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虚無の地平線  作者: 白雪銀髪
序章-地平線の彼方から-教師編
8/16

6-1 物語を進める鍵は、転生

~あらすじ~

ルカの才能についての処遇が決まり、一段落ついたが

部屋で目覚めたルカが口にした言葉の意味とは...

【転生】


一度死んだ者が別の世界で生を受けること


まったく違う世界で、自分だけの力を持ち、果てには勇者になれるような

夢物語に語られた概念、それが転生


もしその夢が、現実になったら?


人によっては、新たな人生として、物語の歯車を回す鍵となるだろう


【僕】にとっても

【私】にとっても


それは例外じゃない


一つの物語が、始まる


【希望】と

【理不尽】の


鍵だったんだなって


結局、遠い地平線に浮かぶ、夢だったんだなって、思うんだ

>>>

やってしまった...


俺は様々な場所へ旅をしてきた関係上、盗賊や魔術師と戦うこともざらでは無かった

時に

危険地帯の案内人として雇ったやつが、盗賊だったとか

今まで信頼していた仲間が、悪霊に憑りつかれていた

なんて事もあった

その経験から、人を【疑う】技術を身に付けていた


今回、ルカに【疑問】を抱いたのは


「自分自身の経験」


たかが五年生きてきた子供が語れる言葉では無かった


薄々思ってた

だって妙に論理立てて喋る子供だなって...


極めつけの


「...あ」


しまった、という言葉が良く似合う顔

疑問が確信に変わった


ルカには何か悪いものが憑りついてるのだ、と


それを確かめるべく、

気絶させ

縛り上げ

自白させる

何時もの手順をで事を進めた


さすがに気絶はやりすぎだったか...


その気持ちもあって、縛り上げるのは止めておいた

>>>

俺はルカを椅子に座らせた


そしてある魔法を発動する

【精神魔法】

干渉魔法に属する、人の精神を操る、災害級の魔法だ

禁忌にも値するこの魔法を何故俺が使えるかは、また別の話だ


これでルカの精神を操り、本性を暴露させる


「...【マインドコントロール】、お前は、誰だ?」


精霊に魔法の発動を働きかける詠唱を一部省略し、魔法を発動させる

共に、命令を促す言葉を、ルカの頭に直接叩き込むように、伝える


少し違和感を感じた


この魔法は精神、所謂魂に働きかける魔法だ

もし悪霊(そうとは限らない)が憑りついていた場合

それは一つの体に2つの魂が宿るという事だ

マインドコントロールを使用する際、その者の魂の大きさや場合には数によって、消費する魔力が違ってくる

違和感の正体は、魔力の消費がちょうど一人分多い事だ


「やはりか...」


つまりはルカには余計な魂が紛れ込んでると言う事だ

この場合、俺は【ルカ】に命令したため、本来であればその余計な【何か】が語ることは無い

だから俺は改めてその【何か】に命令をすることにした


だがそれは、本来であれば、なのだ


「...僕は...------------...」


本来語られる事の無いルカの口から出たのは

聞いた事のない言葉

聞いた事のない言語


俺は目を見開いた


理由は、聞いた事のない言語に対してではない


その後...その【何か】が語ったと思われる言葉

【何か】は、ルカの口を借り、こう言った


「【俺】は...異世界からの転生者だ...」


一瞬目の前が真っ白になった

>>>

年齢:36歳

職業:無職

趣味:読書

家族:いない

種族:人間


ある日、最寄りの本屋で新作のラノベを買って店を出た所

猛スピードで迫ってきた車にはねられ

死んだ

だけど、生き返った

目が覚めた時には、階段の途中でねっころがっていた

...頭から血を流して

その後、メイド長が走って来て、助けられ、怪我を治してもらった

その時母親らしき人物とメイド長が何やら話していた内容から

当時俺、ルカは三歳だったと知った

それが俺が目覚めた時の状況


...それが【何か】の正体だった


正直、信じられなかった

誰もがそう思うに違いない

そう感じるくらいの突拍子の無い話だった

だが、それが真実であることは

誰でもない、精神魔法の発動者である俺が分かっていた


「転生者...か」


転生者は珍しくはあったが、別段存在しないわけでもない

【転生魔法】

干渉魔法や再生魔法において、そういう類の物はある

ただ、そのどれもが、天災級、神話級の魔法なのである


しかし、【異世界転生】何てものは聞いたことが無かった

異世界とはここではまったく別の世界の事を指すのだろう

あまり実感は沸かないが


もし、実行するとしたら

別の世界から、肉体という器から外れた魂を、この世界の、魂を無くした肉体へ入れる

という工程が必要だ

だが、異世界というのは、干渉が出来ないものである

それに干渉するというのは、極めて非現実的だ

膨大な魔力量が...この世界を半分を吹き飛ばせるほどのだ...必要になってくる

あくまでも予想で、本当はそれ以上必要かもしれないが


だが起きているのは事実

現実なのだ


と言う事は、だ


この時点で【ルカ】は死んでいるはずだ

だが、精神魔法使用時の違和感から考えて

【ルカ】と【転生者】の魂が混在しているのである

まるで、2つで初めて1つになったような...


また1つ気づく

こいつの魔力量が常人の倍...得意属性が2つ...

魔力量も魔力生成も関わる所は、魔臓、【魂】なのである

もはや驚くことさえ出来なくなってしまった

1つの肉体に魂が2つ存在しているなんて、考えられなかった


俺は頭を抱えた

本当に、どうすればいいか、と

異世界、魂の混在、転生者

何度も驚かされてはもはや精神が持たない


「...そろそろ魔法を持続出来なくなってきたな...詳しいことは、【こいつ】自身から話させる事にしよう」


そうして、俺は落ち着くように、自分の名前を繰り返す

魔法を解く


「...ん...うぅ...いった...」


ルカが起きたのを確認し

俺はルカに

単刀直入に切り開いた


「転生者...全て話して貰おうか」


鬼のような、いや、鬼さえもたじろぐ

恐怖を象徴するような顔で


ルカは

僕は

俺は


潔く語ることにした

【転生魔法】

死者の魂を、別の魂のない死体へと移し、生き返らせる魔法

蘇生魔法の上位版である

種類はあれどその全てが災害級以上に位置する高難度魔術である

使える者も【現在】は一人しか居ない

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