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第28話

俺たちはしばらく迷宮探索を休んだが、1週間ぐらいで探索を再開した。

今度は当然、弱い方1択である。

さすがに、もう死ぬ思いしてドラゴンとは戦いたくないからな。


学校の実習でも迷宮探索が始まり

俺たちのチームは特に問題もなく探索をしている。


そして入学から半年がたった。

あのドラゴン討伐、そして実習や普段の探索により、かなりLvも上がった。


レオン:Lv30

ノン:Lv33

レオナ:Lv32

ソレル:Lv23

チコリ:Lv23

アロエ:Lv21

フラックス:Lv22


実習で迷宮に潜るだけの者が、魔法学校卒業時に大体Lv20前後

普段から潜っている者が卒業時に大体Lv30前後ぐらいって事なので

俺たちは大分優秀だといえるんじゃないだろうか。



そして今日から

ドンドンドン・・・花火が上がる。


「お祭だ~」

そう王国の建国記念日で3日ほど、お祭りなのだ。


俺たち学生は、祭りを楽しむだけかと言うと違うのだ!

《ルテニウム王立魔法学園》から分かるように

学校は王立であり、お祭りの期間に合わせて生徒達は色々とやらなければならない。


5~6年生は屋台など各種販売系を行い、3~4年生は劇や歌を披露する。

で、俺たち1~2年生は客の案内だ。


なんだ。大した事無いなって俺も思ったよ!

しかしだ。祭りが近づくにつれて人が増える増える。

もう王都の宿はいっぱいで、外にテントを張ってる人までいるくらいだ。


さすがに全員を案内するわけではないが、客を案内して戻ってきたら

次の客を案内しての繰り返しで大変だ。



「お~い。レオン!次の客の案内を頼む!」

あ~また行かねば・・・折角の祭りなのに・・・

「は~い。今行きます」


「あなたがレオンですか?今日はよろしくお願い致します」

「ん?今日はですか?

 行きたい所には案内しますけど、それだけですよ」

「今日は私があなたを借りたのです。

 それで今日1日は私の案内をお願いしますね」

え?なにそれ?

そんな制度無かったと思うけど・・・


チラッと先ほど俺を呼んだ先生を見ると

「ああ、ちょっと特別でな。

 今日1日しっかりと案内をしてくれ。

 くれぐれも粗相のないようにな」

「え、はい。わかりました」

良く分かってないが、まぁ1日案内すれば良いんだろう。



俺より少し年上くらいかな?

着ている物も高そうだし、貴族かもしれないな。

粗相のないようにって言われたけど・・・

前世で敬語・尊敬語・謙譲語の区別がついてない俺に任せるなと言いたい。

まぁ俺も相手も、まだ子供だし多少は見逃しくれる。

うん。きっと見逃してくれるだろう。


「えっと、どこか行きたいところはありますか?」

「そうですね。軽く美味しい物が食べられる所に案内してください」


軽く美味しい物だと?

それってなんだ?人によって好みは違うだろ!

とりあえず子供で女の子だから、甘いものか?

そうだな。甘いもので大丈夫だろ!


「じゃあ、クレープの屋台にでも行きましょうか」

「クレープですか?良く分かりませんが美味しいのでしょうか?

 とりあえず、そこでお願いします」

俺は女の子をクレープ屋へ案内する。


ちなみにクレープは俺が食べたかったので

あちこちに匿名でレシピをばら撒いた成果である。



それにしても貴族って凄いな。

他の歩行者が道を開けてくれるから、かなり歩きやすい。


「あぁ!これはとても美味いですね」

もきゅもきゅと食べている。


「ありがとうございます。とても満足しました。

 次は劇が見たいので案内をお願いしまう」

「わかりました」


貴族っぽいから緊張したけど、大丈夫そうだな。

俺は言われたとおり劇の所へと案内する。


とりあえず席まで案内して俺は

「えっと、すいません。ちょっとトイレに行ってきます」


トイレから出てくると・・・

ウネウネ・・・なんか動いてるでっかい袋を担いだ男とすれ違った。

「なんだあれ?お祭りの道具かな?

