エンデイング 上
蛇足 上
ここから神の介入が始まります。
始まり
「あらあら、これは困りましたね。」
「ままぁ、あたしのおもちゃ取っちゃ『メッ』だよ~」
真っ白な世界。
愛する者を庇う様に覆い被さった俺の上から振ってくる会話におそるおそる顔を上げる。
何も無い世界、空も大地もない霧に覆われた世界に妙にはっきりと浮かび上がって見える女性。
幼い少女を抱いた若い母親。
見たことの無い白い肌と白く大きな鳥の翼。スレンダーながら均整の取れた体型。ただはっきりと分かる特徴的な顔の傷と隻眼。
この方は女神ラーナ様。私が崇拝する女神様。(以後 λで表記)
「ああ、マリア様・・・」
胸の下から漏れる声。
そう、胸に抱かれるのは時空神マリア様。
ラーナ様そっくりな幼い姿で色違いの三ツ目。時折伸びをする翼は二対四枚。(以後 mで表記)
λ:「彼は私に自分を生け贄にして彼女を助けてと言ったのよね。」
m:「彼女は私に彼を助けてって言ってるし。」
どうやら女神様は奇跡を起こしてくださるらしい。
問題は双方が生け贄に捧げたものが奇跡の対象となる者である以上矛盾が生じてしまう。
どうやら双方譲る気もなさそうである。
それはこちらも一緒だ。もはやこの子が無事なら俺はどんな試練でも背負おう、たとえ死んだ後でも。
?:「お姉様方なにやらお困りのようですねぇ。」
どこからかさらに二柱の神様が現れた。
銀の髪に緑の瞳、本来の人類の肌の色と思われる薄い褐色の肌。言うなれば人類に一番近い姿の神。
おそらく勇者神アレフ様。旅と冒険、知識と技術、知恵と勇気を司る勇者。万能にして気分屋。口の悪い者は器用貧乏の代名詞にしている。(以後 α)
そしてもう一柱。こちらは該当する方が分かりません。
金色の髪に紫の瞳。しかし三つに割れた瞳とさらに小さな瞳の複眼になっている。左右で八個。
トーガのような服から伸びるのは二本の足と三対六本の腕。
今現在、アレフ様の後ろに隠れるように腕にしがみ着きまた服の裾も捕まえて不満顔(見事なふくれっ面)で涙目になって上の二本の手でアレフ様の頭や背中を連打している。絵に描いたようにポカポカと。
アレフ様でも女性の扱いをしくじるんですねえ。
抱き合ったまま呆然と座りこんだ俺たちに気付き。紹介された。
α:「彼女は”戦船”オーム。”帝国”を滅ぼした女神ですよ。本来帝国の前身、星の民は彼女を生み出すための苗床だったんです。そうそう彼女の母親も星読みの巫女だったんですよ。」(以後彼女を ωと表記)
m:「で、アレフおじさまは今度は何をしたの?」
ω:「旦那様が意地悪した。あのゲームは私の負けだったのに手加減した。旦那様が負けるのを見るのはいや。」
α:「だからって勝っても落ち込んで再戦を迫るし、マジでやっても勝てないのはこっちも一緒だって。」
λ:「あら、あなたが勝てないって結構やるじゃない。」
α:「いや聞いてくれよ、ラム姉。こいつ八柱じゃなかった九柱でリンクして掛かってくるんだぜ。それで手加減抜きで引き分けろってどんな無理ゲーだよ。だから、つい姉の得意技を・・・」
ω:「旦那様が卑怯なことするのはもっといや~!!」
さらにスピードが上がった。目視できない速さに・・・
マリア様がかわいそうな物を見るような目が印象的で、一瞬ラーナ様の眉がひくついたのが見えた。
λ:「ああ、娘さん達(従属神)はお元気?」
ω:「みんな現状での状態は良好だけどプールの養生の出来るところが欲しい。」
α:「と言うことであの星はもらうよ。もともと帝国の直系の子孫だしね。僕らの眷属として管理するよ。」
λ:「そこは良いけど、問題はこの子達。一度贄として受け取った以上は返品しないことがルールだし。」
α:「そこで提案なんだがあれの素材に使ってはどうかな。」
m:「ああ、あれね。」
λ:「それは名案ね。」
λ:「そう言うことなので二人には試練を与えます。」
「お待ちください!私はどんな試練でも耐えて見せますからこの方だけは・・・」
「いえ、私こそ何でもしますから(λ:)『お黙りなさい。』(うぐぅ)」
λ:「もう決めたことです。あなたたちはこれより私達の庇護から外れます。」
m:「ごめんねルベル、あなたにはとても辛い仕事になるけど。ふふふふふ・・・」
(声が出ない!こんな事でこの子を苦しませるわけには、お願いですどうかお慈悲を)
(m:)”もうあなたたちに掛ける慈悲はなくってよ”
(そ、そんな・・・)
λ&m「「あなたたちに命じます。」」
『産めよ、育てよ、地に満ちよ。』
・・・・・
「・・・・なんですって?」
「はぁ?」
λ:「あなたたちの血統に神の因子を加えます。つまり未来に於いてあなたたちの子孫の中から新たな神が生誕します。」
m:「あなたたちがやりまくってぼこぼこ産んでくれるほど生まれてくる神の構成要素が増えるわけ。だから子孫の延べ人数が多ければ多いほど強い神になるの。」
λ:「よって二人は新たに生まれるべき神の庇護に入りますが、実際にはまだ何の力もありません。なので後はそちらに預けます。」
α:「確かに承りました。これからは彼等に王族として星を束ねてもらいましょう。うん、それが良い。」
「え?え?」
m:「頑張ってねルベル。さっさと突っ込んでもらいなさいね。とても気持ちが・・・・」
幼い姿の女神の口からは直接的な性描写が吐き出されましたよ。
ああ、この方は少女神ではありますが処女神ではありませんでしたね。竜神の旦那さんが居たのでした。
今はまだ復活して間もないみたいですが言動はもう大人の女性です。
最もこの女神様が成長して大人になったとき、この世界は終焉を迎えると予言されています。
λ:「では頑張りなさい。」
急に床が消える感覚と共にどこかに落ちていく、二人で・・・・
m:「あの方も居たら居たでうっとうしいけど居ないと物足りないのよね。」
λ:「属性上仕方ないでしょう。彼女たちの因子が混じってどの様になるか楽しみね。」
α:「相変わらず可愛そうな扱いだな。」
ω:「我は知らない。どんな奴か?」
α:「愛と美の女神、と言えば聞こえが良いけど、結構偏った感覚と惚れっぽい性格で色々問題を起こしたあげく、引きこもりになって眷属が途絶えてしまった、僕の不詳の妹です。」
誰特の救済話です。本編の余韻が崩れたらごめんなさい。




