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美少女男子高校生の日常  作者: くろめる
第一章 春
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あの日

枕元で目覚ましが鳴り響いている。


そろそろ起きて学校にいく準備をしないと・・

うーん、なんだか体が重くて、お腹が痛い。。

風邪でも引いたかなぁ・・?


あいててて、とりあえずトイレいくか。。


階段を降りて1階のトイレに向かう。

途中母を見かけたので挨拶をしておく。今日はパートは午後からだそうだ。

あ、お弁当用意しなきゃ。今日はお願いしちゃおうかな。。


ガチャっとドアを開けてトイレに入る。

いつものようにパジャマのズボンを下ろして便座に座ろうとしたところで、一大事に気づいた。

パジャマのズボンの一部が、赤く染まっている。下着も赤い。

ドキッとして急いで下着を下ろすと、、


つぅー・・。


自分の股から血が流れていた。


ヒッっとなってそのまま気絶してしまいそうになるところをなんとか持ち直し、母に助けを求める。


母さん!ちょっと来て!なんかやばい!

お腹痛いと思ってトイレ行ったら大量の出血をしてるんだけど、これやばい病気!?

早く救急車呼んで!


というと、ああ、なんだ。という顔をして


「今晩はお赤飯炊かなくちゃね〜」と頬に手を当てて嬉しそうに言っていた。


ちょっとこちとら流血してるんですけど!?めちゃめちゃお腹痛いんですけど!?


「ばかねぇ。ただの生理じゃない。」


・・


・・・!


理解するのに10秒ほどかかった。

こ、これが女子に毎月やってくるという、、あの日か・・・!!


うわ、、こんなことに毎月なるのか・・・女子って大変だな・・・

なんて他人事のように思ってたけど、今は俺も女子だった。

え、これ毎月来るの・・?死んじゃう。


腹部がドンドンと鈍痛がする。体がだるいし、なんだかイライラする。。

結構きついなぁ、、これ。。


毎月これに耐えてる女子は偉いと思う。本当に。


・・あ、母が一ヶ月以内に泣きつくかもって言ってたのはこれのことか。。。

これは確かに泣きつきたくなる。なんとかしくれ〜〜!お腹痛い〜〜〜!


「こんなこともあろうかと、お薬は用意してあるのよ。あとであげるからとりあえずこれ付けときなさい。付け方は、まぁ、最初は教えてあげる。」


母上!!ありがとうございます!!

女子の先輩がいてよかったよ!

これが父子家庭だったりしたら、もうてんやわんやだったろうな。。


俺は生理用のナプキンをもらって装着する、、とその前に下着換えないと、うっへぇ、、。

あーあ、、買ったばかりの下着が。。。うううう。泣けてくる。。ちゃんと洗って落ちるかなぁ。。


母に頼んで部屋から下着をとってきてもらう。近くにいた弟が「とってこようか?」って顔をしてたけど、母に制されていた。お前。。


とってきた下着を手に持って、可愛い下着つけてるのねぇ、なんて母が言ってるけど、いいからそれください。


別の下着に変えて、ナプキン付けて、母に薬を貰った。


「あんまりこれに頼るのはよくないけれど、慣れるまでは仕方ないかもね。」


母にもらった薬は30分程度で効きだした。おお、これならなんとか大丈夫かも。。

なんとか根性で学校に行くことにする。

お弁当は俺が唸っている間に、母が用意してくれていた。ありがとう母上。


地元の駅に着くと、アキツグがもう来ていた。


「よお、今日はちょっと遅かったな。」


なんてドヤ顏で言ってくるので無性にイラっとしてしまった。

いつも俺より遅く来るのに、今日は先に来れたからいい気になっているのだろう。

まぁいい、学校へ行こう。この時間ならばまだ遅刻にはなるまい。


はー、今日も電車混んでるな〜。お願いだからお腹はおさないでくれよ〜〜。

あ、そういえば下着も今度からもっと血がついても目立たないようなやつにしないと。

そういうやつも売ってたな確か。。買っておけばよかった。

また今度香織姉(かおりねえ)に付き添ってもらおう。。


アキツグが隣でなんか言ってたが、俺は適当に受け流していた。

悪いな。今日はそんな余裕はないのだ。。いてて。



学校のある駅につき、緩やかな坂道を頑張って登り、なんとか教室までたどり着いた。

ふうー。ようやく一息つけるぞー。


教室に入ると青山がいたのでなんとなく今日のことを話してみる。

ちなみに生理(このこと)はアキツグには何も話していない。さすがにちょっと話せる内容じゃない気がする。こういうのは、今となっては同性の方がいい。


「あー、コウにも始まっちゃったのか〜。そこんとこどうなのかなーと思ってたけど。そんなことなら色々用意しといてあげたほうがよかったね。ごめんね。」


俺もこんなことになるとは思ってなかったしな。いいってことよ。

母になんとかしてもらったから大丈夫だ。


「そっか。それならよかった。私は結構軽い方だからな〜。聞いてる限りだとコウはちょっと辛そうね。きつくなったら遠慮しないで保健室いったほうがいいよ。」


結構個人差あるもんなんだなー。ありがとう青山。そうする。

堂々とサボりの言い訳があるというのは良いことだ。別にサボり癖があるわけじゃないけど。


俺と青山が話をしてたら木嶋さんも加わってきた。


「おはよう神崎さん。あ、今日辛そうだね?」


すごいな、一発でわかるんだ。


「顔色を見れば大体わかるよ〜」


そういうもんですか。俺はそんなの全然わからなかったけどな。

自分は最近終わったばかりだとか、最初の頃は大変だったとか自分の体験談を話てくれた。

聞いちゃいけないことを聞いてる気がしてちょっと顔が赤くなってしまった。


俺たちがキャイキャイ話をしてたら、俺の隣の席の男子、名前はえっと、、

こいつ名前なんだっけ?という顔で彼の方を見た。


「・・富岡だけど・・」


が、話に加わろうとしてきた。お前この会話に加わる気か?正気か?


「何なに、何の話してたの?」


ずいっと、入ってきたので、俺は青山の影に思わず隠れてしまう。

実は、この間の一件からすこし男子が怖くなってしまった。

まったくしゃべれない訳でもないが、近寄られるのは抵抗がある。

アキツグやアキラ、マコトなんかは平気なんだけどな。あいつらは絶対俺にそういう真似はしないという妙な信頼感がある。


「女の子だけの秘密の話よ。男子はあっちいってなさい。」


青山に一蹴されて富岡くんは去っていった。さようなら富岡くん。この会話に加わろうとした勇姿だけは認めよう。だが、彼は去り際に「今日、頑張るから、みててくれよ・・!」とサムズアップをしてきた。


何の話だ。


青山と木嶋さんの方を見ると「あー、今日は、、」と何か納得した顔をしていた。


「何かあるんですか・・?」


「ああ、神崎さんは知らされてないのね。まぁ、放課後になればわかるわよ。」


え、何、、なんなの怖い。


休憩時間、トイレとかで学校を歩いていたら、数名の男子生徒や女子生徒に「おれ、頑張るから!」とか「私たちのことも応援してね!」とかキラキラした笑顔で話しかけられた。


いったいこの後何があるというのか。。

俺は放課後になったら真っ先に帰宅したいんだけど。





一話にまとめようと思ってたんですけど、ちょっと間に合いませんでした。

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