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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第一章 春
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再び囚われのお姫様

連投その2

俺はまたしても牢獄へと閉じ込められてしまった。


部屋は豪奢だが、俺にとっては牢獄となんら変わらない。

再び首輪を繋がれ今度は両手まで拘束されてしまった。

これはまた一つ脱出の難易度が上がってしまったな。

手が自由だったところで、同じ方法で脱出はできなかったろうが。


一人部屋でため息をついていたら、おねーさんが入ってきた。


「天岸さん!無事だったのか!?」


どこか様子がおかしい。肩で息をして、顔は赤く、上気している。

きっと石山にひどいことをされたのだろう。。見たところ外傷はなさそうだが、服の下はわからない。


「天岸さん、、大丈夫ですか?・・俺を逃がそうとしたばっかりにこんな・・・」


「ふふ。ありがとう、なんとか大丈夫よ。。少し疲れただけ。ごめんなさい、あなたを逃すなんて言っておいて、こんなことになってしまって。。」


俺がおねーさんを責めることなんてできない。一人だったらあそこまで行くことすらできなかったはずだ。

それより、俺はこれからどうなるんだろう。


「もうすぐ日が昇る。それと同時に石山はあなたとの婚姻を済ませるつもりみたい」


こ、婚姻だって!?

ウェディングドレスを着せられたあたりからおかしいとは思っていたが、俺と結婚するつもりなのかあいつは。


「私はあなたの乱れたドレスとお化粧を直しに来ただけ、、外では他のメンバーが私たちを監視しているわ」


脱出は難しいと。

でもさっきみたいに不意をついて飛びかかれば?


「無理よ。あの時は本当に偶然うまくいったけど、あいつは特殊な訓練を受けてきた傭兵らしいわ。二度と同じ手は通じないでしょうね。。」


そうか、、

だが俺にはもう一つだけ、手が残されている。


「天岸さん、一つ考えがある。石山に伝言をお願いできないか?」


「・・え?い、いいけど、、」


(ごにょごにょごにょ)


「!・・そんな、可能性はあるの?」


俺は決意を固めて頷いた。


◇◇◇


「なにぃ・・?花嫁が前撮り写真をいっぱい撮って欲しがってるだと・・?」


私はあの子の伝言を石山に伝えた。

前撮りとは、結婚式を前に、新郎新婦がウェディングドレスや、お色直しのドレスなどに着替えて、事前にいっぱい写真を撮ることだ。

彼女はどうやら時間稼ぎをしたいらしい。

ちょっとばかりの時間を稼いだところで、何か変わるのかと思ったが、彼女は助けが来ると信じているようだ。

監視カメラに映っていた彼女の友人たち。彼らがきっと自分を助けてくれると。

正直私は信じられなかった。誘拐が行われた当日、、昨日の警備室での一幕を見る限り、何も有益な情報は得られていないようだったが。せいぜい得られた情報としては当日の録画データが存在していないということだけだっただろう。

そこからここまでたどり着けるだろうか?

ちなみに録画データを削除したのは私だ。本当は別の録画データに差し替える手はずだったのだが、敢えて消すだけに止めた。私なりのヒントのつもりではあったのだが。。自分でやっておいてそれが役立つとはあまり思えていなかった。

警察に協力を仰げばたどり着けるかもしれないが、一般の高校生に何ができると言うのだろう。

警備員室に入れたのだって、強引に泣きついての温情程度だろうし。。


とりあえず石山は乗り気だった。

ついに花嫁がデレた!とか言っている。そんなわけないだろうが。

だが石山の頭の中は幸せな妄想でいっぱいのようだった。

これならばなんとか時間稼ぎくらいはできそうだ。


◇◇◇


俺は今、屋敷内の撮影ルームで笑顔を振りまいている。


「は〜い、いいよ〜、笑って笑って〜〜!」


「こ、こうですかぁ?(にこっ)」


パシャッ!パシャッ!


「いいねえ!すごく可愛いよぉぉ!今度は反対を向いて、首だけすこしこっちに向けて」


「はぁい(くるっ)」


「うっはぁ!とってもキュートだよぉ!」


パシャッ!パシャッ!


俺はこれまで3回お色直しをした。

その度に天岸さんにドレスを着替えさせてもらって、完了次第すぐ撮影だ。

写真を撮りまくっている石山はご機嫌な様子。

自分で提案しといてなんだが、こんなに上手くいくとはな。。


「じゃあ、今度はちょっとエッチなポーズ行ってみようか〜!」


「は、はぁい(に、にこっ)」


糞が。調子に乗りやがって・・!腑の煮え繰り返るような思いを嚥下し、俺は胸を強調した前屈みのポーズを作る。


「グッド!いいよおぉ!」


パシャ、パシャ!


「今度はスカートたくし上げてみようか〜〜」


「はぁい(・・・殺したい。)」


「だめだよ〜、顔がこわばってるよ〜、もっと恥ずかしそうにうつむく感じで!」


非常に不本意だが、言われた通りに実行する。

そう、俺は写真を取られるだけの人形なのだ。感情なんてないのだ。

スッとスカートをたくし上げる。ギリギリパンツは見せない。これがデッドラインだ!見せてたまるか!


「いいね!その見えそうで見ない感じ、、、ぐっとくるよぉ!!分かってるねぇ〜〜〜!」


逆に好評だった。

それはそれでなんかムカつくな。。


「じゃあ、次の衣装いってみよっか〜。今度は、、そうだねぇ、ドレスじゃなくて、スク水とかいってみようか!」


「は、はぁ・・い(・・早く助けに来てくれ・・・!)」










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