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新たなスタート

これから冒険者らしいです、、。


「こちらになります。」


マリアがそう言って一枚のカードを差し出してきた。

何のへんてつもなさそうな、ただのカードのようだったが、説明によるとこれが他の地域に行ったときも身分証明の代わりになるらしい。

手のひら位のサイズのカードに個人情報が入っているらしい。

無くした場合には、一番下のランクからのスタートとなる、ペナルティが設けてあるらしく、なかなかに厳しいものだなと思った


「ありがとうございます!!」


そういって、ケンはカードを受け取った。

これから冒険者としての自分にかなり胸を躍らせワクワクが止まらなかった。

簡単にギルドの決まり事項を説明され、ケンは真剣にそれを聞いていた。

決まり事項のほとんどが、他者を傷つけてしまった場合による罰則であったが、中には死罪になるほどの厳しい罰則もあった。


「以上がギルドの説明となります。お疲れさまでした」

「ありがとうございました。」


手続きもすべて終わり早速、ケンは依頼が張り出されているボードの方に向かった。

そう、ケンは一刻も早く仕事をしなければならないのであった。

なぜなら、街に入る際からずっとエリーに助けてもらった分を返そうと考えていたためである。

さらに、10Gしか所持していないケンは寝泊まりするための金銭には到底足りないからである。

この、浮いた服装も早く何とかしなければ、周囲の視線が痛いのである。


早速仕事をさがしていると、それを見ていたエリーが声をかけてきた。


「あのさ、、ケン、、もしよかったらなんだけど、、私の仕事を手伝わない???」

そういいながら、さらに続けた

「ケンは今日来たばっかりでしょ??だから、宿とかも決まってないよね?見た限りじゃ、冒険者をやっていくための装備も必要みたいだし、、、そうすると、クリアのランクで受けられる依頼だと、一日でそろえるのは、少し厳しそうだとおもうんだよね、、だから、、私とパーティをくんでくれると、シルバーの依頼をできるから、、報酬もいいし、私も助かるし、、いいな、、、とおもったんだけど。どうかな?」


ケンはそう言われ、なるほど正論だ!、、と思いながらも少し悩んでいた。何故なら、ここまでエリーに頼りっぱなしで来ていて、申し訳なさの方が大きかったからである。

確かにエリーの言うとおり、二人で仕事をこなした方が効率がいいのかもしれない。しかし、ケンはまだ、仕事をしたことのない素人で、、逆に更に迷惑をかけてしまうかもしれないからである。

だが、仕事の仕方というものを、、知らないケンにとっては、これは、学ぶ機会を与えてもらっているのと同じことなので、断るのも勿体ない気もする。

そうこう考えて少し悩んでいたケンだったが、エリーの力になってあげることも、恩返しになるのかもしれない。そう思い、エリーとパーティを組んで仕事をすることに決めた。


内心ケンは相当ほっとしていた、この世界の文字がわからないケンにとって、依頼内容がわからなかったら、話にならない。


「お願いしても、いいかな?」

「うん!こっちからお願いしてるんだし!一緒に頑張ろう!!」


そう言ったらエリーはシルバーの依頼で何かいいのはないかとさがしはじめた。



「これなんかどうかな???ゴブリン集落の討伐!!報酬もいいみたいだし。分けても一日分にはなるとおもうよ!」

そう言うと一枚の依頼書をもってきた。何もわからないケンはそれに同意しカウンターへ二人で行き、パーティのとうろくをして、依頼を受理してもらった。


「早速行こう!!」


そういうと、二人はギルドを後にして仕事に向かった。

依頼書によると、街を出て少し東に向かった所に林があり、その奥地に20~30体のゴブリンが集落を作ってしまい周囲の村が襲われ被害にあっているといったものであった。

ケンは、ファンタジーの定番である魔物の存在で俄然やる気にみちていた。


街を出て街道を歩いている道中はエリーとの会話の時間になっていた。

会話といっても、ほとんどがエリーからの質問で、それにケンが答えているかんじであった。

「アッ!!!!ケンの装備ないじゃん!!」

そういうと、少し落ち込んだ様子で

「気づかなくて、、ごめんなさい」

あやまってきた。


そんなに、あやまらなくても、、とも思いながら。

「だいじょうぶですよ??」

よ言い優しく微笑むケンだった。

ケンには格闘スキルがあったためさほど武器の有無を気にしていなかった。


だが、一般の冒険者の中でも、格闘によって魔物を圧倒出来る者が少ないことを知っていたエリーは。

「なるべく、私が頑張るから、ケンはサポートに回って!!」

と、鼻息荒く意気込んでいた。

「わかったよ!」

そう返事をするケンであったが、内心はそう思っていなかった。

ケンにとっては、初めての実戦でもあるから、出来ればがんがんとスキルを試していきたかったからである。


そうこうしているうちに、目的の林が見えてきた。

ケンには見覚えのある林だった、そう、転生してきた最初の林だった。

(あーここだったのか)

