目を覚ますとそこは
短めですが。
目覚めると、智明はベッドの上だった。
ガバっと起き上がり、周りを見回す。どうやらログハウスのような小屋の中のようだ。
「あれ・・・?俺・・・・あの女の子に触れられて・・・。」
そこからの記憶が無いので、どうやら意識を失っていたようだ。
ひとまず、自分の身体に異常がないことを確認しようと、ベッドから起きようとしたところ、自分の左腕に繋がれたある「モノ」に気づく。
「・・・鎖?え?何これ?俺、ひょっとして監禁されてる?」
左腕とベッドの足をつなぐ太い鎖を見て、智明の頭は混乱を来す。
「え?どういうこと?っていうかまずどこだここ?っていうかあの女何者だよ?
人を拉致監禁するとかどういう事なん?っていうかあの女どこにいんだよ?」
沈着冷静、とまではいかないまでも普段から感情の起伏の少ない智明にしては珍しく、慌てた様子で自問自答を繰り返す。声に出して。
その状態のまま、10分くらいしただろうか。部屋のドアが開く。
「あ、起きた?中々起きないから次元渡りに失敗して廃人にでもなっちゃったかと思って焦ったよー。とりあえずお腹空いてるでしょ?ご飯作るね♪」
「どこから突っ込んで良いかわからんが、とりあえず言わせてもらうわ。アンタ誰よ?」
「うわひっど!最愛の人を目の前にして言うセリフじゃないわね。マジサイテーだわ!ドン引きだわ!」
「いやいやいやいや、それこっちのセリフじゃね?っていうかマジお前誰よ?一分のスキもなく俺の記憶にない顔なんだけど?」
「はぁ・・・・。まあそりゃ1000年も転生繰り返してたら記憶なんて残滓も残ってないわよね。それはそれでかなり凹むんですけど・・・。」
「お、おう。なんか済まん。いやいや、何で俺が謝ってんだよ。結局誰なんだよアンタ?今置かれてる状況とかマジで理解不能だけど、とりあえず置いといてまずそこから始めようぜ?」
「なんか俺譲歩してますみたいな言い方が超上から目線でイラっとするけど、まぁいいわ。私はルゥ。正式にはルネアルク・ミッドガルド。この世界、『箱庭』で魔王の娘をやってる。」
「あ、どうも魔王の娘さんですかー。これはどうもー・・・・ってなるかよ!!!は?魔王?箱庭?ってか最早どこから突っ込んで良いかわっかんねぇ!!!!!」
「落ち着きなさいよ!!!」
「へぐあっ!!!」
ルゥの右拳が智明の鳩尾をこれ以上ないほどクリーンヒットし、智明はその場で悶える。
「まったく・・・。昔の沈着冷静な貴方はどこに行ったのかしら・・・・。転生ってのも考えものね、生まれ変わるたびに劣化してるわ。」
「いつつつ・・・。そう言われてもさぁ・・・、この状況で冷静で居られるやつの方が少ないと思うぜ・・・。」
「まあそうかもね。あ、いけない。お鍋火にかけっぱなしだった!とりあえずご飯作るから、そこらへんで座ってて。話は食べながらしましょう。」
そういうとルゥは智明の左腕に繋がれた鎖を外す。
「・・・なんか釈然としないけど、腹が減ってるのも事実だしそうさせてもらうわ・・・。」
智明は自分の置かれた状況をつかめないまま、ベッドの側にあった椅子に腰掛けた。
次回は説明的なお話になると思います。




