【プロットタイプ】望まない罪悪感を君に
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
瑠衣ってさぁ、望むものを最悪な形で提供することがあるんですよ。
感情は分かっているけれど、少しズレてる。本当、神様みたい。
神様って人と心の形が違うから、滅茶苦茶細かく具体的に伝えないと、ちょっとズレた物を下賜なさる。
「瑠衣たん、今日は絶好の行楽日和ですよ!! 鏡花ちゃんと一緒に出掛けましょう!!」
そう言われ、視線を相手の方に向けた。変わらず無邪気な顔で、俺の手を握って離そうとはしなかった。
祝日を含んだ土日休みの翌週というのは人が少ない。というのは鏡花の持論てをある。確かに有名ところのショッピングモールや、アーケード、行楽地に至るまで人が少ない。通常の半数の人々しか居ない。
――皆、連休中に出掛けて、節約考えたり、休みたかったり、兎に角、翌週は休憩の週なんだよ。
そんな事を言いながら、連れ添う必要もないのに腕にしがみついて来る。人が少ない分、逸れる事も、密着する必要もないと思うのだが。
そうしてアーケード内を歩いていると、カプセルトイ専用売り場があった。興味を引かれたのか、俺の腕を引っ張って、ずんずんと進んで行く。
「瑠衣たんは欲しいものとかない?」
「別に」
「その癖、めちゃ探してんじゃん」
俺が欲しいカプセルフィギュアは廃盤となっている。今更何処を探しても見付かる事はない。それでも探してしまうのは、人の性なのかも知れない。
鏡花は目的があるのか、延々と視線を走らせている。見付からなければ、次の島。見つからなければ次の島、という様に、彷徨い歩く。
そうして目当ての物が見つかったのか、ある時突然足を止めた。視線の先には精巧に出来たミニチュア。喫茶店で提供される品々が元となっているせいか、クリームソーダや珈琲、プリンなどがメインとなっていた。
膝を折ると、財布を出して、硬貨を入れる。ハンドルを回して数秒後、出てきたカプセルを確認する事なく、俺に押し付ける。
「あげる」
「……」
鏡花の行動を振り返る。どう考えても俺に何かを与える為に行動していた訳ではない。明確な目標があり、探していた。では何故。
鏡花は項垂れて、落ち着きなく脚や腕を動かす。何かを隠したがっているのは明白だった。
「なんて言うかな。腹癒せだよ。腹癒せ。だからなんて言うかな、君は私に対して怒って良いんだ」
「不快感を与えられていないのに、ブチギレる程俺は終わってない」
何時もは明確な『からかい』があって絡んで来るだろうに、今は其れがない。ただ本当に何の打算もない行動だと感じている。しかし鏡花は今回したボックスの上を指し、重たく口を開いた。
「……本当はさ、ミニキャラのマスコットが欲しくて、でも売り切れていたから、だから……腹癒せだよ」
言われた通り、ハンドルの上には紙が貼られ、ハンドルが握れ無いようになっている。売り切れ、というのは嘘ではなく事実。それでも上手く飲み込めない。
その感情がどうやら顔に出ていたらしい。沈黙に耐えられなくなった鏡花が、またおずおずと口を開いた。
「あーもう!! 分かった全部言います!! お友達に会いたくて、遊ぶきっかけとなりそうな物を探していたの。其れがこれ。ミニキャラマスコット。『向こうではどれだけ探してもない』って言ってたから!! でも売り切れてたから、引けなかったから、悔しくてこれ引いたの」
そう言うと、売り場の端の方まで俺を連れて行き、肩に自分の頭部を押し付けた。甘える様に、縋る様に。
本当はそうしたい相手は俺ではなかったのだろう。こうして空いたショッピングモールを歩いたり、カプセルトイ売り場で物を探したり、引いた物を押し付けたりするのは。
だからおれが言えるのは、ただこれだけだった。
「大事にするよ」
「うー……」
「こうした方が、お前の望む形だろ」
ただ叱られるという事さえ放棄され、罪悪感に浸りたいという。
下を読むとガールラブっぽくなります。
とあるゲームのキャラなんですが、普段ビジネスメインで活動しているから、人と仲良くなる方法が『プレゼントをいっぱい贈る』なんですよ。
いやね、家族が早いうちに亡くなってて、其れからもうただ運の良さだけで生き残ってて、自己肯定感爆下げ状態だからこそ、そうだとも言えますが……。
言い方は宜しくないんですが、ホストとかキャバ嬢の方々にやたら滅多に貢いだり、お金落とすのに似てます。
人との交流方法が分からない人って、損得勘定で『自分はこれだけの物を相手に提示できる』というのを示しがちなんです。
ただ『一緒に遊ぼーよー』というのではなく、『〇〇買ってあげるから、一緒に行こう』とか、『自分が入ればこれだけの得をさせてあげられる』とか、そう言う言い方する。
鏡花ってさ、自己肯定感低いから、そう言うところが見え隠れする。
『相手に何かしてあげないと、こっち向いてくれない』なんてどっかで思ってる。
だからきっかけとして、相手が手に入らない物を提示するから、『一緒に遊ぼうよ』『話そうよ』というモードに入ってる。
瑠衣と恋人っぽいことするのも好きだし、実際してるけど、今の気分的にその友達とそう言う事がしたかった。
でも前に居るのは瑠衣。つまり、瑠衣をお友達に重ねていたんですよ。
その罪悪感から『怒っても良いんだよ』と言ってるんです。君に失礼なことしてるから、怒って良いって。
引っぱたかれて、清算したいんですよ。
でも瑠衣って賢いからさ、叱らない事で、怒らない事で、罪悪感を増長させてるんです。
その方が辛いって分かってる。罪悪感が増幅して、もどかしいって分かってる。
『お前は罪悪感に浸りたいんだろ。じゃあ叱る事や、怒る事よりも、其れを許される方がしんどいだろ。
苦しい罰が欲しいんだろ?』
其れが最後の問いかけ。
優しいし、善意から来るものだけど、ナチュラルにえげつないことするよね。瑠衣ってさ。