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魔導士たちの非日常譚  作者: 抹茶ミルク
天雷の大秘境編1 魔族と人間
148/256

vs黒腕のマーヤ=ロール

 


 その女は、長い髪を後ろに束ね、指先まで隠れる袖の長い狭衣を纏っていた。頬や首、裾から覗く脚にも傷跡が残っており、歴戦の軍人の風格を醸している。


 新たな敵の襲来に、ジンはスクーリアたちを守るように前に出た。

 ウルーガの傷口を押さえながら、震える声でスクーリアが訊ねる。


「なんで……お前たちが攻撃されている……? 奴らの仲間じゃないのか……?」

「知らん、あんな奴」


 そっけなくジンが答えると、スクーリアは驚いたような顔をした。


「ど、どういうこと? お前たちは一体……」

「俺たちは仲間を助けに来ただけだ。お前もあいつも、何にも分かんねぇってーの」


 その答えは、敵の口から語られた。


「貴様らで間違いないな? アタシの部隊を全滅させたのは!」

「部隊……全滅……!?」

「あっ、君があれの隊長? そうです僕がやりました」

「……そういうことか」


 ミツキが頭を抱える。

 カルキが殲滅した魔族、というのはどうやら彼女の部隊らしかった。


(魔族たちも一枚岩じゃないのか。いや、むしろ敵対している?)


 ミツキは思考する。

 あの攻撃からはウルーガたちもまとめて殺すような意図も感じられた。同じ魔族でも、仲間であるということではないのだろう。


「待て、お前が手にかけたのは我らの同胞ではないのか!?」

「んー、そのあたりの事情は知らないけど。あの女が言う通りなんじゃないかなぁ」

「……誤解、だったのか」


 スクーリアからすれば、ジンたちはあの女の仲間で、この地に踏み入り同胞たちを殺した敵であるように見えていた。

 しかし現状を鑑みるに、ジンたちはあの女とも敵対し、この地に迷い込んだまったく無関係な謎の第三者だ。


「第七小隊隊長、マーヤ=ロール。部下どもの仇だ。貴様らを皆殺しにする」

「わお。やる気満々だよ、二人とも!」

「お前が拗らせたんだろう……。一人で死ね」

「つれないなァ。仲間じゃないか」


 ヘラヘラと笑いながら、カルキは刀に魔力を纏わせる。

 ミツキも抜刀して、敵の攻撃に備えた。


「さて、と!」


 まずはカルキが一切の予備動作なく刀を振るった。不意打ちの魔導斬撃が高速で飛んでいく。

 しかしマーヤは初見にも関わらず、あっさりと反応して右手でそれを受け止めた。


「ん!? 素手!?」

「温いわ! この程度では我が部隊はおろか、レイメイにすら勝てるはずがないだろう!」

「レイメイ? あのちょっと強かった奴かな?」


 カルキは再び刀身に魔力をまとわせる。

 連戦に次ぐ連戦で、もはや魔力は少なくなっている。そう何発も撃てないだろう。


(唯一の遠距離攻撃だ。魔力は温存しておくかな)


 カルキにはジンとミツキが近距離特化だろうことは分かっている。

 となれば、カルキはいつでも撃てるように集中しつつ敵に圧力をかけるべきだろう。


「カルキ! お前は」

「下がれ、かな?」

「……そうだが、そうなんだがさぁ」

「んふふっ。息ピッタリじゃないか僕たち。仲良くしようぜ」


 ミツキが指示するまでもなく、カルキは下がって距離を取っていた。


 カルキの魔導は込めた魔力量によってスピードと威力、そして切れ味が持続する飛距離が変わる。切れ味は消滅するまで常に一定のため、どれだけ離れていようと当たれば殺せる。


