冒険者としての...
ギルドに行くみたいです。
ケンは意気揚々と街を見上げ、感動に打ち震えていたのであった。
それもそうだ
前世の趣味がアニメという、少しオタクよりの人種だったため、アニメやゲーム、漫画などとおなじような景色、街並みの中に今、その身を置いているのだから。
前世では30歳という年齢であったが。それでも、中世を彷彿とされるこのファンタジーアニメの様な世界観には、興奮を隠しきれない。
ひとしきり街並み、景色を見渡した後に。
(とりあえず冒険者になりたいから、ギルド、組合、みたいなものがあるのかな?)
そう思いながら、それを探すために街の中の方へ足をすすめていた。
そこで段々と気になるものが1つあった。
(何か、、周囲の視線がキツイなー)
そう。まだ、この世界にやってきたばかりのケンにとって、前世におけるスーツ姿というのは、かなり、このファンタジー世界からすると、浮いている。
さすがにこのままではいけないと思うケンであったが。所持金が10Gしかないという、どうしようもない事実が、さらに頭を悩ませているのであった。
(ギルドや組合いってもドン引きされるかなー、、、入れてもらえない何て事もあるのかな?)
そうこう考えながら街の中にあしを進めていくケンに
「あーーーー!!!いたいた!!」
突然前の方からそう言いながら手をブンブンと振り走って来る女性の姿がある。
エリーである。
だがケンは、エリーが手を振っている相手が自分に対してなのかを決めかねていたので、、こちらから手を振り返すことはなかった。
エリーがケンの隣まできて少し息切れまじりにケンに向かって話し出した
「えへへーーー。やっと見つけたよ!」
明るさを全開にしてエリーはそう言うと。さらに続けた。
「あのさー、キミ!どっからきたの??ここら辺の人じゃないよね??服装が大分違うし、、、。」
そういうとエリーは、上から下までケンを見回していた。
ケンは、
(これは、、、どう答えるべきなのか。正直に全部答えていいのか??自分以外にこんな境遇の人はいるのだろうか。はたして。真実を教えたとして、エリーがそれを信じてくれるのだろうか。)
いろいろと悩んだ末にケンが出した答えが
「あのー、、実は、遥か西の小さな村からやってきてまして、、その、、仕事をさがしに、、、」
何ともパッとしない回答であった。
だが、ケンにとっては、できる限りのウソでありふんわりと、何の情報も落とさない回答であった。
「なるほど!だからお金がなかったんだね!!仕事かーーー、、、、商人とか??」
「いえ、、、、、冒険者になれないかな、、、と思いまして。」
少しビックリした顔をしたエリーだったがすぐに、元の笑顔に戻り。
「本当に??うーーーーーん。何かポくないけど、、」
そう言いながらまたケンを見回していた。
「あのー、、冒険者って、、誰でもなれるんですか??」
そう尋ねると。
「なれるよ!!!私も冒険者だしね!!!」
そういうとエリーは続けた
「冒険者になるには、冒険者ギルドに登録が必要なんだけど、、、もう登録したの??」
「いえ、、今から行こうとしてまして、、その、、ギルドを探していたんですよ。」
「そっか!!!なら、案内してあげるから一緒に行こう!!」
「え????いいんですか?ありがたいのですが、、」
「いいよーこの後何も予定ないし!キミを探していたからね!!それじゃ、行こうか!!」
そう言ってエリーは、ケンの手を引っ張りながら相変わらずの笑顔で歩いて行った。
それに引っ張られるようについていくケンは。
(何て、、いい子なんだ、、でも頼ってばっかじゃだめだよな、、)
そう、ありがたいがモヤモヤする、少し恥ずかしさの混じったような感情だった。
しばらく歩いていると。
「ついたよー!!ここでーす!!」
そう言うと三角の屋根が特徴的なレンガ作りの中々立派な建物のまえにとまった。
(ここが、、、ギルド。。)
そう思いながら少し緊張していく自分がはっきりとわかった。好奇心もかなり高く。
(早く、、中に)
所々湧いてくる、その感情に抵抗しながらたてものを眺めていた。
「緊張しなくて大丈夫!!さ、、いこっ!!!」
そう言って前を歩くエリーについて、ギルドの扉を開いた。
