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第二話 置手紙
バージ視点です
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親愛なるバージ
お前がこの手紙を読んでいる頃には、お父さんは、もう海に出ているだろう。
前にも話したがクリスタルの伝承について、どうしても調査したい事ができた。
1年以内には一度帰ってくる予定でいる。ちょうどお前が士官学校を終業した頃にはだ。
学費は来期の分も収めてきた。今度の航海には、お前を連れていけなくてすまない。
父より
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ロイドとの皮肉を交えた日常会話を終え、家に着くとこんな置手紙があった。
きっと面と向かって言われれば、何が何でも付いていっただろう。
だが、これはお父さん自身の戦いなんだ。
そこに僕の命をかけちゃいけない。そういう事なんだ。
それでも、僕には僕の戦いがある。
次の日、僕は士官学校を辞めて、正式に水夫として働く事にした。