終わりゆく人類③
僕はその言葉につられて、最後の方に書いてあることに目を通した。
「…………え?」
そこには思いがけないことが書いてあった。
「驚くのも無理はないわ。あなたにとっては受け入れがたいことだと思うもの」
震える指先が、何度も何度も同じところをなぞり、読み返す。
嘘だ。信じたくない。
そもそも、こんなことがあり得るわけがない。
人類が滅ぶ理由。それは……。
『二回堂真(にかいどう、しん)。ユリス=ノース。ユン・ミルファ。以上三名の、テロにより人類は滅ぶ』
「なんで、僕の名前が……」
二階堂真。僕の名前が載っていた。
ユリス=ノース。ユン・ミルファの2人は知らない。
でも、確かに僕の名前が載っている。
だけど、もしかしたら……。
「念のために言っておくけど、この説明書に載っている名前はあなたの名前よ。同姓同名の別人とかそういうのではないから」
「う、うん」
一瞬にして、その期待は打ち砕かれた。
ということは僕はこれから人類を滅ぶために、3年間何かしようと……。
(あれ? でも、おかしいな)
よくよく考えてみると一つおかしなことに気がつく。
「アリス。1つ聞きたいことがあるんだけど」
「死神を呼び捨てとはいい度胸ね。いいわ。答えてあげる」