1話 ー始まりはいつも突然なのですー
初投稿になります。彼らの物語を応援してやってください。
「なぁ……これってなんだと思う??」
俺達三人の前に大きな壁が立ちはだかっていた。
山奥にある俺達の遊び場、高校生にもなっても未だに【秘密基地】なんて呼んでいる場所がある。
恐らくだが俺達三人しか知らない場所。
その場所に入る為には複雑な道を進み、大きな杉の木を超えた一本道の先にあるのだが、俺達は学校終わりに【秘密基地】に遊びに行こうとしたんだが……どうやらたどり着くのは無理そうだ。
いつもある一本道は存在しておらず、巨大な壁が横いっぱいに広がっていた。
「ねぇ、ここって基地に向かう道であっているよね?」
「間違いない……ここは確かに一本道があった場所だ。」
「おい見てみい、何かあそこにあんで」
その呼びかけに俺とヒカリがユウの指差す先を見つめる。
少しだけ壁にヘコんでいる場所の真ん中に石像のような物が見えた。
「あれは、石像?」
「私もそう見える……」
「アキラとヒカリはここで待っといてくれ、俺が見てくるわ」
いつも通りの関西弁で喋るユウは石像の近くまで行き当たり周辺を調べていた。
昔からあいつは好奇心が凄くて、少しでも気になったらすぐに調べたりしたがるような奴だ。
非日常的な出来事に、どうやら凄くテンションが高まっているようにも見える。
「……ふふ、ユウ君は相変わらずだね」
「それでこそあいつって感じだよな」
「おーい二人共来てみ、何かよぉ分からんもの見つけたわ」
ユウが石像の目の前でしゃがみ込んで俺達を呼んでいた。
どうやら石像に何かあったのであろうか? 早く来いと言わんばかりの動作で呼んでいたので、俺達は駆け足でユウの元まで向かった。
「何があったんだ?」
「これや、これ! 石像のとこにボタンみたいなんがあるんやけど」
「まだ、押して無いよね?」
「当たり前や!こんな訳分からんもの簡単に押せるわけないやん」
ユウは好奇心は強いくせに人一倍怖がりの部分があるからな、何か怪しい物は絶対に触らないのは昔からだ。
だが、今回に至ってはユウに限らず大抵の人は迂闊には押せないであろう。
こんなボタンを簡単におせる人のほうが少ないだろうな。
「なぁ、アキラは何のボタンやと思う?」
「そうだな……」
石像についているボタンか、石像の周辺には特に怪しい物は見当たらないな。
だとすると、この石像が動く……もしくは
「この少しだけヘコんだ壁が関係しているかも」
「この壁か、確かにめちゃくちゃ怪しいな」
「ああ、もしかしたら、」
「えい!」
「「え??」」
ポチッと音と同時に地面が揺れだした。これは結構やばいかも。
「おい、ヒカリ何しとるんや!!」
「ごめん! こう言うの見るとつい押したくなっちゃって」
「とりあえず二人共離れるぞ!」
俺達は石像から10メートル位離れることにした。
揺れはなくなっていたが石像付近ではまだ揺れているのだろう。
ここからでも地面の一部が揺れているのが確認できた。
その時大きな音が耳に響いた。それ共に砂ぼこりが俺達を襲った。
「ゴホ、ゴホ、ば...爆発?」
「……みんな無事か?」
「私は平気」
どうやらヘコんでいた部分の壁が爆発したみたいだ。
それにしてもかなりの衝撃だったな。
「とりあえず全員無事でよかった」
「あのまま近くにおったら危なかったでな」
「あはは、二人共ごめんなさい」
「「笑いながら謝るなぁ!!」」
ヒカリの大雑把の性格も昔から何一つ変わってはいなかった。
気になったものは何でもすぐ試したり挑戦したりするのはヒカリの長所でもあり短所でもある。
まぁ、今回は危なかったし、少しでもいいから治ってほしいと思ったね。
「アキラ、ヒカリ。見てみ、さっきの壁に大きな穴が開いてんで」
「本当だ! 奥が暗すぎて見えないけど洞窟かな?」
「先が見えないくらい深い洞窟か……」
怪しい匂いがプンプンしているが、この二人のワクワクしている所を見ると洞窟には入るの確定っぽいです。
よければコメントやブックマーク登録お願いします。
更新は時間があればどんどんしていく予定です。