トリプルデート2
ちょろっと心境など。
やってきたぜ!ヨヨポート!
念願の姉貴とデートがようやく叶った!
・・と思ったら、コブ付きかぁ。。
アキツグ先輩め、前からちょっと怪しいなぁとは思っていたけど、これはガチになったな。
先輩の歩き方や、視線の配り方、姉貴に対する気の使い方を見ていると、ベタ惚れしてるっていうのは一発でわかる。
さりげなく車道側を歩き、横断歩道や車の側では手を引いて引き寄せ、姉貴に目線を送ってくる周りの悪い虫からは壁になるようにしている。
おのれ、、俺の出番。。なし!
さっきまではアキツグ先輩が俺の隣を歩いていたが、今はちゃっかり姉貴の隣にいる。
穏やかな顔しやがって、、姉貴も楽しそうだ。くそう。
「・・お似合いだよなぁ?」
隣を歩く遥が耳元に口を寄せてくる。
・・・悔しいが確かにお似合いに見える。いやいや!そんなことはない。
姉貴の隣を歩くのは俺だと決まっている。今決めた。
「ユウってさぁ、前からブラコンだなぁと思ってたけど、相変わらずだよなぁ。んにゃ?もっとひどくなったかにゃー?」
手前、好き勝手いいよって。
ハルカの頭を両手でグリグリする。
「あいたたた!うそうそ!じょーだんだよ!」
お前だって人のこと言えねーだろうが。
「うー。いたいたい。わたしは兄貴のこと好きだよ〜。もちろん兄妹としてね?ユウはどう好きなのかなぁ?」
頭をさすりながらニヤニヤしてくる。
俺か、、俺の気持ちは、、もう固まっている。
血が繋がっているとか関係ない。俺は姉貴が好きだ。
お嫁に欲しい。
そして、そして、、二人で白いお家に住んで、ペットは豆柴を一匹。。
夜は、夜は、熱い抱擁を交わして、、!
『やさしくして・・?ユウ・・』
へへ、へへへ。
なんてな!なんてなー!!
「・・うわキモい・・。」
お前本気で引いたろ今。
「引きたくもなりますにゃー」
ぐぬっ。
なんてやりとりをしていたら兄貴に
「お前ら仲良いなぁ・・。案外お似合いかもな?」
何て言いよった。兄貴!俺の気持ちに気づいているくせに酷い!
・・気づいてるよな?
「・・・」
ハルカがちょっと顔を紅くして固まってる。どうしたんだこいつ。
まあいいか。
それよりも俺は今日のデートで姉貴をモノにするぞ!
具体的には、こう、手を繋いで歩きたい!
・・うわぁ、考えただけでドキドキしてきた。
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なんとなくノリで乗っかってきちゃったけど、実は結構楽しみにしてた。
だって、兄貴とコウにーちゃんとデートなんだぜ!?
両手に花?っていうか、そんな感じ。
まぁオマケもついてきちゃったけど良しとしよう。
天気もいいし、絶好のデート日和って感じ。
ふわぁ〜、いい陽気。眠くなるにゃーこれは。
電車に乗ったらコウにーちゃんがあたしに席を勧めてくれた。
こういうところやっぱ気遣いできるなぁコウにーちゃん!
けど、人が混んできちゃうと小さいコウにーちゃんの方が大変そうだから譲ることにした。
申し訳なさそうな顔してたけど、そんな顔もかわいいにゃぁ・・。
目的地に着いた。
最初はコウにーちゃんの隣だったけど兄貴がそわそわしてたんで可哀想だから譲ってあげた。
感謝してよー?
なので今は隣にユウがいる。
こいつとはコウにーちゃんにあった時からの付き合いだから、えっと、小学校からか。
そう思うと結構長いね。
最初の頃はコウにーちゃんの後ろに隠れてばっかりの情けない奴!と思ってたんだけど、
あれよあれよと背もでかくなって、あっという間に抜かれちゃった。それと同時になよなよした雰囲気がなくなって、男らしくなってきた。ユウのくせに生意気だ。
ユウも兄貴と一緒でバスケ部。なので兄貴の試合を見に行くとこいつも見に行くことになる。
兄貴には一歩及ばないけど、いいセンスしてるんだよなー。
だから最初はなんでF高校じゃなくてT高校にしたのか不思議でしょうがなかった。だけど、すぐに気がついた。
こいつ、コウにーちゃんから離れたいんだって。
もちろん嫌いだからって理由じゃなくて、まったく逆。好きで好きでしょうがなくて、自制が効かなくなっちゃうから苦渋の決断?ってとこ。恋するオトコは大変だなぁ。
男同士で、しかも兄弟なのにと思うかもしれないけど、コウにーちゃんを見てたら納得しちゃうと思う。
だってコウにーちゃん女の子にしか見えなかったもん。
中学の制服は学ランだったんだけど、どうみても応援団のコスプレしてる女子くらいにしか見えなかった。
コウにーちゃん華奢すぎ!目もおっきいし、綺麗な二重でまつ毛も長い。ほんと女の子って感じだった。
その辺私は背も大きいし、部活のせいかわかんないけど結構筋肉質で、太ってないのはいいんだけど柔らかさに欠ける気がする。顔もちょっとキツめかな?凛々しい!カッコイイ!なんて言われれるけど、もっと女の子っぽくなりたかったなー。
そういうのもあってコウにーちゃんには憧れちゃう。まぁ、オトコだったんだけど。
でも今は女の子になっちゃったから、もうそれはしっくりくることこの上なし。
絶世の美少女誕生ですよ。
あたしが男だったら百パーほっとかないね。
兄貴がぞっこんなのもわかるわ。・・ユウがぞっこんなのも、ね。
・・あれ?なんか辺な感じだな?よくわかんない!
ええい!ユウをいじって遊ぶか!
そんな風に遊んでたら、コウにーちゃんに「お前ら仲が良いな」「お似合いかもな」なんて言われた。
・・お似合い?あたしとこいつが?
何言ってるんだろうと思ったけど、あたしは顔がなんだか熱くなってしまった。
なんでかな。。。




