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不定期人形師(仮)  作者: 花葛
1章:赤髪問題児の職業は人形師
2/5

(2)病は病院に行くべきだ

文章が短めです。追加するかもしれません。なお、主人公はまだ出てきていません。

  歯が痛かったら歯医者へ

  視力が落ちたら眼科へ


  では、具合が悪くなったらどこへ行きますか?


  「ぜっったいに、おかしいっ!!どうして病院じゃなくて人形店に来るの!?」

 

  正解は、人形店です




 閑静な住宅街に響く少女の叫び声。

 原因は目の前にある平屋家屋の門に下げられている木の看板にあった。年月の経った色褪せた字で【人形店’来来館(らいらいかん)’】と書かれている。知る人ぞ知る隠れた名店というわけではないが、ごく一部の人には名の知れた店である。

 

 「お姉ちゃん、本当にここなの?間違いとか迷ったとかじゃなくて?」

 「ええ、もちろんよ。ここで正解だし、迷子でもないのよ、美乃里ちゃん」

 「だって、ここ人形店って看板が出てるよ?病院でも診療所でもないじゃない。お姉ちゃんの病気、見てもらえないよ」

 ここ数日、身体の調子を崩しがちな姉が心配で病院にいくはずが、何故が姉に連れてこられたのが人形店前だった。具合が悪ければかかるはずの病院ではなく、子供の玩具として買ってあげる人形やぬいぐるみを売る人形店だ。

 

 絶対に姉はおかしい。

 頭だ。頭がおかしくなっている。早急に病院にかかるべきだ。こんな妖しい店じゃなく。


 「やっぱり帰ろう!帰ってすぐに、ちゃんとした病院行こうっ!」

 「え、待ってちょうだい。本当にここで合っているのよ」

 必死に姉の腕を掴んで引き返そうとする美乃里に戸惑う。せっかくここまで来たのに引き返してしまっては意味がない。身体の調子が悪いからこそ、ここの人形店まで来たのだ。

 美乃里を引き止めるために言葉を発しようとしたとき、目の前の門が内側から開けられた。


 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ご予約の田辺美鶴様ですね。どうぞ中へお入りください。」

 人形店への美乃里の不信や警戒心が横道に吹っ飛ぶ程の魅惑的な微笑みを浮かべる美青年に出迎えられた。


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