9話 お姉ちゃん
俺は姉を守ろうと誓った後、これからのことなどいろいろなことを話していた。
「お、お姉ちゃん………」
やばい、お姉ちゃんって呼ぶの恥ずかしいな!? いや、俺の今の年齢は五歳………これは普通のことだな、うん。
それに、なんか「お姉ちゃん」と呼ぶのは仲のいい兄弟みたいでなんかいいな。
少しの恥ずかしさを覚えつつ、家族っていいなと改めて思って胸があったかくなった。
「今日は忙しそうだったけど何をしてたの?」
そう、俺が聞きたかったのはこれもある。 お父様はお姉ちゃんにどこまでのことをしてくれるのかがいまいちわからない。
お父様のことだ何もしないってことはないだろうが………
「今日は医者が私の部屋にきて診察してくれたわ、医者のひとは私の病気が治っていてとても驚いていたわね」
「治った理由は聞かれた?」
「聞かれたけど、わかりません、朝起きたら突然とか当たり障りのないことを言っておいたわ」
「ありがとうお姉ちゃん、これからもなんで治ったか聞かれたら当たり障りのないことを言っておいてね」
お姉ちゃんは急に真面目な顔で念を押すように
「クリス、絶対に天使と契約していることを私以外に言っては駄目よ。 私も本で読んだんだけど、天使と契約した人はみんなとても強い力を持っているわ、でもそのことがばれたら国に使いつぶされるわ、天使は魔族にとても強いのよ。 だからわかってるとは思っているけど誰にも絶対に言っちゃだめよ」
誰にも言わない方がいいとは思っていたけどまさかそこまで悪いことになるなんて………絶対に誰にも言わないでおこう
「わかったよ、お姉ちゃん! 心配してくれてありがとね」
「当然じゃない!だってクリスは私のかわいい弟なんだから」
この言葉を聞いて顔が熱くなった。
俺は照れているのを隠すように
「そ、そういえばお姉ちゃんはどこまで動けるようになったの?」
「普通に歩けるくらいまで回復しているわ、クリス本当にありがとね」
そこまで回復していたのか、歩くのは当分無理だと思っていたけどやっぱりラファエルの力はすごいな!
「いいよ、お姉ちゃんのためだもん」
「ふふっ、ありがとね」
「でもしばらくは安静にしておいてね心配だから、またお姉ちゃんの部屋に来ていい?」
「もちろんよ、いつでも来てね」
お姉ちゃんは笑顔で言った。
「お姉ちゃん、あと一つ疑問に思っていることを聞いていい?」
俺は疑問に思っていたことを聞くことにした。
「もちろんよ、どうしたの?」
お姉ちゃんは何でも質問していいよという雰囲気で俺の言葉を聞いてくれた。
「僕のことをクリスって………」
するとお姉ちゃんは満面の笑みで
「クリストフだからクリス! もしかして嫌だった?」
不安そうに聞いて来る。
それを聞いて俺は必死に
「ううん、むしろうれしいよ、ありがとうお姉ちゃん」
俺はうれしかったんだ、お姉ちゃんが俺のことを愛称で呼んでくれて。
「それはよかったわ、クリス」
お姉ちゃんは嬉しそうに言った。
「それじゃあまた来るね、お休みお姉ちゃん」
「お休みなさい、クリス」
そうして俺はお姉ちゃんと別れた。