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赤い星  作者: lassh-leyline
6/9

番外 2

三日目の話

    御座のメイド隊



「はいはぁ~い。つぎのりょうりおもちしました~ぁ。」

「わぁー頑張ったなー。」「きれー!」「ぱちぱち」

「すごいのよ。東にあったお屋敷は高価な食材やお酒が沢山置いてあってねえ、殆ど手つかずで残ってたの。」

「らしいねぇ、まあ監禁されてた子達も放って逃げるくらいだからよっぽど慌ててたのね。奴隷仲介業者の情報が無かったら忘れられてみんな死んでたとこだぉ。」

「まあおかげで好きな料理が存分に出来るんだけどねえ。」「もっとつくってみんなに差し入れしようよ。そろそろ交代した人たちが帰ってくるし。」「まあ非戦闘員の留守番組はこんな事ぐらいしか出来ないもんね。」


「ただいま帰りました。」

「お帰りなさい。どうでした?」

「避難はもう完了したみたい。残ってるのはもう諦めてる人か私達みたいに行くところのない人ぐらいかな。逃げ遅れや逃げられなくなってる人もあらかた運び出したし、最後の輸送部隊がもうすぐ出発するし。」

「お姉様方は避難しないのですか?まだ十分間に合うでしょ、みんなの脚力なら。」

「何言ってるの、みんな(家族)を置いて逃げるわけ無いでしょ。それにーーーー」







「おや、これはこれは政治局長殿と奥方殿ではありませんか?」

「おや先客が居られましたか。どうやらパーティーの準備中のようですが私達もおよばれさせてもらってもよろしいですかな。」

「ええどーぞ。これは教皇殿の住人の慰安旅行の代わりでしてな。今年はもう出来そうに無いので、残った者たちで無礼講と言うことになりましてなあ。まあお客様も自由参加と言うことになっております。」

「それは良い時にきましたわ。じつは私達は今日結婚五十年になりますのよ。それで思い出の場所を回ろうって思い立ちましてねえ。まずは初めて出会った思いでの場所に来たのよ。」

「そういえばあの時も本殿の星見の間でパーティーが有ったんだっけな。」

「ええ、私が悪酔いしてテラスに出たところを・・・」

「「「「それでそれで?」」」」

 いつの間にやら年若いメイド達が取り囲んで興味津々といった感じ。

「つづきはパーティーが始まってからゆっくりするとして、他にもお客様がいらっしゃったみたいですから早く支度を終わらしてきなさい。」

「はい。では失礼します。」

 一瞬で整列し代表の言葉に合わせ一礼し、仕事に戻っていく。

「ねえ執事長さん、あなたもだけど何故あの子達は避難しないの?」

「まああまり楽しい話でも無いのですが、ここに居るのは天涯孤独のもの達ばかりで、他に行く当てが無いのです。言うなれば彼等同士が姉で有り母で有り妹なのです。本来なら私めも一人寂しく最後の時を迎えるつもりで有りましたが、皆が父様父様と慕ってくれましてなあ。ならば皆で家族のまねごとでもと、このパーティーと相成りましたわ。」

「まあ、それはよございましたわ。うちの人も放っておいたら執務室でもう意味の無い書類に埋まってそのまま・・・となっていたでしょう。私から言わないと本当に仕事の事しか頭に無いから。住民の中にはこの人や私達も含まれているはずなのに、いつも後回し。トップになれば少しは余裕が出来ると思えばいつまでたってもほったらかしでしたわ。」

 くどくどくど。

なるほど(これは放置)、なるほど(しすぎですな。)。」

あー(つい忙しさに)ごほん!(かまけてな)

「奥様、お茶の用意が出来ました。こちらでご一緒しませんか?」

「あら、そうね私もいただきますわ。」


「しかし彼女たちをこのままにしておくのも可愛そうなのだがなあ。」

「残念なことに彼女たちには戸籍が無いんですよ。」「どういうことだ?」

「御座のメイドの一部ですが、どこからか代々のメイド長が連れてくるのです。私も先代からこの事は他言してはならないと言われたんですがね。かなり不穏な背景が有るようです。」

「身元が分からなければ普通の待避壕に入れてもらえんと言うことか。」

「選抜に選ばれた物も多く居たようですが、自分たちのような存在は次の時代に残してはいけないと逃げてきましたよ。」

 どうやって帰ってきたのやら。

「それでもあなたは私達を人として扱ってくださいました。ただの道具である私達を。」

「む、いつのまに?」

 二人の背後からメイドの一人が声を掛ける。

「本来ならこの場でお二人を処分しなければならないのですが、三日前にメイド長から全てのお役を解除するとの達しが有りました。今の私達には御座のメイド以外の顔は無くなってしまいました。育成組織はすでに今のメイド長に壊滅されて残っていませんし、その時行き場の無い()はここに配備されました。私達にとってメイド長は母さまであり執事長は父さまで、御館様はお爺さまなのです。」

「嬉しいことを言ってくれる。」

「そう言えばメイド長の姿が無いが、選抜されて行ったのか?」

「いえ、最愛の方の元へと向かわれました。」

「ほう、とうとう決意したのか。」

「それはどなたかな?」

「その辺りはあちらでみんなと一緒にお話ししませんか?奥様もお待ちですし、局長とのなれそめとかと一緒にねぇ、ふふふ・・・」

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