1 無に帰した夢は、地平線
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風が吹き荒れ、一面砂で囲まれたこの世界を、果てなき地平線を見ながら馬車で駆け抜ける...
物語が始まるならこんな感じだろう、実際俺の物語はここから始まる。
俺は下民。今見ている東の地平線に住んでいる、黒髪の下民。
この世界じゃ生まれた地域によって髪が変わるため、下民かそうでないかは隠しようがない。
それゆえ中央都、世界の中心と呼ばれる都じゃ下民はすぐ追い払われてしまう。
だが、そんな俺は王都、中心の中心だ、そこに向かっている。
仕事の依頼だ
なんでも俺にしか頼めない仕事があるとか。
俺は今まで郊外に住み着く魔物を討伐しあるき
南の地平線から北の地平線まで一周して自らの能力を広め歩いた(まったくもって不可抗力なわけだが)。
だがそのおかげで人生の晴れ舞台である中心の都にいけるなら
今までの善行は勿論、盗賊を根絶やしにして殺し回ったことだって無駄じゃなかったんだろう。
今までグレーで染まっていた世界が瞬く間に薔薇色に染まって...
「お客さん、自分語りのとこ悪いんですがね、そろそろつきますよ」
馬車を引く老人が到着を知らせる
「あ、あぁ、悪い...」
邪魔された...
というか俺は喋ってたのか...
「お客さん、紹介状貸してもらえます?」
「そうだな」
俺は老人に紹介状を手渡す
ちゃんと何しにきたか理由を言わないと怪しまれるからだ
今回は正式な理由だから後ろめたいことは無いんだがな
「んじゃ行ってきますが、お客さんすいませんが...」
「分かっている、許可が出るまでは出ない」
「ありがとうございます、それじゃお客さんは横にでもなっててください」
そう言って老人は馬から降りて検問へ向かう
「ああ」
この国の兵士ってのは下民を蔑む傾向にあるらしいな...失敬な、同じ人間だろうが
少し寝よう、これ以上気分が悪くなると仕事の話に支障が出る
俺はそのままゆっくり夢の中へ落ちていく
初投稿となるにあたって皆さん初めまして!白雪銀髪です!銀髪とお呼びください♪
なろうがどんなものか試したくなり自分が今まで考えていた物語を文字に表せたこととても嬉しいです!
これから書きながら成長していくので、最新話まで見てください!
ではこれからもよろしくお願いします!