわいいお姿が見れますように!




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