第10話
「おかえり。でレオの初の見回りはどうだったんだ?
一旦魔物を置きにきたみたいだから、戦ったんだろ?」
帰るなり、ルブ兄が聞いてきた。
「そうね。危ない事がなかったかの確認もしたいし
朝ご飯を食べながら、話を聞きましょう」
そんな訳で見回りの時の出来事を話したんだが・・・
「魔法に関して大して知らなかったが
あれは強いけど、その分危険性も高いな。
レオ、気が変わったら村にいても良いと言ったが
父さんは、しっかり勉強してくるべきだと思う」
「そうだね。僕も間近で見て魔法は凄いけど危ないとも思ったよ」
「なんだよ。そんなに凄かったのかよ。
俺も見てみたかったな~」
「レオ、約束だ!
魔法は見回りの時、魔物に向ってだけ使うようにしなさい」
「わかった。
あ、でも攻撃用じゃないのは?
この前の光るやつとか・・・
その、少しは練習したいんだけど・・・」
「うーん。そうだな。
危なくなさそうなのなら、多少は使ってもいいが
それでも人に向っては駄目だ。
何が起こるかわからないからな」
「わかった!」
朝食を食べつつ魔法の使い方の約束をしていると
「今日は教会で勉強の日ですよ。
早く支度して行ってきなさい」
「あ、俺も今日から行って良いの?」
「そうだな。昨日の今日で、まだ神父様には話が出来ないんだが・・・
どうせ畑に行く途中だし、父さんも一緒に行ってお願いしてこよう」
◇◇◇◇◇
そんな訳で、さっそく勉強することになった訳だが・・・
やばい。そもそも文字がわからない。。。
読み書きからって事で、50音表みたいなので勉強しているのだが・・・
前世じゃ、英語どころか現代文でも赤点だったからな~
1年半しかないし、とりあえず頑張るしかないか。
午前中は、とにかく文字の書き取りを行なった。
スキルでも勉強は楽できないみたいだ・・・
昼休みに教会の庭で弁当を食べていると
「おーい。レオ!」
ん?あ、シン達だ。
「おーい。こっちだ」
「あ、いたいた」
「お前、魔法の勉強する為に街の学校に行くんだってな」
「うん。そうだけど・・・」
「なぁ、ちょっと魔法を見せてくれよ」
「いいけど、危ないかもしれないから少し離れてね」
俺は掌に光を灯す。
「おぉ~スッゲー」
「いいな~。私も使ってみたいな~」
「なぁレオ、俺達に魔法を教えてくれないか?」
「え?」
「いや、頼みに昨日もお前の家に行ったんだけど
まだ寝てるって言われたからさ。で、どうだ?」
「いや。俺も魔法について良く分からないから勉強しに行くんだよ。
教えるなんてできないと思う」
「そっか。残念だな。
ま、しょうがないか。
それより、なんで教会にいるんだよ?」
俺は町の学校に入るには試験があることを
そのためには勉強しないといけないこと
ついでに朝の見回りにも参加することを伝えた。
「えー。じゃあ、あんまりレオと遊べなくなっちゃうのかよ~」
「うん。ゴメン」
「たまには遊べるんでしょ?」
「それはモチロン」
「くっそー。俺の方が年上なのにレオの方が頭が良くなっちゃうじゃん」
などと色々と話していると
「あ、そろそろお昼休みが終わる」
「そっか。じゃ、また今度遊ぼうな」
「またねー」
シン達が帰っていく。
さて俺も午後の勉強頑張りますか!