あとがき
みなさん、ご無沙汰しております。蒼い朝顔と書いて蒼蕣です。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。『ピースメイカー』いかがでしたでしょうか。
相変わらず作者が救われず、後味が悪いと思っている方もいると思いますが、私は基本的に爽快感がなく、もやもやするバッドエンドが好みです。
お察しの方もいるかもしれませんが、この作品は星新一氏の『生活維持省』から着想を得ました。私は実際に読みましたが、ショートアニメとしてネットに上げられているので、よかったらご覧ください。人が死にづらくなった世の中で資源不足に陥らないために人為的に人を排除し、人口を制限する。根本的な設定は同じです。そこから、自分なりの想像と主人公の性格などの設定を織り交ぜて、話を長引かせました。
意識したのはやはり主人公の葛藤。ちょっとくどいくらいに自問自答を繰り返していましたね。書いている時は無我夢中でそんなこと思ってもいませんでしたが、自分で読み返してみると優柔不断すぎるだろ、と呆れました。
これは前作の『異人』と同時期に書きました。なので残念なことにこれを書いたのがもう三年も前なので、どういう思いでこれを書いたのか、もうほとんど覚えていません。ただ言えることとしましては、人口管理班の名前はいつも通り戦国武将にしております。関東担当の井伊、佐竹、原、馬場、小島。近畿担当の赤井と籾井。中部の柴田、森、佐久間。中国・四国の長宗我部と十河。東北の片倉。そして九州の島津と立花。全員戦国武将です。
前に尋ねたかと思いますが、彼らの共通点はなんだと思いますか。正解は全員に「鬼」の異名がついていることでした。彼ら以外にも鬼左近や鬼半蔵、鬼真壁いますが、まあ選抜ということで。人口管理班は「死神」と呼ばれていますが、私の知る限り戦国時代にそんな大層な異名を持つ人を存じ上げないので、一番近いところで「鬼」かなと思った次第です。各地方一人は欲しいなと思っていましたが、中国地方が一人もいなかったので、中国・四国は一括りにさせていただきました。もし中国地方にもいると思った方、どうも申し訳ありませんでした。私の知識不足です。東北地方も誰もいないかと思って調べていたら片倉重長がいました。「鬼の小次郎」は存じ上げませんでした。人口管理班を束ねる役目はやはり鬼道雪こと立花道雪が妥当かなと思いました。
ちなみに原や馬場は甲斐武田家臣、小島は越後長尾家臣、井伊は三河徳川家臣でどれも関東地方ではない、というご指摘があると思います。はい。おっしゃる通りです。単純に関東地方の人手不足です。一番身近な関東地方を舞台にしたかったので、関東の人間が複数人必要でした。しかし私が思いついたのは鬼義重ただ一人。鬼真壁に関しましては何故か選びませんでした。私の『信長の野望』知識によれば、性格的に小島警部補の代わりになったかと思います。素性を加味すれば佐竹を慕い、主人公の井伊のちょっと先輩的な役割になったかもしれませんが…真壁氏幹ファンのみなさん、申し訳ありません。そこで中部地方の東側も関東とさせていただきました。「鬼」のつく武将、中部地方に集まりすぎではありませんか。いえ、そもそも戦国史が三英傑を中心に語られているので、当然といえば当然でしょうか。主人公の井伊の赤鬼は徳川家臣ですが、出身は遠江、現在の静岡県なので、この作品では関東扱いですね。
彼を主人公に選んだのは、単純に生まれたのが一番遅かったから。関東人口管理班の刑事達の階級は一応年齢順としています。原警部、こと原虎胤の死去と言い直政の生誕は大体同じ時期です。ルールにいざとなったら背く、それまでの伝統的なルールに縛られることなく、改変したいと所望し、実際に行動に移せるのはやはり若者ではないでしょうか。
この作品に関しましては語ることはこれぐらいかなと思います。やはり前作の『異人』と同様に話す内容が戦国づくしですね。戦国時代に興味のない方々、申し訳ありません。基本的な設定は『生活維持省』をご覧いただければ分かると思いますので、これらの説明は潔く放棄します。説明下手な私が語ってしまうと作品の魅力が半減、いえ激減してしまいそうで怖気付いています。星新一氏の顔に泥を塗ってしまいかねないです。
ところで私がこちらのサイトにお世話になり始めてもうすぐ五年です。時が過ぎるのは早いですね。当時高校二年生だった私は今や大学を卒業しています。自分としてはここまで長期間続いた趣味もなかなか珍しいです。年々読者数が増えていき、嬉しい限りです。いかがですか、執筆を始めるようになったのは中二の時ですが、その時書いた『瞳に映る未来』から、私は成長しているでしょうか。最初こそ自分の書きたいものをとりあえず書いて見せびらかすという利己的な動機から、今は読者の皆様に伝えたいことがあり、それをわかりやすく伝えるための物語を自分なりにしっかりと時間をかけて考えて提供しています。小説家の皆さんには遠く及ばないと思いますが、物書きの端くれを名乗れるぐらいには板に付いてきたかなと最近思うようになりました。不遜でしょうか。いけませんね、身の程を弁えないと。そもそも書籍化もしてないので、趣味で物語を書いているただの思い上がりでしょうね。
何はともあれ私の駄文を読んでくれた皆様に今一度お礼申し上げます。本当にありがとうございました。毎週読んでくれている人がいるというだけで励みになります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
というわけで再来週から『新・創世記』の投稿を開始します。前にも話したかと思いますが、この作品は三年生の夏と四年生の夏の約八ヶ月という歳月を掛けて作り上げた長編になります。投稿完遂まではざっくり計算で四年ぐらいかかると思います。みなさんの期待を裏切りたくはないのですが、自分の中では大学生活の集大成と呼ぶにふさわしいと会心の作だと思っています。それをいよいよ投稿できるということで私は楽しみです。
以前にも話しました通り、この作品は私の悪の思想をふんだんに盛り込んでおりますので、一言で言って教育に悪いです。私の考え・観点に感化されて、社会に絶望してもらっては困りますので、年齢制限を設けさせていただきます。既に堅固な価値観を持ち合わせ、多少のことでは揺るがない読者の皆様にはぜひ楽しんでいただければと思っております。それでは次の作品でお会いしましょう。




