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第5話

不定期更新です。

涙を流して頼む、マッパマント改め駄犬を連れて行く事にしました。言う事聞かない時は置いていけばいいわ、と心に密かに決めています。


「一つ言っておくけど、貴方に刻まれてた呪術の模様も、偽物に移して置いたわよ。えげつない物刻まれていたわね」


本当にえげつない物だわ。命と魔力を媒体にした物で、何を願ったのか分からないけど相当凄い願いでないとやらないものだわ。それに見た所、私が神殿で内緒で読んだ禁書に書いてあった、絶対使うと危ない使うな!厳禁。と封がしてあったのに。


「はああああーっ!!嘘だろう!絶対解除できないと誰からも言われたぞ!」


解除は面倒くさいけど、移すのは簡単にできるわ。私、限定だけどね。才能があったけど、家に帰って自由に暮らしたい私は、力を隠してほどほどに使える巫女を演じてたようね。記憶を思い出した時、賢い!思い出す前の私!って感心したわね。


「あんな趣味の悪い物、誰にやられたの?生命力を媒体にした禁呪なのよ」


記憶を思い出し、性格が統合したけど、あまり昔と変わらない私のその記憶によると、怪しげで危険な呪術だし、使いたくもないものよ。



「ガジェットル神殿の、大姫巫女と言われるナージャル様だが」


やっぱり、あの噂は本当だったのね。私が夜の散歩をしていた時、間違って大巫女の部屋に行ったら、金貨に埋もれて枚数数えていたわ。


「え!あのばーさんやっぱりえげつない事してたのね」


神殿長に内緒で、依頼を受けてお金をもらってるって、密かに噂になっていたけど、大巫女が怖いから誰も告げ口する人がいないくて、今も神殿長は気付いてないらしい。


「知っているのか?」


巫女の修行の時見たわ。余り関わり合いになりたくないからスルーしてたわね。あんな所にいると、口も性格も悪くなるか、神殿の良いように洗脳されるかのどちらかだもの。


「巫女の修行したから、あった事あるわよ。その頃から、不審な行動していたけどここまで酷いとはね」


黒い噂のある巫女だし、長く居て権力もあるから誰も知らない振りしてたけど。


「酷いとは?対価を払えば何でもすると聞いたぞ」


普通はしないのよ。知らされないまま呪術をかけられたみたいね。


「普通はこんな酷い事しないわよ。自分自身で支払える、僅かな願い以外は叶えてはいけない事になっているから」


命が対価なのよ、死なない程度でやめないと、人殺しにはなりたくない。

顔が顰めっ面になっているわ。仕方ないわね、初めて聞かされた事だろうし戸惑うのは当然ね。


「こちらに、お金をたんまり要求されたようだ」


数えてベットに敷いてる様だし、禁呪だもの高かったでしょうね。


「貴方、自分で望んだ訳ではないでしょう。いくら魔力が多くても確実に十年もすれば死ぬ物だから」


良く承知したと思うわ、痛みもあるでしょうし気が知れないと思っているわ。


「父親に無理やりされた物だ。弟の為の生贄らしい」


自分の意思でないなら納得ね。生贄ね馬鹿な事をするわ、運命を捻じ曲げても碌な事にはならないのに。


「苦労してるのね。親子と言えど相性が合うとは限らないから、弾かれた方が損をするのはどこでも同じね」


親子だからって、仲が良いとは限らないわ。少しの心遣いと、誠意は例え家族と言えど忘れれば仲違いの元ですもの。


「君も苦労してるのか?」


今の家族では其処まで酷くないけど、仕返しは倍返しにしているわ。


「多少はあるかもしれないけど、仕返しは倍返しよ。私の場合は。ふふふ」


お兄様は出来た人だけど、お父様は人が望まない事をピンポイントで責めて来るから鬱陶しいわ。


「て、敵対したくないな君とは」


顔が引きっているけど、貴方の場合は言う事聞かないと置き去りね。


「もちろん、態度が悪いと遠慮なく躾させてもらうわよ」


躾は大事だし、最初から全力で行かせてもらうわ。


「え!ほ、本気なのか?」


驚かなくても先ほど約束したでしょう。守らないとダメよ。


「付いてくるなら、それくらい覚悟してね。私はどっちでも構わないわよ、自分で決めて」


俯いたと思ったら顔をあげて考えているみたい。自分の人生ですもの、しっかり決めて。



「……付いていきます」


あら、付いてくるの?教育始めるわよ。


「まず、お手からね。はい、お手!」


これくらいもできないなら連れて行けないわ。


「……」


もう一度試して、言う事聞かないなら置いていこう。


「反応鈍いわね。できない駄犬は要らないけど。はい、もう一度。お手!」


「はい!」


危険察知したみたいね。やらないと置いて行かれると感じたようね。


「そうそう、素直が一番ね。はい、クッキー。ご褒美ね」



躾は、飴と鞭だと前世で友達が言っていたわね。大きい駄犬だけれど話し相手がいると、旅は楽しそうだわ。別の連れが見つかる迄はでっかい駄犬で我慢するわ。


しかし、煩い駄犬ね、クッキーをもらった。お手でクッキーもらった。美味しいまだくれるかな?頭が良いと自分で言っていたけど、とてもそう見えないわね。良くて小学生?まあ、猫被ってても、躾ければ使えるでしょう。



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