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魔法少女、拾っちゃいました(´・ω・`)。  作者: たつる
1章 魔法少女、拾っちゃいました。
1/2

①出会い

 夏が終わり、残暑の残るある日、俺、明神和也(あけがみかずや)は、バイト終わりの家への帰路についていた。 

「あー、疲れた。」

 なんか口に出したら、余計に疲れた気がする。時刻を見ると、夜23時を過ぎていた。

「あー、何かいいことねーかなー」

 また、独り言を言ってしまった。

 俺は空を見上げ、ため息をつく。星が雲に隠れているのか、ただ黒い空が広がっている。

 星空も見えないのか。まったくとことんいいことねーな。

 俺は、視線を歩いている方へと戻した。

 思えば、今日一日、ろくにいいことがなかった気がする。

 朝起きた瞬間に、部屋の窓ガラスが割れる+野球ボールが頭部にヒットして気絶したり、不良を相手にしてたらバイトに遅れたり、遅刻したから上がるのが2時間遅くなったり...etc。

 今日は本当に災難だったな。

 と、一日を反省しながら歩いていると、

---ボンッ!

 ん?何か音がしなかったか?

 俺は立ち止まり、周りを見わたしてみた。特に、何も起こったわけでもなさそうd--。

---ゴンッッ!!

「痛ぇ!!」

 何かが頭部に勢いよく当たった。俺は思わず頭を押さえてうずくまる。

「なんだよ、もー」

 頭に落ちたものは、近くに転がっていたので、俺は「それ」を拾う。

 なんだこれ、棒?いや、ステッキかな?

 俺は拾ったそれを確認し、上を見上げた。すると---


 人が落ちてきている。


 拾ったものが手から落ちる。

 いやいや、何かの見間違えだろ。目をこすってもう一度見れば大じょ---


 人が落ちてきている。


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 思わず叫んじまった。それにさっきよりも近くなってるし!!やばい、どうしよう!?

 俺がしどろもどろしている間にも、距離はどんどん近くなってきている。

 とりあえず、なんとかしないと!!

 俺は落ちてくる人をキャッチすることにして、その場で構えた。

 構えている間もどんどん近くなってくる。

 え!?待って!?これ落ちてくる速度、速いって!!俺、保たな--

 とか思っている最中、俺は人をキャッチした。

グキィッ!!

 ---腰を犠牲にして。

「~~~~~~~~~~~~っ!!」

 やばい!腰やった!すげぇ痛ぇ!

 俺はその体勢で少し悶絶しつつ、声にならない悲鳴ってこういう時にあがるのかと初めて知った。


 ふぅ、大分腰もよくなってきたみたいだな。

 腰の痛みが徐々に引いてきた俺は、落ちてきた人を確認することにした。

 パッと見、身長130~140くらいで小学校3~4年生くらいの少女で、オレンジ色のショートヘア―で来ている服は修道服みたいな服を着ていた。手には大きな三角帽子を握っていた。

 少女は体に傷はなかったが、気を失っていた。、

 「なんで空から落ちてきたのか」とか、「何この格好」とか、いろいろ疑問はあったが、とりあえずその疑問については考えるのをやめた。

 それよりも---

 この子どうしよっかな...。警察に届けるにしても、理由を説明したところで信じてもらえないしな...。ここに放置ってのは、人間としてダメだし...。

 う~ん。とりあえずは目が覚めるまで、家で休ませよう。

 という結論に至った俺は、まだ痛む腰を酷使し、少女を背負った。

「あ、あとこれも落ちてきたな。」

 ステッキみたいな棒も改めて拾い直し、俺は家に帰るのを再開した。

 はぁ、今日は本当に災難な一日だな...。

 俺は、そう思うと同時にため息をこぼした。


 この出会いから、生活が変わり始めるのを、この時の俺はまだ知らない---

 

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