第17.5話 レオナ視点
ノンと相談し、レオンに唾をつけておく方向性で決まった。
あれだけの魔法が使えるものは、なかなかいないからな。
街に着いたら色々と世話を焼いてやろう。
魔物の群を退治した後、特に問題もなく街に到着した。
さてレオンがどっかに行く前に捕まえとかないとな。
「なあレオン。お前も今日は、ここで宿取るんだろ?」
「そうですね。さすがに次の町に、このまま行くのは辛いですからね。
マジックフードポーチも交換しないといけないですし・・・」
「うんうん。ずっと村にいたって事は、宿の場所も知らないだろ?
私達は今から宿に行くから一緒に来ないか?
各部屋に風呂があって、なかなかだぞ」
「あ、助かります。では宿まで一緒させていただきますね」
よし。上手く行った。
こいつは移動中も良く体を拭いてたから
風呂があるって言ったら着いてくると思ってたぜ。
まぁ私達も風呂には入りたかったってのもあるけどな。
レオンの気が変わらないうちに、さっさと宿に案内する。
「お~い。おやっさん、部屋は空いてるよな?
3人で部屋をひとつ頼むぜ」
事前にレオンも一緒の部屋にしようとノンと話してある。
レオンがよっぽど嫌がったりしたら、諦めるが・・・
仲良くなるのが目的なのに、嫌われるのは不味いからな。
レオンは色々と言って断ろうとしているが
本気では嫌がってないみたいだな。
なので押し切って一緒の部屋にした。
◇◇◇◇◇
軽く夕食をとった後
「明日はどうするピコ?」
「そうですね。明日はマジックフードポーチの交換をして
次の乗合馬車の確認ですかね。
いい時間のがあると良いんですが・・・」
よし。想定どおりだな。
王都の学校に行くって言ってたし、このまま馬車を乗り継いでいくのだろう。
とりあえず明日も一緒にいるようにして、今日はもう風呂に入ろうかね。
「なるほどな。私達もポーチの交換が必要だから一緒に行くよ。
とりあえず今日は、風呂だな!
移動中は風呂に入れないから大変なんだよな~」
「全くピコ!早く体洗いたいピコ」
風呂場にて
「で、どうするピコ?」
「とりあえず王都まで着いて行って、レオンの卒業を待つさ」
「それは確定として、その前にどうやって仲良くなるピコ?」
エルフの私や、フィールドランナーのノンは妖精族だ。
妖精族は800年近い寿命がある。
そんな私たちにとってレオンが卒業するまでの6年はあっという間だろう。
「とりあえず、ベタだけど色仕掛けでもしてみるか」
「大丈夫ピコ?レオンは、まだ子供ピコ。
仮に成功したとして、もし興奮して襲ってきたらどうするピコ?」
「大丈夫だろ?ノンの言うとおり、まだ子供だからな。
仮に興奮しても何も出来ないだろうさ」
そんな訳でちょっと色仕掛けを
「おっと、体を洗う布を忘れてた」
お!固まったぞ!
「ちょ、ちょ、ちょ」
「ちょ?」
「ちょっと体ぐらい隠してくださいよ!
なんで堂々としてるんですか!」
「いやだってレオンは子供だし・・・
って、ちゃんと男みたいだな。悪い悪い」
意外と効果あるみたいだな。
いっちょ前に反応してるみたいだ。
「うえ?あ、これは・・・」
レオンは慌てて股間を隠す。
やばい!これは反応が面白い!
こう面白いと益々、からかいたくなるな。
とはいえ、嫌われても駄目だから退散しますか。
「はっはっは~。まぁ気にするな。気にするな」
「どうだったピコ?」
「いや~意外と男だったぞ」
「!?襲われたピコ?」
「いやいや反応してるだけで、襲われるとかは全然。
あまりにも面白いんでな。あれは色々としたくなるな」
「なるほどピコ。
まぁレオンも風呂に入りたいだろうから、さっさと交代するピコ」
「そうだな」
「あーいい湯だった」
「気持ちよかったピコ!レオンも入ってくるといいピコ」
って、あれ?レオンがいきなり顔を逸らしたぞ。
「どうした?今度はちゃんと着てるじゃないか?」
「なんで、そんな薄手のシャツ1枚だけなんですか!」
「え?だって後は寝るだけだし、ゴワゴワしたの着てたら寝にくいだろ」
「あーもう。いいです!風呂行ってきます」
まさか寝る時の格好にも反応するとは、やっぱり面白すぎる。
ノンも隣で、物凄い笑顔だ。
「確かに、これは楽しいピコ!」
「じゃあ、寝る時はレオンを真中にして、近くで寝てみるか」
「それも面白そうピコ!
今度はどんな反応をみせるピコ?」
お互い、にやりと笑いあう。
レオンが風呂から出てきたので寝ることを提案すると
床で良いとか言ってきたが、ここも押し切ることにした。
うん。やはり本気で嫌がってはいないみたいだな。
予定どおりレオンを真ん中にしてベッドに入る。
あれ?意外と疲れてたかな。
眠くなってきたぞ。
ノンの方を見てみると、そっちも眠そうだ。
仕方がない今日は、このまま寝るとするか。
とりあえず近くにあったレオンの頭を抱え、眠ることにした。