 はずなのだが、マーヤには右手で簡単に防がれた。

 魔術を使っていようと生身で防ぐなど不可能に近い。反応速度はともかくとして、防いだ方の秘密を暴かないことには無闇に撃てない。


「あれが右手だけなのか、全身で受けられるのか。それと、最初の攻撃の正体が分からないな。武器も持ってないし」

「腕も袖で隠れてるから分からないね。受けて仰け反ってはいたから普通に当たれば通ると思うよ」

「じゃあ普通に当てろよ」

「手厳しい!」


 と、ここまで軽口ばかり叩いてはいるが実際の戦況は最悪である。

 マーヤは屈んで両手を地につけた。


「ふん。人間どもの前に、まずは役立たずから殺してやろう」

「なっ!?」


 岩壁を突き破って、再び黒い棘がスクーリアに向かって襲い掛かる。


「きゃあ!」


 ウルーガをかばうように覆いかぶさったスクーリアの額が貫かれる寸前、棘が力を失った。


「……」

「お、お前……」

「ふん」


 ジンが棘を踏みつけ、それを鉈で断ち切っていた。


「俺はそいつに助けられた分、返しただけだ」


 先端を失った棘はまた岩壁へと戻っていく。

 ジンはゴキゴキと首を鳴らすと、マーヤへと顎をしゃくって挑発した。


「次はテメーに返す。降りてこいや」

「ふん。ボロ切れのような体で生意気な……」


 マーヤは地面から手を離すと、衣を翻しながら飛び降りた。


「いいだろう! 彼らの無念、直接叩き込んでやろう!」

「知るか! くそくらえ!」


 ジンが姿勢を低くして突進する。

 マーヤもジン以上のスピードで正面から迎え撃つ。接近戦にも自信がある、そんな動きだ。


「うぉら!」

「はぁ!」


 ジンの右拳を左手で受け止める。

 ジンは素早く体を捻って右腕を引き、左足でハイキックを放つ。

 マーヤはそれも左手で合わせて受け止めると、ジンの顔面めがけて右拳を繰り出した。


「ちっ」

「ふっ!」


 長い袖がジンの視界を遮る。

 ジンは大きく仰け反ってそれをかわしつつ視界を確保する。しかし、体を支えていた右足に足払いを掛けられ、ジンはバランスを崩す。


「っそ!」

「ふん……!」


 ジンはさらに深く背中を曲げると、両手をついて転倒を回避。そしてそのまま両足を跳ね上げ、マーヤの顎を狙いつつ立ち上がる。

 マーヤは横にずれて蹴り上げをよけると、しなやかな脚で立ち上がった直後のジンを蹴り飛ばした。


「がっあ!」

「ジン!」

「今度は貴様か」


 ミツキとマーヤが衝突する。


(左腕を狙う!)