{ギいいいいい.....}
中に入るとケンは、、すでに好奇心の塊と化していた。
中には40~50人の人でガヤガヤと多種多様な話をしていた。
張り紙を張る大きなボードが正面にあり、それがすぐに依頼を張り出すための物だとわかった。
左手にはバーカウンターのような、簡単な飲食が出来るような設備もある。
右手には受付らしいカウンターがありその中に受付嬢らしきひともいた。
(まさに、、、ってかんじだな)
そう思ってキョロキョロと周りを見渡していると。
「さっ!受付で登録しよ!!」
「そうだね!!!」
そうエリーと会話すると、受付のほうに向かっていった。
「マリアさん!!新規登録お願いします!」
そう受付に話しかけるとかなり美形な20代後半ぐらいの女性がこちらに近づいてきた。
「あら!エリーちゃん!そのひとは、、、??」
「さっき知り合ったんだ!!!冒険者になりたいみたいだから、つれてきたんだよ!」
「そうだったの!こんにちは!冒険者ギルドにようこそ!」
そう言うとこちらに、にこっと笑った。
「あの、、冒険者になりたいのですが、、」
「かしこまりました。身分証はございますか?それと冒険者になるには簡単な適性検査がございます。そちらを受けて頂いてクリアされましたら、冒険者になることが可能となります」
「適性検査があるんですか、、、?」
そう言って不安な顔つきになるケンであったが、すぐにマリアが
「そこまで心配なさらなくても大丈夫ですよ!簡単な、個人情報を読み取るスキャナーで、ステータス情報を見るだけですから。心配しなくて大丈夫だとおもいますよ?」
少しホッとしたケンであったが、、すぐにハッとして
(ステータス情報みられるの??)
と考えた。すぐにケンは、
「すいません、一般的な人のステータスの平均数値って教えてもらえたりできますか?」
「ええ、かまいませんよ?」
そう言うとマリアは一枚の用紙を差し出した
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AGE 15
LV 8~10
ATK 50~100
DEF 50~100
HP 100~200
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サッと目を通して、ケンはすぐに顔が青ざめていった、、
(やばすぎるくらいのチートじゃないか、、俺、、??)
そう思って、ステータスがバレたら大変な事になるかもしれない不安がこみあげていた。
「あの、、、これが平均なんですよね??」
「はいそうです!ですが、平均に届いていなくても、冒険者になれないわけではないので、ご安心ください」
そう言うとニコっと笑ってこちらを見るマリアに対し、何とも言えない笑顔を返すので一杯であった。
しかし、悩んでもどうすることも出来ないのも事実であるため、、徐々に、腹を括るしかないとおもいはじめていたケンに対しマリアが。
「では、スキャナーをお持ちしますので少々お待ちください!」
そう言うと、奥の方にマリアが言ってしまいケンとエリーは近くの長いすに腰掛けた。
けんは、エリーに。
「エリーの数値はどれくらいあるの?」
と聞いてみた。
「本当は教えちゃダメなんだけど、、、ATKは500ぐらいあるよ!!すごいだろー!!!他は教えられない!!!」
そう言うと自信満々な感じでこちらに胸をはっていた。
聞けばエリーはシルバーランクの冒険者で、上から三番目らしい。指を指して教えてくれるエリーの方を見ると、プラチナが1番上で続いてゴールド、シルバー、ブロンズ、クリア、となっていた。
(なるほど、、わかりやすいな、、)
と思いながらも。自分のステータスに対する不安が、だんだんとまた大きくなっていた。
「お待たせしました!こちらになります!スキャナーに手を乗せて下さい!」
そう言うと、四角い、少しだけ機械チックな小型のプリンターのようなものをマリアが差し出した。
(もう!どうにでもなれ!)
そう思ってケンはスキャナーに手をのせた。
<ブーーーー、、、ン>
スキャナーが読み取りを開始した。
次回はどうなるんだろーか、、
頑張って考えます。