第4話
「そう重大な事だ。
この世界には魔物などがいて、それを倒す事でレベルアップするわけだが・・・」
【あ、魔物についてか。確かに重大だ】
「魔物ってのは、この世界の魔力の高いところから自然発生する。
だから、別に倒す事については問題ない。
まぁ自分が弱いと逆に魔物にやられるだけだしな」
【えっと、退治するのは問題ないんだと何が問題なんですか?】
「魔物が発生する魔力の高いところを破壊してはならない。
普通の者は辿り着けないが、お前の場合はスキル次第では辿り着いてしまう可能性があるからな」
【え?破壊すれば魔物は発生しなくなるって事でしょう?】
【だとすると破壊して魔物のいない世界にした方が良いのでは?】
「魔物は必要悪なんだ。
魔物がいるから人間同士の争いが少ない。
魔物と言う共通する敵がいるからな」
「例えば、お前の前の世界である地球だが
遥か昔に地球の神が、その力の限りを使って魔物の発生を消したんだ。
その所為で地球の神は力尽きてしまったんだがな。
神はいなくなったが、魔物もいなくなって、一時期は平和だった。
だが魔物の脅威がなくなった所為で、今度は人間同士の争いが増えてしまってな」
【そうなんですか】
「神がいないと魔法も使えないから、一時は文明も衰退した。
今は科学が発達しているようだが、今度はその科学の所為で地球自体が壊れ始めてる状態だ。
だから、こっち世界では魔物の発生はそのままにしてくれ」
【わかりました。でも魔物がいても兵器の開発とかありそうですけど大丈夫なんですか?】
「あまり酷いものでなければ問題ない。
酷い物の場合は、兵器が完成する前に大量の魔物が攻め込んで破壊しつくすか
最悪の場合は、私が天災を起こして消すからな」
【なるほど。あっ!それで結局、俺はどうすればいいんですか?】
「別にどうもしなくていいぞ。
魔物の発生を止めるとかしなければ好きに生きればいいさ。
まぁどうしても困った事があれば、相談ぐらいには乗ってやってもいいがな。
これでも神だから忙しいんだ。当てにはするなよ」
パーっとあたりが明るくなっていく。
「そろそろ、お前の目が覚めるようだ。
じゃあな。この世界を楽しんで生きろよ」