 ミツキはマーヤの左側から斬りつける。

 それに対しマーヤは体を捻って右手でそれを受け止めた。


「ぐあっ!?」


 鋼鉄を打ちつけたような衝撃がミツキの腕を痺れさせる。

 マーヤは刀を握り砕くと、その拳をミツキの胸に叩きつけた。


「死ね!」

「がっ……!」


 ミツキがよろめき、膝をつく。


「ほう、防いだか」

「ガハ……ゲホッ!」


 ミツキは千本刀で召喚した刀を盾にして致命傷を防いでいた。しかしその刀も砕け、かなりのダメージが通っていた。

 つかつかとマーヤが歩み寄る。

 その背後からジンがとびかかった。


「俺はまだやれるぞ! くたばりやがれ!」

「ふん。まだ立つか」


 マーヤはミツキへとどめを差す前に立ち止まり、振り返ると同時にジンの攻撃を受け止める。


「うらぁ!」

「温いな」

「へっ、やっぱ右腕か」


 ジンの攻撃もマーヤは右腕でガードをしてきた。トンファーが右腕とぶつかり、力による押し合いになる。

 が、半減した上でジンはマーヤに力負けをする。それほどに弱っているのだ。


「ぐあ!」

「ふん。造作もない」

「へっ、さっきの攻撃はやっぱりその右腕だったんだな。そんだけわかりゃ十分だ!」


 カルキ、ミツキ、ジンの攻撃を受けたマーヤの右袖はひどく損傷し、そこから黒光りする腕が覗いていた。

 全員の攻撃を右で受け止めたことで、彼女の武器の正体が見えてきた。


「ふん。何が十分だというのだ、死に損ないが。それを知られたからといって我が魔法は防げぬわ!」

「防ぐだ? 馬鹿言うな、んなこたどうでもいい」

「何だと?」


 ぼろ雑巾のような体で、荒い呼吸で、しかし不敵に。


「テメーが右だけで! 防がなきゃいけねーんだろ!? そりゃ大変そうだよなぁ!」


 ジンは狂暴に笑って凄んだ。


「防いでみろや! あぁ!?」


 ジンに二度目の挑発をされて、マーヤは青筋を浮かべる。


「人間にここまでコケにされたのは初めてだな……! いいだろう、見せてやる」


 マーヤはボロボロの右袖を掴むと、自らそれを引き千切って肩まで露出させた。


「この腕は人間との戦いで失った」


 傷だらけの肩。そこから先は無く、切断面にリング状の器具が着いている。

 そしてそこから、黒い筋を束ねて象られた腕が伸びていた。


「そのおかげだ。この力を得られたのは」


 マーヤが腕を伸ばして、手を開く。

 指を形成していた棘の束が伸び、五本の棘となってミツキへと襲い掛かった。


「この恨みが! 貴様ら人間を殺すための力となる! 黒鋼の右腕(ライトメタル)!!」

「おおっ!?」


 ミツキは素早い剣さばきでそれを弾いて身を守る。


「っ、硬い……!」


 棘はぐいと曲がると、今度はミツキの背後から襲い掛かる。


「ミツキ、後ろだ!」

「く……ぅ!」


 それも全て捌くが、ミツキは棘が自分を囲むように動いていることに気付く。

 次の瞬間、五本の棘がミツキを締め上げるように縮んだ。


「うおあ!」

「ちっ、まだそんな力が残っているのか」


 気づくのが一瞬遅ければアレに掴まっていただろう。そうなれば最後、身動きもとれないままに貫かれるしかなかった。

 地面にへばりつくようにして危険を回避したミツキは、五本の棘に刀を叩きつけた。


「ぐ……!」


 刀の刃が欠けた。

 棘はその身に少しの傷を残しただけで千切れるには至らず、マーヤの元へ戻っていった。


「くそ、そういう仕組みか」


 先ほどジンは創造した鉈で棘を断ち切っていた。

 一方、切れ味に優れるはずの刀では傷を残すので精一杯だった。


 何が違ったのか。二つの状況を比較して、ミツキはある一つの仮説を立てた。


「ジン! 棘は伸びるほど脆くなる……かも!」

「なるほど、なっ!」


 ジンがマーヤに飛びかかる。

 ミツキも欠けた刀と新たな刀を交換し、走り出す。


「オラぁ!」

「はぁぁあ!」


 二人の攻撃を、マーヤは右腕一本で受け止める。


「ぐ……!」

「この……!」

「その程度か!」


 マーヤが右腕を払って二人を弾き飛ばした。

