第17話
「やっと着いた~
やっぱ、ずっと馬車に乗ってるっとなんか疲れた気がするな」
乗ってるだけだし、『超回復』のスキルもあるので
実際には大した事無いんだろうけど、疲れた気がするんだよね。
「なあレオン。お前も今日は、ここで宿取るんだろ?」
「そうですね。さすがに次の町に、このまま行くのは辛いですからね。
マジックフードポーチも交換しないといけないですし・・・」
「うんうん。ずっと村にいたって事は、宿の場所も知らないだろ?
私達は今から宿に行くから一緒に来ないか?
各部屋に風呂があって、なかなかだぞ」
「あ、助かります。では宿まで一緒させていただきますね」
道中、固く絞った布で体を拭くぐらいで
風呂どころか水浴びも出来てなかったから、これは嬉しい。
ちなみに話に出てきているマジックフードポーチだがパッと見は小さな袋である。
でも鑑定すると
マジックフードポーチ:食材が入っている袋。袋の中は時間が経過しない為、食材が傷む事がない。専用の機材でないと中に食材を入れられない。約2週間分の食材が入っている。
これ作った奴、かなり儲けてるんだろうな~
自分で食材を入れられないから、毎回交換しないといけないもんな。
その辺も考えて作ったんだろうな~
なおマジックウォータボトルという見た目は小さな水筒だが、中には大量の水が入っている商品もあり、この2つは旅の必需品である。
◇◇◇◇◇
「お~い。おやっさん、部屋は空いてるよな?
3人で部屋をひとつ頼むぜ」
「3人で部屋1つ?ああ、この町に他の仲間がいるんですね」
「違うピコ。レオンも一緒の部屋ピコ」
「いやいや、俺はちゃんと1人で部屋を取りますって
そこまでしてもらう理由もないですからね」
「まぁまぁ、3人での方が安く上がるんだって
2人で一部屋より3人で一部屋の方にして、人数割した方が得なんだよ。
レオンの方だって、1人で一部屋より大分安くなるぞ」
「確かに安くなるのは、ありがたいんですけど
ほら、俺は男だし1人での方が・・・」
「大丈夫ピコ!レオンは子供だから問題ないピコ!」
「そうそう。遠慮するなって」
「いや遠慮って訳でもなくてですね」
・・・結局、2人に押し切られる感じで一緒の部屋になった。
「明日はどうするピコ?」
「そうですね。明日はマジックフードポーチの交換をして
次の乗合馬車の確認ですかね。
いい時間のがあると良いんですが・・・」
「なるほどな。私達もポーチの交換が必要だから一緒に行くよ。
とりあえず今日は、風呂だな!
移動中は風呂に入れないから大変なんだよな~」
「全くピコ!早く体洗いたいピコ」
そういって部屋の風呂に入ってく。
なにも起こらないんだろうけど、こういうのってドキドキするな。
部屋から出て行ってたほうが良いのかな?
いやでも、ここで出て行くのも変だよな。
ちゃんとドアもあるし、風呂の方に近づかなければいいよな。
「おっと、体を洗う布を忘れてた」
へ?!?!?!?
「ん?どうした?レオン」
「ちょ、ちょ、ちょ」
「ちょ?」
「ちょっと体ぐらい隠してくださいよ!
なんで堂々としてるんですか!」
「いやだってレオンは子供だし・・・
って、ちゃんと男みたいだな。悪い悪い」
レオナの視線は俺の股間に・・・
「うえ?あ、これは・・・」
慌てて股間を隠す。
「はっはっは~。まぁ気にするな。気にするな」
そういって風呂場に戻っていく。
いやレオナさんの方こそ気にしてくださいよと思う俺だった。
しばらくして風呂から出てくる2人
「あーいい湯だった」
「気持ちよかったピコ!レオンも入ってくるといいピコ」
俺はサッと顔をそらす。
「どうした?今度はちゃんと着てるじゃないか?」
「なんで、そんな薄手のシャツ1枚だけなんですか!」
「え?だって後は寝るだけだし、ゴワゴワしたの着てたら寝にくいだろ」
「あーもう。いいです!風呂行ってきます」
俺は少し前かがみになりながら風呂に向った。
あーもう。2人とも無防備すぎる。
俺が子供だから、警戒してないんだろうけど・・・
・・・それにしてもレオナさんは気やせするタイプなんだな。
エルフって、小説とかだとペターンってイメージだったけど
まさにバンッキュッバンって感じだった。
ノンさんの方は想像通り、ストーンって感じだったな。
それにしても薄手で白のシャツだったから、うっすらと・・・
いやいや、いかん。いかん。煩悩退散!煩悩退散!
少しのぼせ気味になりつつ風呂を出る。
「お、出てきたな。
疲れてるだろうし、今日はもう寝るとするか」
「それがいいピコ」
「そうですねって・・・ベッドどうします?」
そう3人で一部屋ってのは、3人用の部屋ってわけではない。
大き目のベットが1つしかないのだ。
確かに3人ぐらいは寝れそうだから、3人での部屋としては問題ないのかもしれないが・・・
「どうするとは、どういうことピコ?」
「ん?ああ、レオンは誰がベッドで寝るのかって聞きたいんだろ?
大きいベッドだし皆で寝れるだろ」
「いやいや、そういうわけには・・・
俺は床で大丈夫なんで、2人でベッドを使ってもらえれば・・・」
「大丈夫!大丈夫!」
「子供が遠慮するなピコ!」
3人で1つの部屋になったように、無理やり押し切られてしまった・・・
いや俺の意志が弱すぎるのか。。。
「すぅすぅ」
「くぅくぅ」
・・・寝れない・・・
そして動けない。。。
どうなってんだ!
ベットに入ると2人は早々に寝た。
何故か俺が真中という位置取りで・・・
まぁそこまでは良しとしよう。
ぎゅむ~っとレオナさんが抱きついている。
間には薄手の布一枚しかないのに、俺の顔を抱きしめているのだ。
暗いから透けてるのは分からないが・・・
一方、ノンさんの方は言うと
こちらも抱きついている、俺のわき腹辺りにノンさんの顔がきている。
しかし問題は足だ。
足でがっちりと、俺の足を挟んでいるのだ!
しかもレオナさんもノンさんも着けていなかった気がする。
確認した訳ではないんだが、風呂から出た時は
下までうっすらと肌色だったような・・・
・・・
・・・
俺は結局、大して寝る事ができず朝を迎えた。