死神、アリス 再び
徒歩、5分くらいで千坂の通う学校についた。
その間も他愛ないおしゃべりを千坂と優奈さんは離し続けている。
「ちょっと、あんた本当にあたしに憑いてくるつもりなの?」
小声で話しかけられる。
憑いてくるもなにも、僕自身どうしようもないことだ。
その通りだと答えようと思ったその瞬間、別の声が聞こえる。
『主様。聞こえますか?』
なんとアリスの声が聞こえた。
一晩しかあっていないのに懐かしく感じる。
『アリス、どうしたの』
『はい。お伝えしたいことがありますので、少々時間をもらえますか?』
時間はもちろん問題ない。
ただ、念のために千坂には断ってから戻った方がいいだろう。
『えっと、とりあえずは黙っておくね』
「そっ、しゃべらなくていいから」
素っ気ない態度に少し寂しく感じた。
でも、それが普通の反応なのかもしれない。
だいぶプライバシーというものを侵害しているだろう。
『アリス、話をして大丈夫だよ』
『ありがとうございます』
返答するとアリスはすっと地面の下から現れて、昨日と同じ格好で現れた。
…………ん?
『主様。実は、お伝えし忘れたことがございまして』
『うん』
『短時間だったらこうして、この世界に留まる方法はあります』
『そうだろうね!!』
今、目の前で行われていることだった。