第4話
不定期更新です。
一段落ついたので大丈夫なりました。元、私の護衛騎士達が偽物の遺体を包んで持って行ったので、完全に騙せるでしょう。
「私の方は大丈夫になったけど、あなたの方はいいんですか?」
これで彼等ともう会う事もないので、私の方は安全だけどそちらは大丈夫かしら?
「私も見に行きたいのだが、一緒に行ってくれないだろうか?」
頼りなさそうなので、行ってあげることにしましたが不安です。ドジ踏まないといいですが。
どんなに、前が優秀だろうと、今現在駄犬しか思えないから仕方ないわ。
「来てあげるから、言う事聞いて静かにしているのよ。できるかしら?」
首を縦に何回も振ったので、まあ大丈夫でしょうね?
「それでは行きましょう」
マッパマントと倒れていた近くに行くと、遠くに人の気配を感じたので、結界(反射により周りの景色が鏡の様に写りこんでいる。人は写らない)に入り分からなくしてから近付くと声が聞こえます。
「見つけたぞ!……生きているのか?」
一人の男が注意深く見ています。恐る恐る近づいて、生きているか確かめて要るようでした。
「亡くなっている!間違いなく陛下だ!」
陛下?この駄犬のようなマッパマント男が?私が声を出さずに驚いていたら、数人の男達の話が聞こえてきました。
「本当に、これで良かったんだろうか?」
「馬鹿言うな!今更取り返しの付かない事を言ってもしょうがない!王弟であるアルフォード様の為だ!」
「そうだ!陛下より王弟の方が王に相応しい男だ!きっと良い国にしてくださるはずだ!」
「冷酷な王より、慈悲深いアルフォード様の方が良いに決まっているだろう!」
「早く遺体を王城に連れて行くぞ!急げ!」
何やら、このマッパマントには秘密がありそうね。陛下と言っていたから王様らしいけど、私は関わりたくないから、聞かないことにするわ。彼らが去ったあと無言になったマッパマントに声をかけた。
「用はすんだから町に行きますよ。どうするの?」
一応聞いてあげるわ、何方でも私は構わないけどね。
「…聞かないのか?彼らが言ってた言葉の訳を知りたくないのか?」
どうせ、碌でもない事なんだから聞くだけ無駄よ!馬鹿らしい。
「知らなくても構わないわ。私には関係ない事ですもの。そんな事より町に行くか早く決めて」
何驚いているの?聞かなかったから?馬鹿なの?自分から進んで、厄介事に首を突っ込むつもりなどないわ。
「……」
返事をしない人は、連れて行く必要はないわね。駄犬はやっぱり捨てて行くしかないわ。
「そう、ここでさよならね。もう会う事もないけど、お身体を大切に風邪引かない事祈っているわ」
さて、身軽になって町に出発よ。私の自由生活の始まりね。前世の世界の記憶を思い出してたのだから。
折角、ファンタジックな世界に生まれているのだから、冒険はしないけど観光はしたいわ。
前世では、日本の国内旅行はしたけど外国旅行はした事無かったから、残りの人生は色々見てまわりたいわ。
「わああーっ!お、置いていかないでください!」
え?急になに?付いてくる積りなの!王様やってた話本当かしら?威厳なんて、これっぽっちも感じませんけど偽物?
「付いて来るつもりなの?別に好きにしていいのよ。もう貴方は自由でしょう、自分のしたい事をすれば良いわ。止める者などいないのよ」
良い生まれだと言う事は否定しないけれど、私からみれば駄犬だわ。無視しても構わないかしら?煩い駄犬なんて要らないわ。子犬まだしも成犬それも躾のできてない、聞き分けのできない頭の悪い子は遠慮したいわ。
「うっ、うっ、見捨てないでください!何でもします!」
嫌だわ泣いてるの。はーっ、しょうがないわね。泣かれると罪悪感が湧くわ。
「言う事を聞けるなら付いて来ても良いわ。できる?」
首を思いっきり縦に振ったから大丈夫かしら?まあ、できない時は叱ればいいわね。何でも最初が肝心だから、そこの所をしっかりしてないと!躾は始めが肝心だから、ビシッと教育させてもらうわ。