第7話
散々怒られた後、俺は家に帰った。
母さんやリリ姉には泣かれてしまった。
ルブ兄にも「何やってんだ。バカレオ」と言われてしまったが
みんな心配してくれたみたいで、また泣きそうになってしまった。
泣きそうになっただけで、泣いて無いよ。
いや、ホントに。
さて夕食の時に父さんとライ兄が
俺の方を見ながら何か話している。
やはり魔法を使ったのは不味かったのだろうか?
そんなことを気にしながら夕食を食べたが
特に何も言われることはなかった。
◇◇◇◇◇
あーよく寝たな。
昨日は大変だったからな。
起き上がって部屋から出ると
「あ、やっと起きたね。
もうすぐみんな帰ってくると思うから、ご飯はちょっと待ってね」
そうリリ姉が言ってくる。
ん?もうすぐみんな帰ってくる?
俺は窓から外を見てみる。
あれ?夕方っぽいような・・・
「あのさ。俺どれくらい寝てたの?」
「もう夕方だから、もう少しで丸一日って所だね」
やはり夕方なのか。
よっぽど疲れてたのかな?
寝る時は全く分からなかったんだが・・・
「朝、起こそうかなとも思ったんだけどね。
父さんが疲れてるだろうから、そのまま寝かせておきなさいって・・・
まさか夕方まで寝てるとは思わなかったけどね」
父さん、リリ姉よ。
そんな気遣い入りません。
なんか一日無駄にした気分だよ。
「あ、それからシン君達が昼前に来たよ。
まだ寝てるっていったら、「じゃあ明日でいいや」って帰ったよ」
「そっか~」
なんだろう?
明日でいいやって事は遊びに来たわけでもなさそうだし・・・
まぁ明日になれば分かるか。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい」
母さんが帰ってきた。
「父さん達も、すぐに帰ってくわよ。
母さんはご飯の支度するから、リリも手伝ってね」
そういうと台所に行ってしまった。
ちょっと暇だけど、すぐにみんな帰ってくるだろう
ボーっとしてるか・・・
「「「ただいまー」」」
「おかえりなさい」
父さん達が帰ってきた。
「今日は畑で転んじまったから、先に水浴びしてくる」
「すぐにご飯だから早めに出てきなさいよ」
「はいよー」
土で汚れたルブ兄は母さんに返事をしながら奥に行ってしまった。
「レオ、ライオットから聞いたがお前は魔法を使ったらしいな」
「ごめんなさい」
俺はとっさに謝った。
「ん?あ~別に謝る必要はないぞ。
魔法は悪いものではないからな」
「そうなの?」
「ああ。ただ、その事について話があってな。
まぁルブランが戻ってきてからの方が良いか」
そしてルブランが戻ってきて夕食が始まった。
「レオ、もう一度聞くがお前は魔法が使える。間違いないか?」
「たぶんだけど・・・
あの時は無我夢中だったから・・・」
「そうか。じゃあ今、魔法を使うことは出来るか?」
そう言われ俺は、危なくないように
豆電球をイメージして、光れ!と念じた。
ポワ~っと小さな光が掌に灯る。
「おぉ!俺も使えねえかな?」
ルブ兄が掌に力を込めてるが何も起こらない。
こっそりリリ姉も真似しているが、こちらも何も起こらない。
「ふむ。やはりレオは魔法が使えるようだな」
「やっぱり、いけない事なの?」
「いやいや、さっきも言ったが大丈夫だ。
ただ、この村だと魔法を教えられるものがいないからな。
レオがどうしたいかだが、魔法の勉強をしたいか?」
「うん。勉強したい」
「そうか。
だとすると、この村では勉強できないから
学校に寮のある離れた街で勉強することになるだろう。
大丈夫か?」
「えっと・・・うん。多分大丈夫!」
少し迷ったが、やはり魔法はしっかりと使いたいからな。
「そうか。まぁ学校は6歳からだから
まだ1年半ほど時間がある。気が変わったら言いなさい」
「でも、お父さん。金とか大丈夫?
うちは貧乏じゃないけど、裕福でもないでしょ?」
リリ姉の質問に俺もハッとする。
「そうだな。街までの旅費ぐらいは出せると思う。
問題は学校にかかる費用についてなんだが・・・
レオ、明日から村の見回りに参加して魔物退治を手伝いなさい」
「ちょっと、あなた。昨日あんな事があったのに危ないわよ!」
「そうは言うがな。魔物を倒して毛皮などを売れば金になるし
レベルアップも出来るだろう。
そうすれば学校に通いながら、学費も稼げるだろうし
何かあった時もレベルは高いほうが安心できるだろう」
「それはそうですが・・・」
母さんは納得できるような出来ないような複雑な感じだ。
「母さん、大丈夫だよ。
とりあえず見回りに付いて行って、駄目そうなら
魔法の勉強は諦めるからさ」
「う~ん。でも・・・」
「母さん、大丈夫じゃないかな。
レオは歳の割りにしっかりしてるからね」
「そうだそうだ。それにまだ1年半もあるし
その時になって駄目そうなら止めればいいじゃん」
ライ兄とルブ兄も援護してくれる。
「わかったわ。
でもレオ、絶対に無理はしちゃ駄目よ」
「うん。わかった」
「よし!話はまとまったな。と言いたい所だが、もう1つ」
まだ何かあるのか?
「魔法を教えてくれる学校には入学試験があるらしい。
まぁそれほど難しいものではないという噂だが
それでも読み書きや、最低限の知識は必要みたいだな。
なのでレオ、神父様には話しをしておくから
これからは教会での勉強に参加しなさい」
そうして俺は魔物退治と勉強に参加することになった。