 ジンはすぐに身を起こし、襲いかかってくる黒い棘をかわす。

 ミツキも刀でそれらを捌きつつ、マーヤに斬りかかろうと隙を探す。




「……強いな。あいつ」


 少し離れたところで、カルキは三人の戦いを観察していた。

 当然、隙を見つければいつでも撃てるように神経を研ぎ澄ましてはいる。が、なかなかそんな機会は巡ってこない。


「体術は圧倒的」


 マーヤがジンの胸を蹴り、その反動で反対側のミツキにも蹴りを入れる。そのまま接近戦を迫り、刀には右腕で対応しつつミツキに打撃を与えていく。

 ジンたちの動きが極めて悪いことを差し引いても、あの二人をここまで一方的に追い詰められるのは相当の実力がある証拠だ。


「そしてあの武器」


 なにより厄介なのはあの黒い棘だろう。

 刀の刃すら通さない頑強さで、伸縮自在、かつ鞭のようにしなやかに動く。操作にはかなりの魔力を消費するようだが、相応の脅威となっている。


「うーん、万全の体調と環境ならジンでもサシでやれるとは思うが……」

「おい、助けにはいかないのか……?」


 スクーリアに怪訝そうに尋ねられ、カルキはマーヤから目を離さずに答えた。


「それはもちろん、僕も戦うさ」

「だったらなんで」

「そりゃ、行く必要がないからね。今彼らが弱り切っていて、それでも戦えているのは敵を倒すことが目的じゃないからさ」

「は? だったらなんで……」


 訳が分からない、といった顔をしているだろう彼女に向かってカルキは続けた。


「僕は彼女にとどめを差す。彼らはそのための隙を作る。だから彼らはあと一歩踏み込まない」


 カルキに言われて、スクーリアはジンたちを見た。しかし、カルキの言葉の意味はやはり分からなかった。


「二人とも半分のまた半分しか力出せないみたいだし、それしかないよね」

「何が……何が見えているんだ?」


 スクーリアには見えない。この次元の戦いを理解することすら難しい。




 黒い棘が鞭のように振り回され、二人は近づけないでいる。

 ジンがふらつき、その瞬間に強烈な一振りが脇腹に命中した。


「がはぁ!」

「あっ……アブない!」


 スクーリアは思わず口に手を当てる。

 しかしジンは口から血反吐を吐きながらもそれを抱え込み、大きく振り回してマーヤを投げ飛ばした。


「ふはっ! 食らいやがれ!」

「ぬぅ……!」

「ゲホッ、あああ痛ぇ! クソ!」


 マーヤの右腕がまるで根のように広がり床に突き刺さり、空中の彼女の体を支える。


「まだそんな……」

「もらった!」

「何っ!?」


 地面すれすれに振るわれた刀が、マーヤを支える棘の数本を切り裂いた。


「やっぱりな、これだけ伸びていれば斬れる!」

「小癪なぁぁ!」

「千本刀!」


 空中のマーヤの、さらにその上空。

 異空間から召喚された刀が弾丸のようにマーヤを狙う。


「児戯だ!」


 一本の棘が伸びて、刀を弾き飛ばした。


「どうかな?」

「しまっ……!」


 一瞬気を取られた隙。

 その隙に潜り込んだミツキが、マーヤの左肩を縦に両断した。

 袖が切れ、血が噴き出す。


「!?」

「人間がァァ! 貴様らに! 二度も腕はやらん!」


 ミツキは斬ったはずの左腕で殴られて地面に打ち付けられる。

 マーヤが左袖も引き千切り、その謎はすぐに解けた。


「棘を巻き付けて……!」

「黒帷子!」


 右腕から数本の棘が左腕まで伸び、巻き付いてゆく。これが鎧の役目を果たし、左腕を守ったのだろう。


「そういうんもあるのか……!」

「アアアアアア!」


 服がウゾウゾと蠢き、首から頬、腕、脚まで黒い棘が絡みついてゆく。巻き付き、交差し、網のようになったそれはそれまで弱点だった生身をすっかり隠してしまった。

 かわりに本数の減った右腕は手の形を維持できず、一本の槍を形成した。


「マズいな、半端な攻撃じゃ通らない!」

「殺してやる! 人間! 人間ンン!」


 マーヤがミツキに飛びかかった。左腕を振りかぶり、叩きつける。

 ミツキがそれをかわすと、左腕は足場の岩に突き刺さり、それにヒビを入れた。


(棘が手甲の役目を!)


