双葉の瞳
掲載日:2026/02/14
羽根付の小さな瞳 チラチラ揺れて春を待っている
楓の梢から
スケルトンの羽根付の種
双葉のカタチでプロペラ拡げて風を待っている
冬枯れの野には立春の日差し
あたためられた土根からの陽水
茂み深くスズメ達の噴水が湧き上がる空へ
喉元の微かな心肺
虫の声もチラチラと瞬きだす日暮れ
種子の瞳に双葉の羽根をつけて
枯れながら透きとおる葉脈の不確かさに少し震えて
楓の指先からチラチラ揺れて春を待っている
梢を流れ行く沫雪を冷たいままの花のようだとうっとりみていた
冬の想い出なんだ
双葉のままで スケルトン
双葉のままで スケルトン
欠けることなく 欠片となって
羽根は淡い土色 ベージュに透けてゆく
小さな種ふたつ チラチラ揺れて春を持つ
月灯りに瞬く沫雪の花に憧れた
瞼が透きとおるの羽根を持つように
双葉のままで 見る夢よ
土根から立ちのぼる春の陽炎
トンボとなって光の中を飛んでゆく




