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第6話

俺はアッと言う間に4歳になった。

特に問題もなく家族との関係も良好だ。

ちなみに、まだ魔法を使えていなかったりする。


教会での勉強は6歳から12歳までらしいので、まだ勉強もしてない。


父さんは変わらず畑仕事と村の仕事をしてるし

母さんは、あまり俺に手が掛からなくなるようになって

本格的に畑仕事の手伝いをするようになった。


ライ兄・・・あ、ライオットの事だが

ライ兄は畑仕事の手伝いをしながら、父さんから村の仕事を覚えて言ってる所だ。


村の仕事ってのは、男達で村の周辺の見回りや

村の出入り口の夜間の見張り

近くの町までの買出しなんかがある。

小さい村だから、持ち回りで村の仕事をするそうだ。


リリ姉・・・ライ兄で分かると思うがリリーの事だな。

で、そのリリ姉だが母さんから家事を任される事が多くなった。

家にいることも多いから俺の面倒も良く見てくれる。

なんか、もう1人の母さんって感じだな。


ルブ兄・・・お察しのとおり次男のルブランだ。

ルブ兄は畑仕事を手伝いながら、時々教会で勉強だ。

少し前のライ兄と同じだな。


で俺はというと、特にすることもないし

同年代の子供と遊んでるわけだが・・・


いや畑の手伝いとかしようとしたんだぞ!

だけど「レオは、まだ小さいから遊んでなさい」とか「もっと大きくなったら頑張ってもらうからな」って言われて

全然、手伝いをさせてくれないんだよ。


まぁそんな訳で今日も友達と遊ぶんだ!

俺達の世代は1歳年上のシンをリーダー的存在として

カイン:男 1歳年上

ロバート:男 レオと同い年

キャロ:女 レオと同い年

の4人で俺を含めて5人で遊んでいる。


「ねー今日はどうするの?」

「鬼ごっこでもするか?」

「鬼ごっこも良いんだけどな。ちょっと集まれ」


みんなで遊ぶ相談をしているとシンが

「実はさ。あっちの柵で穴があいてるところがあるんだよ。

 ちょっと村の外を探検しようぜ」


「えー。危ないんじゃないのかな?」

「大丈夫!大丈夫!ちょっと外に行って探検するだけだって。

 それに大人が見回りしてるから問題ないって」

「レオ君はどう思う?大丈夫かな?」


キャロが聞いてくる。

前世の記憶を持っていて、みんなのフォローをしているうちに

相談役みたいなポジションになってしまった。


「そうだね。シンの言うとおり大丈夫じゃないかな」

俺は初めて外に出れるかもと言うことでワクワクしていた。


「よし。じゃあ決まり!

 早速探検にしゅっぱーつ!」


シンの後についてって柵の穴を潜り抜ける。


「おぉ!俺、初めて外に出たよ」

「俺も俺も」

「私も初めて。なんだかドキドキするね。」

「俺は、この穴見つけた時にちょっとだけ出て探検したんだ」


はしゃぐ子供達と自慢するシン。


「よし。じゃあ、あそこの森まで探検だ!」

「「「「おー!」」」」


みんな外に出てテンションが上がって、わーっと森まで駆けて行く。

「森の中もちょっと入ってみようぜ!」


どんどん奥に入っていく。


「あれ?村はどっちだ?」

「えーあっちだろ」

「違うよ。こっちだよ」

「どっちだか、わかんないよ~」


迷った。完全に迷った。

ヤバイ。浮かれすぎてどんどん奥に入ってしまった。


「なぁレオどっちに行けばいいんだ?」

「ゴメン。僕にも良く分からないよ。」

「そっかー。まぁ大丈夫だよ。なんとかなるって」


不安なのを隠すようにシンは言うが、顔は完全にどうしよっか状態だ。


ガサガサ


「なんだよ。今の音」

「もしかして魔物なんじゃ・・・」


ガサガサ

音が近くなってる気がする。


「わーーーーー」

ロバートが走り出した。

続いて俺達も走り出す。


魔物かもしれない。魔物かもしれない。魔物かもしれない。


「痛ーい。待ってー。うわーん」

突然の泣き声に後ろを見るとキャロが転んで泣いてる。


それに気がつき、キャロのところに戻っていく。

「キャロ、大丈夫?」

「うわーん。うわーん。うわーん」

「う。うわーん。わーん」

他のみんなこっちに来て、一緒に泣き出してしまう。


「グルル」

え?後ろを見ると狼みたいなのが吠えている。

あれが魔物か。


「あ、ま、ま、まも、まも」

みんな、突然の魔物に泣く事も忘れ上手くしゃべることもできない。


「グル、グル、ガー」

「危ない!」


ドン。横から何かに押された。

「ぐあ。っつ、この放せ」


ライ兄だ。ライ兄の腕が噛まれてる。

噛まれていない方の手で、しきりに魔物の頭を殴ってる。

ゴスッゴスッゴスッ


やっと魔物がライ兄の腕を放した。


「早く逃げなさい」

「で、でも道が・・・」

「そっちに真っ直ぐです」


ライ兄が指差すが、

そこに、また魔物が・・・「ガー」


「危ない」

俺はとっさに叫ぶが、ライ兄は避けられそうにない。


この吹っ飛べ!


ドン。吹っ飛んだ・・・

吹っ飛んで木に当たった。


・・・魔物は動かない。

ライ兄が木の枝と取り、近づいて魔物が動かないか確認してる。


「ふぅ。とりあえず大丈夫みたいだね。

 この魔物は、もう死んでるよ」


それで安心したのか

「さっきのは何?」

「そうだ。突然魔物が吹っ飛んで」


「あれはたぶんレオの魔法だね。

 僕もレオに魔法の差異のがあるなんて知らなかったよ。

 それよりも、なんで森の中に入った!

 村から出ちゃいけないって言われただろ!」


「「「「ごめんなさい」」」」

とっさに謝ったが、だんだんと恐怖を思い出したのか泣きそうになってしまった。


「あー泣くな。大声でまた魔物が来るかもしれない」


みんな泣くのを我慢して、ちょっと変な顔だ。


「ふふ。

 まぁ怒るのは後にして、まずは村に帰るよ。

 ここはまだ危ないからね。」


俺達はライ兄の後について歩き出した。


「ライ兄、ごめんなさい」

「もう村から勝手に出ちゃ駄目だよ。

 でも、まぁみんな無事でよかったよ」

「でもライ兄、腕が・・・」

「大丈夫!大丈夫!大した事ないよ」


そんなことを言うが、噛まれた箇所は大分血は出てるし

皮膚もボロボロだ。正直、見ているだけで痛い。


俺は鑑定でライ兄の状態を見る。


ライオット:Lv4

生命力:6/32


な、生命力が残り6!?

ヤバイ!ヤバイ!

治れ!治れ!治れ!

俺は治るのをイメージする。


淡い光がライ兄の腕に集まっていく。

生命力:32/32

よし。治った!


「これは!?もしかして、これもレオか?」


綺麗になった腕を見ながらライ兄が聞いてくる。

「えっと、たぶん」

「そうか。これは帰ったら父さんと相談だな」


「え?」

俺、何か不味い事した?

確かに勝手に村から出たけど、今のはそれじゃないみたいだし・・・

よくわからないけど、今は村に帰ろう。


帰ったら、勝手に抜け出た俺達は盛大に怒られました。

まぁしょうがないよな。

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