 マーヤは左腕を突き刺したまま、右の槍でミツキを突く。

 ミツキは刀でそれを受け止めた。が、槍が伸びて押し合いになり、力負けしたミツキが引きずられるように後退する。


「う、おおおお!?」

「死ね!」

「させるか、このォ!」


 ジンのトンファーによる一撃がマーヤの右肩を打ち付ける。

 ズン、と足場のヒビがいっそう広がり、しかしマーヤ自身は無傷だった。


「っ、ぐぐぐぐぐ!」

「貴様も死ね!!」

「へっ、断る!」


 マーヤが左腕を引き抜いて、ジンに裏拳を叩きこむ。

 ジンは素早く見切りそれを掴むと、


「おおおおおおおおお!」


 足元のヒビにねじ込むようにして叩きつけた。


「嵌ってろ! カルキィーー!」

「任せろ!」


 体力的にも、最後のチャンスだった。


「させん……っ!?」

「ああ、させない……!」

「右腕も、貴様!」


 左腕はジンが、右の槍はミツキがそれぞれ抑え込んでいる。


 保って数秒。

 しかしカルキの魔導が届くには十分すぎる時間だ。


「おのれぇぇ!」

「ぐあ……っ!」


 岩盤を突き破って飛び出した棘が、カルキの足を縫い付け、肩を貫く。

 不意の事態にあっても防御よりも殺すことを選ぶ、その執念。


「ああっ!」


 血を浴びたスクーリアが悲鳴を上げる。

 だが。


「これ、しき!」

「!!」

「ああああ!」


 傷口が広がり、血が噴き出すのも構わず、カルキは壮絶に笑って一歩踏み込んだ。

 刀が振るわれ、無防備なマーヤへと刃が飛んでいく。


「ああああああ!」


 さらにもう一歩、返す刀で二発目が放たれる。


「また……しても、が、っ!」


 一発。

 マーヤの首を守る棘が千切れ飛び、血飛沫が舞った。


「にぃ、人間にぃぃぃ!!」


 二発。

 ごろり、マーヤの頭が転がり落ちた。


「…………んげ……こ……ろ……」


 憎しみをいっぱいに塗りたくったような顔の生首が最後の恨み言を呟く。

 マーヤの胴は糸が切れたように倒れた。







「やあ」


 岩にもたれかかるようにして座り込んでいたカルキは、顔も上げずに語り掛けた。


「僕を、殺すかい?」


 ジンとミツキは無言でそれを見下ろす。


(最後の抵抗は想定外だったなぁ……)


 もともとジンたちの敵として、彼らを殺そうとしていた身だ。殺されても仕方がないことは理解している。

 そうならないために彼らを牽制できるだけの力は残しておきたかったが、マーヤの執念によってそれも奪われてしまった。


(ごめんよ、ハル……)


 心残りなのは、たった一人の相棒。

 ここまで来て助けてやれなかった悔しさはあるが、まだ彼が死ぬと決まったわけではない。生きていてほしいと、願う。


 ミツキが刀を振り上げたのが分かって、カルキは静かに目を閉じた。


「……おいおい」

「……?」


 刃が首を断つ代わりに、何者かが懐に潜りこんできた。

 手を取られ、背負われるように立たされる。


「ジン、そいつをどうするつもりだよ」

「仲間を助けたいって気持ちはよく分かっちまう」

「だったらなおさら今……!」

「悪ぃ、ミツキ」

「……! はぁ……まったく」


 止められるのも聞かずにカルキに肩を貸すジン。

 それを見たミツキは諦めたようだった。


「オラ、歩け。死ぬほど疲れてんだ」

「ジ、ン……」

「許したわけじゃねぇ。気に食わんし、嫌いだ」


 ジンとカルキがフラフラと歩いていく。

 ミツキはやれやれと嘆息すると、カルキの刀を異空間に仕舞って二人の後を歩き出した。




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