そう思いながら

「じゃあ、いくよー!」

そういって、林の中の獣道を入っていくのであった。



林の中では、薄く木漏れ日が差し込み、風が木々を揺らす音、小動物であるだろう鳴き声がポツリポツリと聞こえて来るのであった。

ケンが転生してきた場所より更に深く、林から森と呼べるような、風景に変わってきたころ、エリーが

「多分もうすこしだとおもう、、、から、警戒しながらいこ!」

そう言うと、何時でも戦闘に入れるようにだろう、腰に差していた短剣を抜いて進みだした。

更にしばらく歩いた頃、森の奥から物音がしだした。


更にエリーが慎重にゆっくりと物音に近づいていく。

森が一部切り開かれていて、そこには、ファンタジーの定番魔物であるゴブリンが複数みてとれた。

ケン、エリーは、姿勢を低くして、茂みの隙間からようすを伺っていた。


「ケン、、おかしいよ、、撤退しよう、、、。」


そう言ったエリーは少し焦ったような顔で話しかけてきた。

エリーが何故そう言ってきたのかケンはすぐに理解できていた。それは、群れの規模が依頼書の内容と、はるかにちがっていた、ザっと見積もっても50~60はゆうにこえている。

もしかしたら、100体を超えているかもしれない、そんな数だった。


エリーは

「この量のゴブリンと戦うのはまず無理!50体でもギリギリだと思う。なんで、、こんなに、、引き返してギルドに報告しないと大変な事になるよ!!」



そう言うと、ゆっくりと後ずさりしてこの場を離れようとした。

が、しかし、それはかなわなかった、、。



すぐ後ろで物音がし、二人が慌てて振り向くと、、ゴブリンが3体こちらに気づいた様子で立っていた。

「キャぁあああ!!」

エリーは悲鳴を上げると、その場に腰を抜かしてしまった。

三体のゴブリンの手には、それぞれこん棒のようなものが握られており、ケンは静かに緊張が高まっていくのを感じた。

(なんとかしないと!!)

そう思ったケンは、エリーに静かに耳打ちをした。

「大丈夫か??立てるか?立てるなら二手に分かれて逃げるぞ!僕が先に奴らを引き付けながらここから引き離す!!そのすきに、エリーは街道まで逃げろ!!!僕は武器を持っていないから、ゴブリンたちは、迷わず僕の方に来ると思う。そのすきに行くんだ。」

「でも!!!!!!ケンはっ、、、、」

「いいから!!!いくぞ!!!」


そう言うとケンは、声を上げ集落のゴブリンとそばにいた3体のゴブリンの注意をひきつけた。

「こっちだ!!こい!!!」

ゴブリンの注目を浴びるとそう言い放ちその場から急いで近くの開けた場所に走っていった!!


その様子を声を潜め、、泣きながら見ていたエリーは、、心の中でなんかいもケンに謝罪していた、、。

「行かなきゃ。」

そうエリーは呟くと、周囲からゴブリンがいなくなったことを確認して、街道のほうへ、全力で走っていた。

(はやく!!!!早く助けを呼ばなきゃ!!!けんが、、、、)

そう思いながらはしっていくエリーだった。



ケンはしばらく走り、エリーとの距離が安全なものと確認したのち、ゴブリンの集落で足を止めた。

ケンは、、逃げるつもりはなかったのである。

ゴブリンの大群がケンと対峙していた。

(さあ、、どこまでやれるんだろうか、、)

そう思いながら、はじめてのゴブリンに恐怖を感じつつも、構えをとった。


先頭にいたゴブリンがこん棒でケンに殴り掛かった!!!!


刹那、ケンは、不思議な感覚に包まれたのだった。

ゴブリンのに対し遥かに強者であるケンには、その瞬間がまるでスローモーションのように感じた。

ゴブリンの動きをしっかりと確認し攻撃をよけたケンは、がら空きになっていたゴブリンの脇腹に向かって、思い切りコブシを振りぬいた。

よけることなんか出来ないゴブリンはその攻撃を受けると同時にはるか離れた木々にまで吹き飛んだ

(よし!!いける!!!)


ケンは、そう確信し一呼吸おいてゴブリンの群れに突っ込んでいった!

ゴブリンもそれに合わせたかのように、ケンに向かっておしよせてきた、、、、。

戦うみたいです、、。かんがえます。

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