 とりあえず、席に早く戻ろう」


あれ?いない?

あっちもトイレかな?


・・・


戻ってこないぞ!

なんで?何処いったんだよ!

まさか誘拐でもされた?

まさかな~


・・・って、もしかしてあの袋か!?


俺は慌ててトイレの前に戻る。

男は当然居ない。


近くに居た人に

「すいません。でっかい袋を担いだ男見ませんでしたか?」

「ああ、それならあっちに」

「ありがとうございます」

俺は指差された方に走り出す。


あれだけでかい袋を担いでいたため男の目撃情報は簡単にたどる事が出来た。

「ここだな」


俺は通りから少し入った建物へと足を踏み入れる。

「誰だ!」


さっきの男だ。

「えっと、その袋の中身を確認したいんですが・・・」


男がナイフで切りつけてきた。

うお!俺は咄嗟に体をひねる。

で、そのまま蹴りを入れる。


あ・・・股間に入っちまった。

ゴメン。わざとじゃないんだよ・・・


男は泡吹いて倒れてるので、俺は袋の確認をする。


「・・・」

やっぱりだ。貴族っぽい女の子が気を失って入っていた。


「動くな!」

「へ!?」

俺は突然、騎士っぽい男達に囲まれた。


「いや、俺は」

「喋るな!

 おとなしく付いて来い!」

なんだか分からんが、ここはおとなしく言う事を聞いた方が良いのかな。



・・・


あれ?なんで?

俺は牢屋に直行だったよ・・・


牢屋に入って2日後

「出て来い。おとなしく付いて来るんだ」



「おぬしはレオンだったな。この度はこちらの不手際だった」

「あ、いえ・・・」


おぉ!なんか偉そうな人だ!

あ、隣にあの女の子も居る。

やっぱり貴族って事かな?


「余はルテニウム28世である」

へー、ルテニウム28世か、28代も続いてるなんて凄いな。

・・・ん?ルテニウム・・・


王都の名前もルテニウムだったよな。

って事は、王様!?この人が王様か!


「申し訳ありません。

 王様とは知らずに・・・」

「よい。それよりも今回は姫の案内、それと誘拐の即座の対処、感謝する」

姫の案内?

あの女の子はお姫様だって事か!


お姫様も「ありがとうございました」という紙を持って、軽く頭を下げた。

あれ?でもなんで「ありがとうございました」って紙なんだ?

案内中は普通に会話してたよな。


「あの、どうして喋らないんですか?」

「貴様!!!」

え?騎士の人が怒って、こっちに来るよ!

俺なんかマズッたの?

言葉づかい?それとも質問自体NGなの?


「待て!」

「しかし、こいつが離れなければ・・・」

「よいから下がれ!」

騎士の人は、壁際へと下がっていく。

なんかスゲー睨まれてるよ。。。


「おぬしに責任があるとまでは言わんが多少は関係している。

 どうも誘拐される際に薬を飲ませれたようでな。

 声が出なくなっておる」


え?


「今、宮廷の薬師に調査させておるので、時期に治す方法も分かるであろう。

 此度の件は祭りに乗じて不届き者を入場させてしまった警備にも責任があるゆえ

 おぬしが悪いとは言わん。

 不届き者が入場したなど、民を不安がらせてもいかんから他言無用だ」


「はい。わかりました」

「では以上だ。もう帰ってよいぞ」



俺はトボトボと寮へと向かう。


俺に責任はないって言ってたけど、俺の所為だよな。

騎士の人が言ったように、一緒にいれば大丈夫だったはずだもんな。

姫様、早く治るといいな~


神殿の前を通りかかり


そうだ!早く治るようにお願いしよう。

ミルト様も、それくらいなら聞いてくるんじゃないか?

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